親顔メンツと箱の話
TRPGのGMと箱の話(親顔メンツ)
親の顔より見た、というお決まりのフレーズ。それぐらいにはいつも一緒に活動することが多い6人のTRPG配信者。
むつー。夢咲刻夜。まだら牛。ディズム。ぱぱびっぷ。高生紳士。
もとよりこのメンツでひとくくり、という扱いを好む人達ではないので、最近は全員が集まることはご無沙汰である。
それとは別に「〇〇さんって、こんなGMだよね」みたいなのは常々考えていて。
せっかくなので文章にしてみた。
シナリオ共通部分
「あなた達PCは、箱を開ける」
むつー。
これつけて。赤外線カメラ。真ん中の台座に箱がある。センサーに触れると天井にある自動機銃が作動するから気をつけて。あと、床も加圧式で、3秒同じ場所にいてもだめ。
それではシーンを始めます。
夢咲刻夜。
ぶーん。ドドドド。バーンバーン(それはそれはすごい演技力)。
「聞こえるか、PC! 今、俺の飛行機はケツにつかれてる!
箱を渡すチャンスは一瞬だ! 逃すなよ」
って言って、飛行機が曲芸飛行しながら逆さまに突入してくる。
まだら牛。
標高10,000m級の登山、お疲れ様でした。
この箱には皆さんの名前が書いてあります。向こうにはカメラが。
さぁ、開けてみましょうか。
ディズム。
ああ、この箱だ。そう、英語でぼぉっくす。
開けるのは構わないが、聞いてほしい。この箱の中には、この世の災いが詰まっている。しかし、私はこの中には、希望も入っていると思う。
聞かせてくれ。君は箱を開けるかね。
ぱぱびっぷ。
その箱は幾重にも鎖が絡まり、固く閉ざされていた。あなた達は、苦難を乗り越え、いくつもの鍵を手に入れ箱を開ける。
その中にはあなたの心臓が入っている。
高生紳士。
(幼女)「この、箱はダメ。絶対に開けちゃ、ダメ。お父さんもお母さんも、ダメだって。どんなに酷いことをされても、ダメだって。あんな目にあっても私と箱を守るために……。だから、……絶対ダメ!」
がたり、と音がする。部屋の奥から今にも息絶えそうな老人が杖をついて現れる。
怒声。
(老人)「離れんか!」
杖だと思っていたソレは、大型の猟銃だ。向けられた銃口は震え、返り血が錆びついているのか、鉄の嫌な匂いがする。
(幼女)「おじいちゃん」
崩れ落ちる老人。技能を振るまでもなく、もう助からないだろうと分かる。
幼女は箱を抱えたまま、その骸に駆け寄る。声にもならない嗚咽が、当たりに響く。
この幼女から箱を取り上げ、開けてしまうのは簡単だろう。
柱時計が目に入る。約束の時間まで、5分を切っている。1秒でも過ぎれば、PCの人質になっている親友は慈悲もなく物言わぬ怪物に変えられてしまうだろう。
箱を開けますか?
こんな感じ。
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