随分、回り道をした気がする そんな恋でした。 3年間の遠距離恋愛は、次に会える日までの1ヶ月がが1年に感じる位長く やっと一緒に過ごせるようになってからは、あっという間すぎて1週間がまるで1日のよう 思い返すと、付き合い始めた当初からずっとそうだったかもしれない 彼が赤色が好きだといえば、私も。と返す 肉じゃがは、豚肉より牛肉が好きだと言うと それも、私も!と返した 自分の意志が無い訳では無い 彼と好きを共感し、共有したかっただけだった 彼の好きなものを、私も好きにな
「大丈夫?」 初めての会話はマヌケで、恥ずかしくて、その場から消えて無くなってしまいたいものだった 学校帰り、ガタガタの砂利道を自転車にのっているとハンドルをとられ盛大に転けてしまった 運悪く、一目惚れをした先輩にその場を目撃され 嬉しいんだか、悲しいんだか、この時初めて会話をした 「大丈夫です!!」 「怪我しとるよ?」 「本当に大丈夫です!」 本音はもっと話したかった でも、それは確実に今ではない 子供が大好きなアニメ見たさに走り帰るように、無我夢中で自転車
「何の音楽聴いてんの?」 答えるより先に、片耳のイヤホンを取られた いつも、そう 本当に強引な人だなって思う。 幼稚園からずっと一緒に過ごしてきた友達 卒園も入学も、運動会も この街は、子供も少なくてみんな仲良し 日が暮れるまで泥だらけになって遊んだ毎日 そんな日が続いて ずっと、みんなと一緒に過ごせると思っていた 父親の転勤で突然、引っ越すことが決まった 自然が沢山で、波の音が聴こえるこの場所 毎日一緒に過ごしたみんなと離れるのが寂しかった 新しい学校は今まで