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ACLプレーオフ プレビュー 広島×チェンライ

⚽️サンフレッチェ広島×チェンライ・ユナイテッドFC (Eスタ・19時キックオフ)

堅守を誇るチェンライ

サンフレッチェ広島が、タイのチェンライ・ユナイテッドFCをホームのEスタに迎えて行うACLプレーオフ。まずは、アウェーのチェンライから紹介してみよう。
チェンライはタイ最北の街で、首都バンコクよりも、ラオスやミャンマーが近い。かつてタイ北部を統治したランナー王朝最初の都があった場所で、隣接するチェンマイなどとともに、現在も「ランナー文化」と称されるタイ北部独自の文化・伝統が色濃く残り、メコン川のほとりにあるチェンセーンには、ランナー王朝時代の遺跡群が、チェンライ市内には美しい寺院や文化施設が数多くあるそうだ。
チェンライ・ユナイテッドFCは、2009年創設と新興のタイリーグ1部のクラブで、チエンラーイ県がホームタウン。ファイティング・ビートルズという愛称を持つ。ホームスタジアムは1万5千人収容のシンハー・スタジアム。現在の監督は、ブラジル人のアイルトン・ドス・サントス・シルバ氏(52歳)。ブラジルのイタバイアーナやSDジュアゼイレンセなどでの指導歴がある。チェンライは2011年にタイリーグ1部へ昇格し、昨シーズンは同1部で5位。成績は34試合で15勝10分9敗、勝ち点55だった。しかし、2018年はFAカップ、リーグカップ、タイチャンピオンズカップでそれぞれ優勝している(2019年タイチャンピオンズカップは準優勝)。ACLプレーオフには昨年に続き2度目の出場となる(昨年はプレーオフで上海上港に0-1で敗退)。
チェンライの攻撃のキーマンは、MFのシワコーン・ティアトラクン(24歳)。次世代の代表選手との呼び声が高く、予選2次ラウンドのヤンゴン・ユナイテッド戦では34歳のブラジル人のFWビルと2トップを組んでいたようだ。前日会見でシワコーンは「我々はタイを代表するチーム。あすのステージは我々にとっては(昨年に続く)2回目なので、いい歴史を作ることを願っています。90パーセントは去年から一緒にやってきた仲間たちでお互いのことがよく分かっている。明日の試合、うまくいくことを信じている」と語っている。
ヤンゴン戦では、ビルのほか、MFの李容來、DFのスリヤー・シンムイがゴールを挙げている。シンムイは176cmとDFとしては小柄だが、軽視は禁物だ。この試合では5-3-2というフォーメーションだったと伝わっている。引いて5バックで守り、攻撃時には両サイドが攻撃に参加する形だろうか。昨シーズンのタイリーグでは36失点と、1部昇格後最少失点で、堅守が光る。サンフレッチェ攻撃陣がどうこじ開けるかが注目だ。

若手主体となりそうなサンフレッチェ

そのサンフレッチェ広島は、前日会見で城福浩監督が「簡単な試合ではないと意識している。特にセットプレーの精度の高さ。前線の選手のクオリティ。それを考えたらセットプレーの数を与えれば与えるほど、失点の可能性も広がっていくと思う」と語ったように、自陣で不要なファウルをしないことが重要だ。けが人は出ているが、それ以外の選手のコンディションはいいと言う。若手主体の編成となりそうだが、昨秋、札幌から持ち帰ったプレーオフ出場権は大事にしてほしいもの。カギを握るのは、ルーキー荒木隼人(22歳)、24歳の吉野恭平、そして29歳の佐々木翔の3バック。佐々木が若い2人とうまく連係してほしいところだ。
GKは林卓人が故障したということで、大迫敬介(19歳)がポジションに着きそうだ。サンフレッチェ版大迫半端ないとなってほしいところ。そのほか、右サイドに入りそうな新外国人選手のエミル・サロモンソンにも注目。スウェーデン出身の選手で本職はDFだが、MFとして起用されそう。前所属のヨーテボリでは人気があった選手で、スウェーデン代表として8試合出場し、1ゴールをマークしている。1トップで皆川佑介が予想されるが、昨シーズンは期限付き移籍先のロアッソ熊本で41試合に出場して11ゴール6アシスト。攻撃力の弱さを露呈した熊本で二桁ゴールを挙げた実力を、サンフレッチェでさらに開花させてほしいものだ。
試合は、チェンライががっちりと守備を固めつつ、カウンターからセットプレー狙いか。サンフレッチェは、少ないスペースをどう切り崩してゴールに結びつけられるかが焦点だ。そのためには、皆川をサポートする渡大生、野津田岳人らの活躍が必要だろう(渡を1トップに据えて、ドウグラス・ヴィエイラと野津田をシャドーに置く予想もある)。今年こそ本戦出場をと腕を撫すタイの刺客を若きサンフレッチェの選手たちが迎え撃つACLプレーオフは、エディオンスタジアム広島にて19時キックオフだ。

地元網走に帰ってきて5年半経ちました。元競馬専門紙編集部員。サッカーや野球、冬はカーリングなどスポーツ観戦が好き。もちろん、競馬も話題にしています。時事ネタや網走周辺の話題なども取り上げます。よろしければ、サポートもお願いいたします。