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実話編:この世で一番恐ろしいもの、それは。。。

アメリカ国税庁(IRS - Internal Revenue Service)です。

これほど恐ろしいものはこの世の中にはないと言ってもいいのではないかと思います。

IRSから何らかの郵送物がとどくと、数秒間、確実に、心臓がとまります。

なぜそんなに怖いのでしょう。

本当にあった話をすごく簡単にしてご紹介したいと思います。

アメリカに居住していない人が、アメリカに所有している不動産を売却する際、アメリカ連邦政府は「税金逃れ」を阻止すべく、売却価格の15%を源泉徴収します。

売却益の15%ではありません。売却価格の15%です。

ちなみにハワイ州政府は売却価格の7.25%を源泉徴収します。

いわゆる「人質」ですね。

人質にしては額が大きいですよね。

翌年の税金申告の際に、還付金申請手続きをおこなえば、必要な税金(売却益がある場合のキャピタルゲインなど)を納税すれば、残りの額は返金してくれるというシステムになっています。

ある時、日本人のオーナーがハワイの不動産を売却しました。

売却完了にあたり、アメリカ連邦政府に収める源泉徴収税が売却額からひかれ、エスクロー会社という、買主と売主の間に入って中立的な立場でお金を管理する会社が、売主のかわりにアメリカ連邦政府に納税しました。

その時に、納税に必要な書類にとっても小さなタイプミスがありました。

送った小切手はすぐにIRSで換金されました。

その後、IRSから手紙が送られてきて、「売却の際の源泉徴収税を払っていないのですぐ払うように」という通知でした。

エスクロー会社は、換金された小切手のコピーをIRSに送り、「ちゃんと支払っていますよ。こちらが換金されて現金化された小切手のコピーです」と説明しました。

面倒なことに、IRSは本人もしくは代理で税金を払ったもの(つまりエスクロー会社)としか話をしてくれません。売主本人は日本にいらっしゃるし、英語もそこまで達者ではありません。なので実際のところ、エスクロー会社が対応するしかなかったのです。

1ヶ月後。またIRSから通知があり、「早く払いなさい」。

「だから。小切手が換金されてますよね。ちゃんと支払ってます!」

押し問答の6ヶ月間。

結局3回IRSから督促状が来て、どうしたらいいんだ、と頭を抱えていたら、売主から電話が。

「ボクのハワイにある銀行口座からお金がなくなっているんです!」

IRSは、何の前触れもなく、売主の銀行口座から、売却金額の15%をごっそり引き落としていました。

金額にすると日本円で300万円ほどです。

この売主は合計約600万円、つまり300万円をIRSに支払ったことになります。

それから約2年かかって、やっと全額が戻ってきました。戻ってきたのでよかったのですが、戻ってくるまでが地獄でした。

原因は何だったのでしょう?

非常に込み入ったケースだったので、きちんと説明すると長くなるのですが、とても簡単に説明しますと、エスクロー会社が、納税の際に提出した書類にとても小さなタイプミスをしてしまい、そのタイプミスが「情報が一致しない」ということで、IRS側で、支払済の金額にひもづけてもらえなかったのです。

エスクロー会社ですが、通常何も問題がないときは、どこの会社を使ってもサービスは似たようなもので、さして違いはありません。

ですが、何か問題が起こった時の対応で、そのエスクロー会社の質がわかります。

この事件のあと、この関係したエスクロー会社は使っていません。



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