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ANAの入札制アップグレードサービスのBid My Priceを試した

出張の準備でバタバタしていたところ、ANAから怪しいタイトルのメールが届いた。

【ANAより】プレミアムエコノミー へのアップグレードで快適な空の旅をしませんか?

普段の僕なら「いらねーよ」と小声でつぶやきながらメールをゴミ箱へ捨てていたはず。しかしそのメールはいつもと違った。DMではない雰囲気があった。よくよくみたら、From:がBidMyPriceになっていた。ますます怪しいのだけど、本文はANAのものだ。さらにこうある。

Dear Guests,

ご予約いただいているフライトは、新しい入札型のサービスBid My Priceで、
アップグレードすることが可能です。Premium Economyへのアップグレード
入札をしてみませんか?

ほほう。お金を払うことでプレエコへアップグレードされる。しかしそれは並み居るライバルと戦って勝つ必要がある。入札額と、入札時間でだ。

プレミアムエコノミーで得られる特典

プレエコへアップグレードすることで得られる特典としては、ビジネスクラスの次に前の席になるので、乗り降りが少し早い
荷物がPRIORITYタグ付きになるので、バゲッジクレームで出てくるのが少し早い
機内食はエコノミーと同じだけど、お酒などがちょっと良くなる。
そして最大の特徴として、航空会社ラウンジが使えることである。カードラウンジではない航空会社ラウンジ。今や課金すれば入場はできるものの、上級会員だけに許された至高の空間であり、昨今世間を騒がせている「エアポートおじさん」になるためには必要な場所だ。

忘れてた。席が幅広くなり、シートピッチも長くなる。これ一番重要だった。

気になる入札方法と価格は

Bid My Priceは予約ごとの入札になるので、我々は2席予約していたので入札は2席まとめて行うことになる。行き帰りはどちらか、もしくは両方入札しないということもできる。

入札額は2万円から5万円まで。落札できたらその金額を支払う。落札できなかったら費用はかからない。つまり、

A:良席を確保してるので、運よくアップグレードできればOKって人は2万とか安めに
B:悪夢のような席になってしまったので、何が何でもプレエコへ行きたいって人は4万とか5万とか。

になるのかなと思う。我々は39列目という良席(2列シートの最前列)を行き帰りで確保しており、安めに入札することにした。どちらも3万だ。両方落札すると12万の追加出費となる。

他にも、実際の価格から入札額を割り出す方法がある。プレエコ席料金からエコ席料金を引いた差額と入札額を比べるのだ。これは長距離路線であれば差額は大きくなるので、入札額を最大にしても得られる利益は大きい。逆に短距離だと差額は小さくなるので入札額も合わせて調整することになるだろう。

いよいよ結果発表…!

入札結果は搭乗時刻の96時間前ぐらいに連絡がある。なんと、行きはアップグレードに成功してしまった。

48時間前には席がわかる。24時間前には運が良ければ席指定ができる。が、今回は満席で変更の余地はなく、我々は別の席へ振り分けられてしまった

当日空港で席変更を試みるも満席表示でダメ。まあ仕方ないかと搭乗することにした。
発行されたチケットは券面こそエコノミー(クラスY)だが、座席はプレミアムエコノミー席でアップグレード済みであることを示すのかシールが貼られていた。よく見るとANA LOUNGEの印字もある。

搭乗したところ、僕の横の人がいつまでたっても乗ってこない。どういうことかと思ってる間にドアクローズ。離れていた人を隣に移動してもらい(元いた席の人は2列ゲットになる)、トイレ行くにも不自由しなくなった。

エコノミー勢は歓迎するも、上級会員からは不評

このサービス、上級会員からは不評らしい。なんでも無料アップグレード対象になっていた席がBid My Priceに持っていかれたので、相当空きがない限りはアップグレードされなくなると考えられるからだそうだ。エコノミー勢からすれば最悪の席から逃れられる最後の手段であり、また、入札というゲームのような楽しみもあったりして歓迎されるだろう。

Bid My Price の今後は

このサービスはANAだけがやっているわけではなく、他の航空会社でも採用されている。もともとはカナダのPlusgradeという会社が開発したものだそうだ。クライアントリストにはスターアライアンスでよく見る航空会社の名前が並んでいる。

おそらくこの先、ビジネスクラスを入札させることも出てくると考えられる。ここに空席がでるような路線だと争奪戦になることが予想される。

なお、アップグレードされても得られるマイルはもともと予約していたクラスのものが適用される。世の中そんな甘くないようだ。また、マイル特典で予約された席はBid My Priceの対象外となる。

帰りの便の入札結果は?

プレエコなかなかよかったねーと感想を述べながら帰りも当たるといいなと思っていたのだが、帰りはご覧の通り、落札できなかった。しかし残念だとは思わなかった。良席を確保できていたからだ。

出張手配担当として良席の確保は最重要テーマだ。予約タイミングなどの関係で良席が確保できなかった場合、Bid My Priceの世話になることがまたあるだろう。

帰りのNH5便で使われている機材はボーイングのB777-300ERという機種で、エコノミークラスでも比較的広めのシートピッチとなっている。プレエコほどではないがユナイテッドでハズレ機材を引いたときのような苦行もなく、それほどストレスを感じずに帰ってくることが出来た。

次のアップグレードの検討をする際は、機材が何であるかも検討要素に入れるべきだなと思った。次がいつになるのかは、ちょっとわからないのだけど。

よろしければサポートをお願いします。得られたお金は社で飲むコーヒー豆や撮影機材の購入費用に充てようと思っています。