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LOVE'Sの閉店で、パッケージと中身についてちょっとだけ考えてみた

著:御手洗ケール

ハワイの大手老舗ベーカリーLove’sの営業終了が明日に迫りました。である調で書きなぐった前回の投稿から数週間後の昨日、こんなニュースが飛び込んできました。

オレゴン州ポートランドを拠点とするベーカリー、Franz Family Bakery がライセンス契約を結び、ラブズのおなじみのパッケージはそのままに、メインランドで作ったパンをハワイに届けるというのです。スーパーなどの店頭からLove’sの名前が消えることはなくなったわけですが、これには賛否両論あるようです。

フェイスブックのニュース記事のコメントを見る限り、歓迎の肯定的なコメントは皆無。まぁネガティブな意見のほうが書きやすいというのもあるかもしれないので、一方の意見だけを見て総意とは思いませんが、やはりハワイで作っていないパンを、Love'sのパンと考えるには無理があるというのがほとんど。メインランドで作り、冷凍保存されてやって来るパンより、地元のベーカリーから買うという発想は、しごくまっとうな意見かと思います。

このFranz Family Bakeryは、4代続いた家族経営のベーカリーだそうで、100年以上続く老舗の営業終了のニュースに心を痛めたといいます。しかし、Love'sが得たライセンス料は今までの負債の一部に消えるだけで、従業員たちが失業を免れるわけではありません。そんな現実の前で、ハワイの人がパッケージが同じでも、中身の違うパンを手に取るかどうか…。

もともとハワイらしさがどんどん失われているところに、パンデミックが追い討ちをかけ、ローカルビジネスの危機は今でも半端ではありません。善意には善意でお返ししたいけれど、ハワイというパッケージも、もっと中身を大事にしなくちゃいけない時期に来ているのではないか、とも思う今日この頃です。

このところ、外見(肌の色)というパッケージが違うだけで、中身はみな同じ「人間」なのに、黒人差別はもとより、アジア人差別によるヘイト・クライムは歯止めがきかないレベルに達しつつあります。

私はといえば、思うところがあって突然髪を明るく染めました。外見が変わっても、すっとこどっこいな中身は同じです。でも、自分の中の何かがちょっと違う…。

パッケージと中身。考えれば考えるほど、深みにはまるテーマでした。


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