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イメージに騙されるな。アライグマは最強のワルである

昨年3月末、高千穂町で、シカやイノシシなどを捕獲するために設置していたわなに、アライグマがかかったというニュースを目にしました。
特定外来種に指定されているアライグマが、まさか宮崎県にも生息しているとは思いませんでした。

昔、「あらいぐまラスカル」というアニメカルピス劇場が、テレビで放映されていました。
このため日本人は、アライグマはかわいい動物で人に馴れるというイメージを持っています。
ところがどっこい、アライグマは決して人には馴れません。

馴れるどころか獰猛で、日本のタヌキなどひとたまりもありません。
木に登って鳥の巣を襲い、泳いで魚を捕るなど、とんでもないワルです。
泳ぐ宝石の錦鯉も、容赦なく食べてしまいます。
我が国には、天敵がいないので、駆除しないと増える一方です。

一番恐ろしいことは、アライグマ回虫を保有していることです。
アライグマ回虫は、雄が十センチ、雌が二十センチほどの大きさがあります。
アライグマ回虫の産む卵の量は、一日当たり11万個~18万個。
2週間ほどで、卵の中で幼虫となります。
これが誤って人に入ると、幼虫が成体となることができず、大人になれない幼虫は人間の体内をさまよいます。

アライグマ回虫の幼虫は巨大で、2ミリほどの大きさ。
幼虫が眼に入ると片目が失明し、脳に入った場合は重篤な神経症状が起き、死亡することもあります。
このため米国では、子どもはアライグマには決して触れないように警告されています。
アメリカ人が、「あらいぐまラスカル」のアニメを見たら、あまりに実態と違うので、腰を抜かして驚くでしょう。

幸いなことに、我が国では、アライグマ回虫の発症事例は報告されておりません。
アライグマは、食中毒予防のために使われていますが、くれぐれも、名前のとおり手洗いをする衛生的な動物と勘違いしてはなりません
かわいらしい外見とはうらはらに、我が国における公衆衛生の最大の脅威のひとつになっています。
アライグマには近づかないようにしましょう。



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