日銀によるオペの発表時間とレンジについてのメモ

本日、日銀のオペの発表時間に注目されるという興味深いことがありました。例えば、日経新聞では、

円は10時すぎに151円64銭近辺まで上げ幅を縮めた。日銀は3日に定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)を実施した。市場では買い入れ額を減らす可能性があると警戒されていたが、実際には全ての年限で前回から据え置いた。通知を受けて外為市場では円を売る動きが出た。

外為12時 円相場、上昇 151円台半ば 日銀オペや米金利上昇は重荷 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

としています。日銀のオペの基礎については、日本国債入門の9章に記載しているので、全体像を把握したい方は、是非9章をご覧ください。以下では、これを前提に記載していきます。

日本銀行は定期的にいわゆる「オペ紙」をリリースしており、日銀の購入のスケジュールを公表しています。直近であれば下記のような感じです。
mpr240319b.pdf (boj.or.jp)

上記から明らかのように、日銀のオペについて1回あたりのオファーの金額には、例えば、3500-5000億円というかたちで、レンジを設けています。このレンジは、下記に既に記載しましたが、それまでの買い入れ額が中央値になるように前回の決定会合で、新しく設定されました。詳細は下記をみてください。

本日の日銀の政策決定会合(2024年3月19日)のまとめ:マイナス金利解除とYCC廃止|服部孝洋(東京大学) (note.com)

このようにレンジが設けられているところ、実際の金額が確定されるのが10時10分です。下記が本日の内容ですが、ちょうどレンジの中央値になっており、これまでと変化せず、ということです。先ほど紹介した記事は、無風だったことに伴うマーケットの影響がとりあげられていました。

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240403.htm

このように日銀が一定程度裁量を持っていることから、減額を予測する人や、それに伴う為替や株価の影響があるということで、注目をうけていました。個人的には、今後こういうことが続いていくと感じています。

私の印象だけかもしれませんが、ここ数年間で、10時10分の日銀のオペの動向に注目が集まるということは少なかった気がします。思えば、YCC以降、このように「オペ紙」がリリースされることで、当日にオペがあるかそのものの不確実性が減ったといえますが、かつては、10時10分にオペの有無そのものがアナウンスされていたため、もっと緊張感があったと記憶しています。

今日のような出来事も結局忘れされてしまうので、今後も、オペの細かい動向について、自分自身のメモとして随時記載していこうとおもいます。

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