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ハワイの不動産エージェントができることとできないこと

日本の不動産業者の方々、宅建免許を所有しているプロの方々は、不動産にまつわる民法、不動産登記法、国土利用計画法や建築基準法などの法律や、相続や減価償却など税金の知識も必要で、そういった豊富な知識をもとに、お客様へのアドバイスを行なっていらっしゃると思います。

重要事項説明書の説明内容を見ても、宅地建物取引士の資格を持つ方には、かなりの知識が求められていることがわかります。

ハワイでは、基本的に専門分野以外については立ち入れないようになっています。

ハワイの不動産エージェントは、不動産取引以外で、その専門の資格を持っている場合は別ですが、自分の専門以外の分野にはいっさい踏み込むことはできず、税務関連なら税理士、法律関連なら弁護士、建築に関してなら建築士や設計士、など専門家にアドバイスをもらうよう、お客様にご案内しなければなりません。

例えば、日本では相続税、譲与税や減価償却のアドバイスができるとしても、ハワイで不動産のエージェントにそこまでのアドバイスを求めることはできません。

専門外だからです。

もちろん、その不動産エージェントが税理士の資格を持っていれば別です。
ハワイの不動産エージェントとしてできることは、不動産取引業務に直接関連するものに限られます。

譲渡税、固定資産税、非居住者にかかる源泉徴収税などは、同じ税金でも不動産取引に直接関連しますので、説明やアドバイスを行うことができます。

また、名義の取り方について、それぞれの形態の概要説明まではできますが、それぞれのお客様に適切な名義の取り方についてのアドバイスは、そのお客様の状況によってかわってきますので、弁護士に相談していただき、アドバイスをもらっていただかなければなりません。

同じように、例えば法人で所有する方が税金面で有利なのかどうか、というような相談も、エージェントではなく必ず税理士にアドバイスをもらっていただかなければなりません。

こういった法的または税務関連の相談に加え、関連する書類の内容チェックも、弁護士やコンサルタントなどの専門家に依頼するものであり、厳密に言うと、不動産の売買契約書自体も、顧問弁護士にチェックしていただくのが正式なやり方です。

実際に、契約書の一部には、買主自身が買主の弁護士に内容をチェックしてもらうことをお勧めする、と言う「おことわり」が明記してあります。

その他の書類として、例えばコンドミニアムを購入するときに、買主はデューデリジェンスの一環として、コンドミニアム関連書類(管理組合規約、修繕積立金の額などを記した収支情報、ビル全体の火災保険および傷害保険の概要、組合総会や理事会の議事録など)を調査できるように売主に書類全部の提出を依頼するのが一般的です。

この書類は膨大な量になりますので、買主がご自分で内容のチェックができないようであれば、弁護士やコンサルタントなどの専門家にレビューをしてもらうのがベストです。

アメリカ全体で言えることですが、ハワイでも専門分野の範囲がきっちり決まっており、専門外のことに関するアドバイスを行うことは厳しく禁止されています。

不動産エージェントがお客様にアドバイスできる範囲が決まっている、ということをお伝えしましたが、それ以前にお客様とエージェントの関係、そしてエージェントがお客様に対して追っている義務をご理解いただくことが非常に大切です。

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