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いのち由来の光の総量を最大化させるアート作品"kodou"_松島 宏佑さん

約5ヶ月間、起業準備に取り組む起業家養成プログラム チャレンジャー制度。今回は、チャレンジャー4期生(支援期間:2021年5月-9月)の松島宏佑さんにインタビューしましたので、ご紹介します。


松島 宏佑さんプロフィール

1986年生まれ。東京工業大学物理学科卒業。大学卒業後は島根県海士町にあるまちづくり会社に勤務。東日本大震災が発生し、地元が被災したことをきっかけに、社会起業家としてNPOを創業。被災地の人材支援、コミュニティ支援を行った。その後、組織系コンサルティングファーム、戦略デザインファームで、事業構想デザインなどの業務に従事。

2018年より、詩人、アーティストとして活動。新しい詩の表現を試みた「触れる詩」「地球、この孤独な生命展」、時間がテーマの「コドウ時計」などの作品を経て、人間の鼓動を光にする"kodou"のプロジェクトを開始。共通するテーマは、生命への畏怖。2年ほどの活動を経て、kodou株式会社を設立。現在、同社代表取締役。

ビジョン

人類が、地球に存在する、生きとしいける存在と共存・調和できる世界の実現

事業内容

"kodou"は、人類に、いのちの目線から世界を眺めることのできる芸術体験を提供します。センシング技術を活用し、人間の心臓の鼓動を光に変換。自身のいのち、他者のいのち、世界のいのちを感じる体験です。

"kodou" の本質は、人種、性別、国籍、価値観が異なるすべての人のいのちを、鼓動の光だけで表現していることにあります。光だけを見ていても、顔も、声も、人種も分かりません。ただ、そこに"生きている存在がいる" ことだけが分かる体験です。私たち一人ひとりが生きているということ。私は生きているし、あなたも生きているし、みんな生きているということ。"kodou "は、この当たり前すぎるけれど、普段忘れてしまっている体感覚を想い出す体験でもあります。

その先に、異なる存在であっても、互いを生ある存在として受け入れ、今地球上にある人種、紛争、環境問題の根源である、"分断" を超えることに繋がるのではないか。共にこの地球上で生きていくことができるのではないかと思っています。

作品例

2020年7月22日、80人で開催した芸術体験。一つひとつの光の明滅が、一人ひとりの鼓動の明滅と対応しています。

オランダ、ドイツ、日本、116名の鼓動を集め、そのいのちのデータから生成した作品です。


価値観や信念

生まれてしまう、を信じること。
創り続けること。

宇宙のはじまりを知りたくて、大学では物理学を専攻しました。大学卒業後、島根県にある離島、海士町で働いた後、東日本大震災後の東北に移住し、NPOを経営していました。僻地や被災地で、新しい社会の始まりに触れました。そして、3年前、妻が妊娠し、息子が生まれ、人間から人間が生まれる瞬間を目の当たりにしました。

その後、サハラ砂漠を訪れている時に、アーティストになることを決め、その後、作品を創り続け、作品が生まれる瞬間に立ち会い続けてきました。

バラバラに見えるかもしれませんが、私にとっては、「何かが生まれてしまう」瞬間に触れ続けている、という意味で一貫して同じことをしていると認識しています。

宇宙が生まれ、地球が生まれ、生命が生まれ、様々な人間の営みや作品が生まれるように、この世界は「生まれてしまう」ようになっている。私にとって、アーティストとして生きるとは、この「生まれてしまう」ことを信じる行為であり、それを日々作品を創り、生まれてくる作品と出会うことで、「生まれてしまう」瞬間に生き続けることを意味します。だから、私は創り続けます。

チャレンジャー期間中の目標

"kodou"が継続的に活動するための事業のプロトタイプ完成。


編集後記(HATSU鎌倉スタッフ小林より)
自分の内面と向き合い対話を繰り返すことは、体力もいりますし勇気もいることだと思います。松島さんは、対話を繰り返しながら無から有を作品として生み出す、精神力が素晴らしいと思いました。「作品が生まれる瞬間に出会うことに、中毒です。」という言葉が印象的でした。