本日(2024/5/13)実施された日銀によるオペ減額のメモ

日銀のオペが減額されて本日話題になりました。今回については既にたくさん報道も出ており、既知の内容ばかりだとおもいますが、自分自身への備忘録としてメモを書いておきます(今はどこにでも書いてあるようにおもうのですが、こういうメモは例えば1年後にこのイベントを思い出すのに役に立つのです)。

日銀による国債購入(オペ)については、いわゆる「オペ紙」を通じて、その購入のタイミングやレンジが示されます(オペ紙については「日本国債入門」の9章を参照してください)。日銀のオペの特徴は、その購入額にレンジを設けており、一定程度、日銀の市場局がマーケットをみて変動させることができます。大枠については決定会合で決定する一方、レンジ内では市場情勢を考慮して市場局が判断するという整理です(前回の決定会合の内容は下記の通りです)。
本日(2024/4/26)の決定会合のメモ:公表物のシンプル化(アップデイト)|服部孝洋(東京大学) (note.com)

実際にオペを実施する日にちは公表されているのですが、一定のレンジが設けられており、そこに市場局の裁量があります。オペの金額におけるレンジの中で、実際のどの金額が選択されるかは、当日の朝10時10分に市場参加者に明らかにされます(実際のオペの購入については、コンベンショナル方式と呼ばれる方法を用いた入札を通じて実施されるのですが、これについても「日本国債入門」の9章を参照してください)。

本日のオファーは下記の通りであり、残存期間1~3年、残存期間5~10年、残存期間10~25年が通達されています。このうち、今回、残存期間5~10年が4250億円であり、前回に比べて、500億円だけ減額されました(一方、1年超3年以下は3750億円、10年超25年以下は1500億円であり、これは据え置かれました)。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240513.htm

これはマイナス金利解除後では初めての減額ということで、本日、大変話題になりました。下記のように様々な記事が出ています。
日銀が国債買い入れオペ減額、5年超10年以下-金融正常化 - Bloomberg
日銀が国債買い入れ減額 マイナス金利解除後で初:時事ドットコム (jiji.com)

下記が本日(5月13日)の10年金利の推移ですが、10時10分ごろに0.91%から0.935%くらいまで上昇していることがわかります。

下記が10時10分前後に焦点を当てたドル円と10年金利の動きです。下記をみると10時10分はきれいに逆相関していますが、為替についてはその後円安に推移していることがわかります。

なんでこのタイミングで減額したのかということを考える必要がありますが、今回減額により、今後、為替が円安に動くたびに、マーケットでは減額がなされるのではという期待が生まれる気がします(そして、減額がなされないということ自体もマーケットに影響をあたえるかもしれません)。大枠については次の決定会合まで変化させることができず、次回が6月半ばであることから、1か月近くあります。主な意見でも減額についてふれていたようなので、Bloombergの記事にあるとおり、次回の会合では減額がテーマになるのかもしれません。

今日は非常に簡単ですが、今回も自分自身の備忘録のためです。必要に応じて加筆修正します。

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