ハワイのチャイナタウンでメキシコの家庭料理
著:かまる
昔からハワイにはアジアから多くの移民がやってきていたので、街のあちこちにアジア料理の店があるのです。和食はもちろん中華料理店や韓国料理店、最近ではベトナム料理店やラオス料理店なども増えてきました。
が、カリフォルニア州やアリゾナ州にあるような美味しいメキシコ料理店が今までハワイにはありませんでした。口の悪い友人は「大体、貧しい国であるメキシコの料理が美味しいわけがない!」などと言い放つほどでした。
私はメキシコには行ったことはないのですが、カリフォルニア州やアリゾナ州そしてテキサス州で食べたメキシコ料理は本当に美味しかったのです。
ところが、コロナ禍真っ只中の2020年10月にホノルルのチャイナタウンにオープンしたTlaxcalliは今まで食べたことがなかったメキシコ料理。ハワイでこんなに美味しいメキシコ料理が食べれるとは!
実は、私がカリフォルニア州などで食べていたのは、テクスメクスと呼ばれるアメリカ風メキシコ料理だったのです。
メキシコ出身のオーナーシェフ、フリオ・ギタレスさんは、メキシコの家庭料理をハワイの人に味わって欲しいとTlaxcalliをオープン。フリオさんのお母さんはフードスタンドを経営していたので、お母さんから手ほどきを受けたフリオさんはなんと7歳の頃から料理をしていたそうです。
ハワイでも何軒かのメキシコ料理店で働き、昨年念願の自分のレストランをオープン。料理はすべてフリオさんがキッチンで作っています。もちろんトルティーヤも自家製です。トルティーヤって、どれでも同じかと思っていたら、フリオさんのトルティーヤは少しモチっとした歯応えながらも軽い食感。日本人が米にうるさいように、メキシコ人はトルティーヤには一言あるようです。
友人と2人で「残ったらお持ち帰りにしよう」と言いながら、ちょっと多めに注文したつもりが完食したお料理は以下です。
近海産マグロのセビチェ。レモンやライムなどを加えたマグロのマリネです。コショウが効いていて、サルサと一緒に食べるのがTlaxcalli流。トルティーヤをトーストしたトスターダがついてきます。辛口の白ワインかビールと一緒に食べたかったのですが、ランチなので我慢。
メキシコ料理なのでタコスは外せないかと思って、注文したエビのタコス。エビがたっぷり入っているのにも驚きましたが、それよりソースがクリーミーでまるでグラタンソースみたい。美味しかったです。これはロゼワインかビールと一緒に食べたい一品でした。
そして、メインは豚の肩肉。メキシコ料理って、結構豚肉を使ったお料理が多いんですよね。アチョーテやスパイスそしてシトラスにマリネした豚肉をバナナの葉に包んで調理しているせいか、お肉はホロホロと柔らかくてフォークだけで食べることができます。辛いソースと辛くないソースもあるのですが、ソースなしでも美味しいです。豆とトルティーヤがついてきます。これはちょっと軽めの赤ワインといただきたいですね。
「あ〜、お腹いっぱい。もう入らない」と言いながらも、デザートもしっかりといただいた私たち。メキシコでも人気のチュロスを使いキャラメルソースのかかったブレッドプディングです。大きいのですが、中はふわふわで見た目よりはライトなデザートです。
「デザートはブレッドプディングですか?」と聞くと、「これが一番人気だからこれしか作らない」とちょっと頑固で気難し屋のフリオさんですが、料理の腕は確か。次回は、ハワイではほとんど口にすることができないモーレを使ったお料理に挑戦したいと思います。
店内にも席はありますが、屋外のテラス席がおすすめです。
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