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散らかるとキッチリさんはひらめく 〜非整理環境が創造性に及ぼす効果を測るラボ実験(2022)

青山学院大学 経営学部 服部ゼミ: 久住 仁人・土田 龍・中嶋 理子・宮本 雄基

概要

本研究は、大学生の実験参加者 107 名を対象に、オブジェクトが整頓されず散らばっている状況(非整理環境)が、人の創造性に及ぼす影響を検証するためのラボ実験です。参加者をランダムに  (1) オブジェクトが整理された画像を用いた課題(整理環境) (2) オブジェクトが散乱した画像を用いた課題(非整理環境)に割付けし、その後の共通の創造性を測るテストを受けてもらい、その成績を比較しました。そして、①シンプルな2次元の視覚的な散乱環境でも創造性に影響があるのか、②どのような性格的特性を持つ人が影響を受けるのかを明らかにしました。

結果として、散らかり介入(非整理環境)が創造性に及ぼす影響には、男性においては「計画性」、女性においては「自戒性」の性格的特性において有意な交互作用があることがわかりました。計画性の高い(低い)男性は、非整理環境において創造性が高く(低く)なり、自戒性の高い(低い)女性は、非整理環境において創造性が高く(低く)なるという効果を確認しました。つまり、計画性や自戒性の高い「きっちりした人」は、整理環境よりも非整理環境において創造性が高くなると言えます。

これらの結果は、創造性を高めるための職場や室内環境の整理などへの応用が期待されます。


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