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生きづらい

 我が家の子供達は非常に敏感である。
 それは、生まれつきの障害ゆえでもあり、家庭環境ゆえでもある。

 例えば、上の子供は小さい頃からいわゆる空気を読めない、周りの環境に馴染めないことが多々あった。
 保育園に通い出した頃や、発達検査、妹が生まれた時や引っ越し……何かしらのイベントや、出来事のたびに不登校になったり、情緒不安定になったり、引きこもりになったり、家庭内外問わず暴れたりと大変手のかかる、心配ばかりの子供だ。

 下の子は姉に注意が行き過ぎてしまい、たびたび寂しい思いをしていたのだろうと思う。
 よくお手伝いをしてくれることも、勉強を頑張っていい成績を取ることも、今となってはもっと構ってほしいという気持ちの表れだったのかもしれない。

 手のかかる姉と良い子すぎた妹。
 事あるごとに周囲の人は、この子達を比べてしまう。
 僕たちの親も、兄弟も親戚も、学校の先生達も、そして、僕たち夫婦でさえも無意識のうちにそうだった。
 それらが彼女達の気持ちを、少しずつ、だけど確実にすり減らし、傷つけていったのだろう。

 姉の方は中学に上がると同時にグレ始め、妹は先月から不登校となった。
 悲しい、苦しい、つらい、憎い……マイナスな感情がどれほど彼女達の気持ちを圧迫しているのか、そうなるまで、自分達大人が精一杯やっていた子育てが彼女達にとっては価値観の押し付けになっていたのかと、ふと考える時がある。

 子供たちもそうだが、それをサポートする親も大変だ。

 我が家は、学校の成績などは気にしない……もとい、気にしたところで仕方ないと思ってはいるのだが、せめてもの躾、子供達が社会に出たときに最低限苦労しない様にと生活習慣などには極力気をつけて指導している、つもりである。

 それでも、障害の特性か、本人たちの気質からか上手く行かないことばかり。
 健康状態もよろしくない。

 結果として、どれだけ頑張っても学校から呼び出されたとき、子供家庭相談所からの呼び出し、病院に連れて行く日、そして突然の体調不良……ここに自分達の用事や実家の両親の介護、病院、手術など……
 仕事中に早退する事も、休みも増えれば当然社内での評価も下がるし、個人的にも気に入らないと言われる事も増えてくる。

 生きづらい。

 ただ一言だけ、頭に浮かんで消えてくれない。
 家族を大事にしていればいるほど、生活する事に疲れるのは、自分が弱いからなのだろうか……

最近、鼻毛を抜くのが趣味なんです