Zillowのハワイ不動産価格情報は正確なのか?
アメリカで不動産の価値を知るためによく利用されているのが、ZillowやTruliaなどのウェブサイトです。
とても便利で使いやすく、手っ取り早く不動産の価値が調べることができるので、アメリカの投資家などが多く利用しています。
でも、ハワイの不動産の価値を調べるのに、果たしてこのサイトがどのぐらい効果的で正確なのでしょうか?
結論から言うと、正確ではありません。
正確ではないので、効果的ではありません。
こういったZillowやTruliaなどのサイトは、Automated Valuation Model (AVM) という、日本語にすると「自動不動産査定モデル」を使っています。
これは何かというと、色々なデータベース(MLSや固定資産税の政府のデータベースなど)から類似不動産や近隣の不動産のデータを取り込んで、数式モデルや統計モデルなどの計算システムを使って、自動的に価値を叩き出すものです。
地理的にも物件案件数的にも範囲が広いアメリカ本土の市場であれば活用価値はあるのですが、ハワイの不動産は市場が狭い上に、価格に影響のあるvariable(日本語にすると「変数」「不確定要素」)が多く、そのvariableをデータに正しく反映することが難しいため、正確さに欠けてしまうのです。
例を挙げてみましょう。
ワイキキには、バケーションレンタルとして人気のあるコンドミニアムが多いのですが、同じコンドミニアム内にある部屋でも、短期賃貸許可証(NUC - Non-conforming Use Certificate)がある部屋と、この短期賃貸許可証がない部屋だと、値段が大きく変わってきます。短期賃貸許可証があると1泊からバケーションレンタルができ、高い賃貸収入が見込めるからです。
この短期賃貸許可証がある、ない、の確認はマニュアルで調べない限りわからないのです。なのでデータに自動的に反映することは不可能です。
また、例えばカハラ地区の山側に、ワイアラエ・イキ、ワイアラエ・ヌイと呼ばれる山稜、尾根がありますが、風がかなり強い場所、程よく風が入る場所、風がほとんど入らない場所などがあり、これも実際そこに行かないとわからないので、データに反映できません。
そういったたくさんの「不確定要素」があるため、ハワイの不動産の実際の市場価格と、AVMが算出する査定価格にはかなり差があります。
とりあえず、ハワイの不動産市場は「不確定要素」がたくさんあり、正確な「査定価格」をAVMを使ったサイトで調べることは難しいと言うことを頭において、AVMを使ったサイトの情報は「参考」程度にされるのがいいでしょう。
アメリカ本土からのお客様は、Zillowに頼る人が多くて困ります。。。
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