ミカサの頭痛の謎 進撃の巨人の最終考察①

今回は、いよいよクライマックスを迎える進撃の巨人考察回です。

この考察がしたくてnoteをはじめたといっても過言じゃありません。

そのため、今回は長いです 笑

よろしいですか?

では、参ります。

数多くの謎とはりめぐらされた複雑な伏線が想像を超える展開で見事に回収されていくのが進撃の巨人の面白さの1つですが、

連載の初期の段階で出てきたにもかかわらず、クライマックスに差し掛かった今になっても明らかになっていない謎が2つあります。

・物語の冒頭「いってらっしゃいエレン」のシーン
・ミカサが頻繁に起こす頭痛の発生理由

考察好きには語りつくされてきたおなじみのシーンですね。

この作品のヒロイン(ヒーローか?)であるミカサが関わるこの2つのシーンについては「ループの伏線だろう」という考察が非常に多いです。

というのも、

作者の諌山先生が「パクって作った」と公言している「マブラブ オルタナティブ」にほぼ同じ設定・シーンがあり、それらがループを意味するものだったからですね。

しかし、僕はこのループ説については否定する立場です。

だって、パクり元を公言しておいて、設定も結末も同じにしたらバカでしょ?そんなことを天才・諌山創がするわけないじゃないですか!!

すでに「道」という進撃の巨人ならではの設定を持ってきた時点で、ループ説は消えたと僕は思っています。

では、「いってらっしゃいエレン」にもつながると思われるミカサの頭痛は、何が原因でおこっているのか、どんな設定があり、今後の話の展開にどんな影響を与えるのか?

進撃の巨人に残されたこの最後の謎について、すでに公開されている情報を参考にしながら考察していきたいと思います。

※ここから先は、最新126話の内容ネタバレを含むので注意してください。


結論を最初にいってしまうと。。。


ミカサの頭痛ですが、ミカサに流れるヒィズルの将軍家とアッカーマンの2つの血がせめぎ合っていることによって生じる症状だと考えます。

エレンが112話で、頭痛の原因は、本来のミカサがアッカーマンの血の習性に抗っていることで生じているものだと言ってましたが、そこからヒントを得ているのはいうまでもありません^^

そして、この血の衝突がどんな状況を引き起こしているかというと、

将軍家の血には、ある特殊能力があるけれど、アッカーマンの主(あるじ)に従属する血の習性によって、それが抑え込まれている(能力を発揮できない)という状態をつくっているってことです。


進撃の巨人における頭痛の意味って?


そもそも頭痛については、物語の序盤、ミカサ以外にもうひとり苦しんでいる人がいました。

エレンです。

1巻第3話で、ハンネスさんに父親の行方を尋ねられたエレンはその刹那、激しい頭痛に見舞われ、そのままぶっ倒れています。

今思うと、このエレンの激しい頭痛というのは、親兄弟を食べて巨人の力を継承するという狂気の沙汰を繰り返してきたユミルの民が正気を保つための防御反応だと思うんですよね。

カニバリズムとか普通の人間は狂うでしょ。

だから、

・継承の前後の記憶はなくす
・親を食べた場合は特に記憶の蓋が固く閉じる

というように、歴代の継承者のキツい記憶が蓄積が継承時の記憶は強制的に思い出させないよう道を通じて記憶にストッパーをかけるんじゃないかと思うんです。

それと同じで、ミカサの場合も「頭痛=記憶のストッパーが働いている結果」だと思うんですね。

つまり、将軍家の特殊能力というのは「記憶」に関することです。

将軍家のもつ「記憶」に関する能力がアッカーマンの血の習性によって抑え込まれることでミカサに眠る力が抑え込まれているということなんですね。


なぜ、将軍家は壁の中に取り残されたのか?


ここでちょっとミカサのご先祖様の話をします。

キヨミさんの話(107話)によると、ミカサのご先祖様である将軍家は100年間に混乱のさなか壁の中に取り残されたという説明があります。

その後、壁の中に取り残された将軍家(東洋の一族)がどんな扱いを受けたかは、ケニーの祖父の話(65話)からわかるように、王の理想とする統治方法に背を向けたことで、迫害されるようになりました。

で、ここで疑問がでてくるわけなんですよ。

1、なんで壁の王は自分に歯向かう将軍家を壁の外に追放しなかったのか?
2、将軍家はヒィズル国という帰る場所がありながらなぜ壁から出ていかなかったのか?

この2つです。

同じ王家でも壁の王は考えに従わないものとは決別しています。だったら、ヒィズルの将軍家だって同盟国で懇意にしていたとはいえ、壁の世界の統治に関して苦言を呈するのなら追い出せばよかったと思いませんか?

さらに、アッカーマン一族と違って将軍家には壁の外に帰る場所がありました。

エルディアと組したことで国際的な立場が弱くなってしまったとはいえ、壁の中で迫害されるくらいなら仲間のいるヒィズル国に帰ったほうがマシじゃないですか。

でも、しなかった。

もちろん、すでに壁の外に巨人がウヨウヨしていて壁外に出られなかったという可能性もあります。ありますが、僕は「壁の王によって将軍家は監禁された」という説を推したいと思います。

ヒィズル国の将軍家を壁の王が恐れた理由


なぜ、将軍家は監禁されたのか?

この理由はシンプルです。

将軍家に壁の外に出ていかれると、壁の王が考える平和を脅かす可能性があるからです。

「せっかく壁の民の記憶を改ざんして過去の歴史を抹消したのに」
「壁の外はこれまでの贖罪としてマーレに自由と力を与えてすべてを委ねたのに」
「世界を守るためには、ユミルの民は罪を受け入れ滅びゆく他にないのに」
「ただ何も知らずに世界の怒りを受け入れれば死ぬのは我々エルディア人だけで済むのに」

これら壁の王が考える平和を覆される可能性があったからです。

そんな壁の王を恐れさせる将軍家の能力とは何なのでしょうか?

僕はこれしかないと思います。

将軍家は、ユミルの民の道(=記憶)に介入できる能力があった。さらにいえば、ユミルの民をつなぐ「道」を自在に再構成することができる。

です。

いよいよ話がぶっ飛んできましたね 笑

例えですが、

アッカーマンはユミルの民ですが、他とは明らかに違いますよね?

始祖による記憶の改ざんは受け付けないですし、巨人にもなりません。しかし、道には通じていて、一部巨人の力を引き出せるし、歴代アッカーマンの戦闘経験を得ることができます。

このアッカーマンが生まれる過程に将軍家が介入していたらどうでしょうか?始祖の記憶改ざんが効かない「道」の再構成に将軍家が関わっていたとしたら?

アッカーマンの場合は戦闘力に特化していますが、同じように道を通じて知識を引き出せる頭のいい学者タイプの一族なんかも作れると思います。

そうなると、「戦闘力が高い」「頭がいい」それでいて、始祖の巨人の力が及ばないユミルの民がボコボコ大量増殖しちゃうことだって考えられるわけです。

するとどうなるでしょうか?

「強大な力に対し人あまりにも弱い。誰かが人の手から巨人の力を守らねばならない」

たとえ巨人の姿にはならなくても、優生思想をもったユミルの民がやりたい放題はじめるのは目に見えてますよね。その結果、多くの血が流れる可能性があるわけです。

ユミルの民は罪を受け入れ滅びゆく他にないのにそれを認めず勝手放題しはじめるのは許せなかった。そんな可能性の芽を壁の王は完全に摘んでおきたかった。

だから、壁の王は将軍家の力を恐れて監禁したのだと思います。


第1話14ぺージに隠された謎の十字


ただし、この将軍家の道に介入してくる特殊能力は単独では発揮できないと思います。

単独で発揮できたら壁の中でも外でも関係ないですから^^

きっと何か力を発揮するにはトリガーが必要なんだと思います。

ヒントになりそうなのは「いってらっしゃいエレン」の場面でエレンが寄りかかっていた木です。

コミック1巻の14ぺージを見てもらえるとわかりますが、エレンが寄りかかっていた木の幹に、うっすらですが十字の傷がついているんですよ。これ怪しいと思いませんか?

レイス家の地下礼拝堂でロッドとヒストリアに触れられたエレンはその記憶の蓋を開かされました。あのシーンは「記憶の蓋」を開けるには「場所」も重要な意味を持つことを示唆していると思います。

となると、あの十字が刻まれた木には何か意味があるか。。。。

あるいは、壁の外のある場所もしくは壁の外にある何かに触れることで、将軍家にそなわる特殊能力が発動するみたいなことがあるのかもしれません。

他の可能性としては、壁の外の状況として7つの巨人がマーレの管理下にあったわけですが、進撃の巨人だけは行方不明だったんですよね。(※進撃の巨人展情報です。)

となると、

9つの巨人と将軍家が接触するとマズい!進撃の巨人と将軍家が接触すると能力が発動する!という可能性もあるのかも?と考えたんですが、これだと座標の発動条件と被ってしまいますよね。

そもそも、ミカサとエレンがこれまで普通に接触しているので、9つの巨人×将軍家の組み合わせというのは力の発動条件としてはちょっとありえないかなと思います。

まぁ、エレンに対する執着から解放された状態(覚醒後)で、エレンに触れると能力発動という可能性もあるんですが。。。。


アズマビト家がすべてを知っている理由


将軍家がユミルの民の道に介入できるのでは?と推測した根拠をもうひとつ挙げておくと、キヨミさんが世界の歴史や軍事機密にやたらと明るいということもあります。

例えば、

・タイバー家が祭事で語った巨人大戦の真実を知っていた節がある(99話)
・マーレの機密案件である立体起動装置の存在を知っていた(107話)

こんな描写があるんですよ。

普通に考えれば、国際的な立場が弱いヒィズル国が生き馬の目を抜くような厳しい世界のなかで生き抜くために、スパイをはりめぐらせて情報を集めているという可能性が一番高いです。

しかし、

もし道に介入することができて、ユミルの民の記憶にアクセスすることができるなら、他が知る術のないことをなぜか知っていることの説明がつきますよね。

いずれにせよ、

キヨミさんたちアズマビト家は、他の誰も知らないような世界の記憶を知っている可能性が高いですし、ミカサが宿す将軍家の力についても知っているはずです。

ミカサにはヒィズルに将軍家の末裔として帰ってきてほしいという思いがあるので、ギリギリまでこの真実は隠している気がしますけどね。


今後の展開:世界の命運はミカサの両肩に


さて、ミカサの頭痛について長々と考察してきましたが終わりが近づいてきました。

ただ心残りもありまして、

「なんで大切に思っている人のピンチに遭遇すると頭痛が起こるのか?」

この理由については納得できるような話を用意できませんでした。

なぜ大切な人の危機的状況あるいはそう思い起こさせる場面に遭遇すると、頭痛が起こるのかは「将軍家とアッカーマンの血の衝突説」だと、ちょっと説明つかないんですよね。

地ならしを止めるためエレンを討ち取る未来の予兆が、エレンがピンチになる場面を目撃するたびどこからともなく伝わってきたから?

うーん 何いってるかわかんないですね。

いずれにせよ、127話以降はミカサが主役です。

ジークを引き剥がせば地ならしは止まると考えて、リヴァイが満身創痍の一撃でジークを引きはがしますが、地ならしはとまりません。

エレン本体を討ち取る必要があり、それができるのはミカサしかいないという状況がきっと来るんだと思います。

エレンへの隷属(=アッカーマンの血)を乗り越えて、ミカサ自身の意志で未来を決断し、エレンを討つことができるのか!!そんな展開になるだろうと予想していますが、はたして。。。


まとめ


キリよくコミックの収録話数の分で終わるせることを考えているのだとしたら、進撃の巨人って、最短であと4話、長くても8話で終わっちゃうんですよね。

ここまで読んでくれたあなたなら、ご存じかと思いますが、進撃の巨人の最後はどうなるのか?というのは、進撃の巨人展でも最終話の音の展示がありましたし、情熱大陸では最終話の最終コマが公開されているので、なんとなくこっちの方向かな?みたいなのはあるんですよ。

つまり、読者はこの物語の終わり方をなんとなーく知っている。

それに至るまでの道筋はわからないけれど、未来はこっちの方角だと視えている、聞こえる音も知っているわけです。

これって作中のエレンと同じで、エレンも未来の記憶から方向性は視えている状態で進撃していると思うんです。

※ その地獄の先に何があるかは進み続けた者にしかわからないとは言っているので、最後まではわからない感じがしますけどね。

エレンの追体験を読者である私たちもしているんですよ。

そこまで狙って、最終コマを公開したり最終話の音の展示をしたのだとしたら・・・

やっぱり諌山先生は天才ですわ。

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