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ハワイ出身の映画監督が危機を救う!?

著:御手洗ケール

9月6日のレイバーデー前の週末に公開され、同時期公開の映画としては北米歴代最高のオープニング興行収入を記録した「シャン・チー/テン・リングスの伝説」。マーベル初のアジア人ヒーロー、カンフーアクション満載、ドラゴン登場、そしてトニー・レオン、ミシェル・ヨー、オークワフィナの揃い踏みとあっては、見逃す手はありません。

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あ、もう一つありました。監督を務めたデスティン・ダニエル・クレットンはマウイ島出身のロコボーイ。地元紙にもインタビューが掲載され、ハワイでの注目度も高い彼。ダメ押しです。

9月13日より、ハワイではさまざまな施設を利用する際に、ワクチンカードまたは48時間以内の陰性証明の提示が必要となりましたが、映画館もその一つ。初めてのワクチンカード提示にドキドキしながら、映画館へ足を運んでみました。

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チケット売り場で、持参しましたか?と念を押され、チケット購入後、入り口近くに設置された受付で、免許証などのIDとともにワクチンカードを提示します。映画館にはスキャナーが用意されていたので、事前登録済のQRコードでも対応可能。平日の夕方だったためかなり空いていて、特に混雑はなかったのですが、これが週末の夜ともなると、映画館スタッフと観客のお互いの手際の良さが求められそうです。

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上映回数が多いこともあり、観客は10組程度でしたが、肝心の映画は、監督が言うように、アクションながらストーリーの核は父と息子の確執を中心としたファミリードラマで、本格的なマーシャル・アーツも楽しめ、マーベルコミックのことは何も知らない素人でも十分堪能できました。ハワイ出身の監督の活躍は、本当に嬉しい限り。もともとドキュメンタリーに近いヒューマンドラマ作品に定評がある彼だけに、キャラクターにも感情移入しやすかったのかも、と勝手に想像(妄想?)。

主演のシム・リウは、ヒーローにしては見た目がふつう過ぎると言う人も多いようですが、かっこよすぎないところがかえって良かったような。オークワフィナのナチュラルな演技も冴えまくりでしたが、残念ながら、彼女のアドリブの90%はカットされたそう。でも実はそれが1番見たかったかも…。


映画館に人が戻りつつあるのを、シャンチーで実感したという映画館。だとしたら、ハイブリッド上映ではなかったことを差し引いても、クレットン監督の功績が少なからずあったということではないでしょうか。自宅待機中に家で映画を見る習慣がついた人も多いと思いますが、やはり大きなスクリーンで見ると迫力が違うことを実感。配信には配信の良さもありますが、本来大画面で見るために作られたはずの作品は、なるべく大きなスクリーンで見てあげたいものです。

ハワイの映画館は、いまだ50%キャパシティを保つため、隣とは2席分間を取ることになっています。最近のシート(特にリクライニングシート)は幅が広いので、2席でもソーシャル・ディスタンスは十分。ですが、両隣に2席空けると、1人で見ても5席分ブロックされることになり、映画館としてはかなり痛いはず。しかし人気作品は、当面上映回数を増やすしか対策はないようです。

ニューヨークからブロードウェイ再開のニュースが届いた今、今後もコロナとの共存という認識を持ちながらも、以前のように誰もが安心してエンターテインメントを楽しめる日が来ることを祈らずにいられません。


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