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ACLプレーオフ プレビュー 鹿島×ニューカッスル・ジェッツ

⚽️鹿島アントラーズ×ニューカッスル・ジェッツ(カシマ・19時キックオフ)

ベテランと若手が融合したジェッツ

鹿島アントラーズが、オーストラリアのニューカッスル・ジェッツをホームのカシマスタジアムに迎えて行うACLプレーオフ。アウェーのニューカッスル・ジェッツから紹介する。
ニューカッスルは、オーストラリア大陸南東部沿岸、ハンター川河口のタスマン海に面する港湾都市。ニューサウスウェールズ州に属し、シドニーの北方160kmに位置する。同名の地名はイギリスや南アフリカ共和国にあり、またニューキャッスル(米語圏発音)としてアメリカ合衆国にも同じ地名がある。ニューサウスウェールズ州第二の都市のわりにはあまり知られておらず、観光地化はさほどされていない。
ニューカッスル・ユナイテッド・ジェッツFCが正式名称で、2000年に創設。現在はオーストラリアのトップリーグであるAリーグに所属している。ホームスタジアムはエナジー・オーストラリアスタジアムで、3万3千人収容。監督はスコットランド出身のアーニー・メリック氏(66歳)。アシスタントコーチ時代を含めると40年もの指導歴を誇るベテラン指揮官だ。昨シーズン2位だったニューカッスル・ジェッツの今季の成績は19試合で6勝4分9敗、勝ち点22で10クラブ中7位と今ひとつ精彩がない。首位のパース・グローリーFCが勝ち点46で快走しており、優勝争いからやや遠い状態だ。得点24に対し失点25で、失点はそこそこだが得点力がイマイチというところ。過去には、2007-08シーズンのAリーグを制し、2009年のアジアチャンピオンズリーグに出場した経験がある。ちなみに、愛称のジェッツはニューカッスルの北20kmに位置するオーストラリア空軍ウィリアムタウン基地に由来する。クラブのロゴは3機のF/A-18ホーネット戦闘攻撃機を表す。
守備の要は主将でもあるナイジェル・ブーガード(32歳)。4バックの右CBで、予選2次ラウンドのペルシジャ・ジャカルタ戦では延長前半に決勝点となるゴールも決めている。この試合で先制ゴールを決めたのは、トップ下に位置する背番号10をつけた攻撃のキーマンであるベネズエラ代表のMFロナウド・バルガス(32歳)で、3点目はニュージーランド代表メンバーでもある途中出場のMFマリュー・リデントン(22歳)。
前日会見にはメリック監督とブーガード主将が出席した。メリック監督は来日が4度目とのことで、鹿島戦について「日本で最も成功を収めたチーム。明日は厳しい試合になる」と予想。日本で指導経験があるブラジル人コーチなどから情報を仕入れてきたそうだ。オーストラリアのAリーグはシーズンの真っ最中で、今年に入ってすでにACL2次ラウンドも含めれば10試合も消化。先週は火曜日にACL、金曜日にAリーグとかなりの過密日程。「鹿島は組織的で守備が堅く、素早くて技術も優れている」と相手を持ち上げ、「明日が私にとって悪い日にならないことを祈る」と話したそうだ。一見弱気だが、老獪な指揮官の言葉を真に受けては良くないだろう。ブーガード主将は「アジアの中で最もうまいチームの一つであるアントラーズと戦えることは光栄。いい試合にしたい。勝利してグループリーグに進出したい」と力強く語ったという。
ペルシジャ・ジャカルタ戦では4-2-3-1の布陣で戦った。昨シーズンAリーグで9ゴール、今季もすでに6ゴールを挙げているアイルランド出身のFWロイ・オドノヴァン(33歳)が1トップで、その下にバルガス、左にイングランド出身のケイン・シェパード(25歳)、右にオーストラリア代表のディミトリ・ペトラトス(26歳)が並ぶ。GKのグレン・モスは36歳のベテランで、元ニュージーランド代表だ。2014年のキリンチャレンジカップで来日経験がある(試合は岡崎2ゴール、香川と森重が1ゴールずつを挙げ、4-2で日本代表が勝利)。

初先発が予想される伊藤翔に期待

迎え撃つ鹿島アントラーズは4-4-2の布陣が予想される。横浜F・マリノスから新加入の伊藤翔が初先発を果たし、セルジーニョとの2トップが見込まれる。左に安部裕葵、右に土居聖真。ボランチは永木亮太とレオ・シルバ。4バックは左から山本脩斗、町田浩樹、チョン・スンヒョン、安西幸輝。そして、GKにけがから復活のクォン・スンテとなりそうだ。大岩剛監督は「最善のメンバーを起用する」と明言し、白崎などのけが人を除けばかなり主力を起用しそうだ。
ディフェンディングチャンピオンながらプレーオフからのスタートで、負ければ即敗退。「昨年のチャンピオンということは抜きにして集中したい」と大岩監督は力を込めて語ったそうだが、鈴木や三竿ら離脱から復帰したばかりのメンバーも、場合によってはつぎ込むこともあり得そうだ。伊藤はセルジーニョとの連係から持ち味の裏へ抜け出す動きでゴールを奪いたい。相手は身長が高い選手が多く、セットプレーには気をつけたいところ。
カシマスタジアムは雨模様で鹿嶋市には雷注意報まで出ているが、ウェザーニュースの予想ではキックオフの19時の予想気温は9℃。寒くなれば真夏の国から来た選手たちには厳しい環境となるわけで、地の利を生かしたい。前述の通り、相手はリーグの真っ最中だが日程がハード。後半足が止まることも考えられ、粘り強く終盤まで戦い抜きたい。連覇へ向けての第一歩となる試合は、カシマスタジアムで19時キックオフ。



地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。