◆この世で”たった独り”のふたり~天祥院英智と日々樹渉
知り得てよかったと思う人物が居る
あんさんぶるスターズの物語
天祥院英智(CV.緑川光)
日々樹渉(CV.江口拓也)
このふたりの話をしようと思う
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どれほど周りに人が居ても
人気者であっても
友人が居ても
さまざまな理由と境遇から
”独りぼっちの心持ち”
そんな人が居る
日々樹渉は一見して美しい男と判る
その類い稀なる美丈夫たる相貌と
持って生まれた才能に加え
極力まで貪欲に重ねる努力と
恐ろしい程の体力知力向上心で
尊敬は集めるものの
あまりにも常人離れした
荒唐無稽なほどの能力の高さにより
人から畏れられ
時には奇異な眼差しを向けられ
遠巻きにされ
孤独を感じていた
彼のすべてをまるごと受け入れ
寄り添い 離れず
愛おしもうとする者は居なかった
だがそんな渉の“すべて”を
憧れ
恋い焦がれ
求め
文字通り命懸けで
近づいて行った人物が居る
彼の名は天祥院英智
大財閥の一人息子であるが
病弱で幼い頃から入退院を繰り返し
唸るほどの資産があっても
思うように動けない身体を恨み
いつ死ぬかも分からない恐怖に怯え
周りの健康な学友を見るにつけ
やはり人生において
圧倒的な孤独を感じていた
幼少期から帝王学を教え込まれ
持って生まれた人間性から
自他共に努力を怠る事を悪とし
向上に向上を重ねる英智に
心から共感する者も居らず
彼のすべてをまるごと受け入れ
寄り添い 離れず
愛おしもうとする者は居なかった
しかもその努力のハードさが
しばしば彼の弱い肉体を蝕んだ
そんなふうに
繰り返される入退院
折れそうな闘病中の英智にも
元気と希望と気力をくれた存在がある
それはテレビの中で
キラキラと煌めき
希望の光を放つ“アイドル”達であり
既にデビューしていた
日々樹渉
その人であった
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さてさて、それから
本編の通り
(アプリご参照)
ふたりの物語は
それはもう
さまざま難儀な事柄を経て
さまざま海山を乗り越えて
鮮やかに紡ぎ織られるのですが
現在ふたりは
共に同じユニット
fine(フィーネ)として活躍しています
このふたりの稀有な
強靭な結びつきは
常に「死にたくない」と泣き
人生にしがみついていた英智が
生きる事を拒み
痩せ細り薄汚れ荒んでしまった
剣ヶ峰の如くの
恐ろしき混沌の中で始まった
この世の煌めきや生きた感情を
実は失いかけていた…
そんな渉が
自暴自棄の英智に歩み寄り
叱咤し檄を飛ばし
生きる目標を示唆し
手を繋ぎ合う…
そこから始まった
つまりは
天祥院英智と日々樹渉は
ふたり共に
人生のどん底において
互いに生命と人生を賭した
”出発”と”誓い”から
稀有な絆を紡ぎ始めたのです
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そこから共に
英智は生きる希望を
渉は人の世の美しさを
一歩ずつ心に宿してゆく
その物語を読んでいると
ふたりは惹かれ合うべくして
絆を結べ得たのだと感じる
渉が居なければ英智は
英智が居なければ渉は
…今頃どうしていたろうか
命と命が結びつく
人生の重みに深く深く感じ入る
物語の中で
ふたりが支え合いつつ
人生を賭けた構想を練り
その構想の目指した場所に
英智が文字通り
命を賭して辿り着いた
その瞬間
渉が英智の手のひらに接吻をした
「やり遂げましたね…英智」
万感胸に迫る想いだったろう
そして今…
ふたりは共に手を取り合い
日常を謳歌しているのである
それがとても嬉しい
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さてさて
それにしても
たいてい大仰な演劇めいた口調の渉も
時に身構え皮肉めいた口調の英智も
ふたりでの会話は
穏やかで落ち着いている
それだけで互いが互いに
特別な存在だと分かる
声も身振りも大きく
ドラマティックに過ぎる
そんな渉と長時間話せる者は
なかなか居ない
そして説明好きで話が長く
話の脈絡をどんどん伸ばしゆく
そんな英智と長時間話せる者も
なかなかに居ない
けれどそんな渉と英智は
互いの話を
何時間でも何十時間でも
聴き続けられ 語り合えるのだ
驚いたのは
会話の途中で渉が
「ぉおそんな!Amazing!」
と頓狂な声を張り上げようとも
英智はそのまま受け取り
「うん、そうなんだよ渉」
とペースを乱す事無く
無理なく自然に会話を続けられる点だ
これはもう相性以上の相性が
良過ぎるとしか言えない
そんなふうに
何十時間も対話できる相手を
このふたりは
このパーソナリティゆえに
どんなに切望していたか知れない
そんなふうに感じる
過酷な人生の渦中においても
出逢うべくして出逢ったわけです
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そして不思議だった
七夕祭でのエピソード
英智がコトンと
渉の肩にもたれて眠ってしまう理由
いつからどうしてそんな仲に?
と思いましたが
映画エレメントを観て納得しました
英智が入院している冬の間
毎日毎日病室で語り合い
構想を練っていたふたりですから
時にはふらつく英智を
渉は支え 肩にもたれさせ
抱き上げ運ぶ事もあったでしょう
ちょっと個人的に
楽しいシーンを想像してみたりもします
ある日、
ふたりはいつものように夢中で語り合い
気づけば深夜を回ってしまったのですが
「英智、ちょっとそっちに詰めてください。今夜は泊まっていきます」
「え、このベッドに?今すぐ高級なベッドを手配するよ」
「英智、もう夜中ですよ。無理です。それに楽しくありません?お泊まりで友達と同じベッドで寝落ちるまでおしゃべり。ふふふ。私初めてですぅ」
「…僕もこんなの初めてだよ…嬉しい…楽しいよ渉」
「ふふふ。これで紅茶にクッキーでもあれば完璧なんですけど」
「そこの棚に両方あるよ渉。お湯も常備してあるしね」
「さすが英智!…え、このクッキー…ちょっとお高そうですけれど」
「そうでもないさ。多分ひと缶2万円もしないのじゃないかな」
「え、Amazing!私ひと缶600円のクッキーでも美味しく戴けますけどっ」
「うふふ」
などなどあったのやも知れませぬ。
とすればいつも近距離で
くすくす話し合っているのも
ふたりの距離が近過ぎるのも
スッキリと腑に落ちるのでした
いずれにしても
互いの対話の時間が
楽しくて愛おしくて
この世の至福の
煌めかしい宝物なのだと感じ入ります
※今回はここまで
(2023年8月26日 記)
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最後まで読んで戴きまして感謝申し上げます。心の中のひとつひとつの宝箱、その詰め合わせのようなページにしたいと思っておりますです。