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[気づき] 多様性が認められる社会を求めてー乙武洋匡氏の街録インタビューを見て

乙武洋匡氏
昨日Youtube街録チャンネルでこの人のインタビューを見た。
この人には「多様性を認めてほしい、多様性が認められる社会にしたい」という魂の願いがあるようだ。

しかしだからといって、身体障害者を代表して、そのスポークスマンになることは、嫌なようだ。ある意味 身体障害者というスタンスから、自分たちの大変さ、自分たちの要求を推し進めようとしている人たちとは、一線を画しているようだ。

この人の人生は、初めから、身体的な大きなギャップで大変だったであろうけれど、この人自身が明るく前向きなのと、この人を取り巻く人たちや環境が、それを暖かく支えて、一気にこの人を有名にした。

この人は常に、身体障害者だからという、社会の固定観念の枠を超えたところから、人生の選択をしてきて、それが実現されてきた。順調に。
人生の、その時々を一生懸命にやって、何か課題がハッキリすると、それを乗り越えて、自分の望みたい方向に動いてきた。そしてまた、進みたい方向に進めてきた。

本を書くときも、テレビ出演の時も、あれよ、あれよという間に、注目度を集めてきたのは、世間が身体障害者に抱くイメージから思いもかけないような、この人の爽やかな勇気を感じて、注目されたのであろう。

その後もライターとして活躍し、結局、社会を自分の思い描くように変えるには、教育が必要として、さらに再度大学に入って教員免許を取り、教師を経験する。

一つ一つの人生の舵取りが、多様性を認める社会になってほしいという、この人の願いからなのだろう。この人が本を書くのも、教員免許を取ったのも。

最終的に、政治家になることが、多様性を認める社会作りに必要だと思って、選挙に立候補する矢先にスキャンダルで失脚し、海外を歩き回った後、日本に戻ってきた。

今は、ライターをしたり、Youtubeやnote.comで記事を書いたり、義足のプロジェクトに関わったりしているという。でも、昨日見た街録チャンネルでのインタビューでは、最後に、やはり政治家への思いが立ちきれないようであった。

でも私はこの人の顔を見ていて、こう思った。
この人にとって、自分がこうと思ったことが頓挫したのは、この政治家になれなかったことが、多分初めてなんじゃないかなと思った。だから、これができないから、自分の魂の想いー多様性の認められた社会つくりーが、できないという思いが、断腸の思いのように感じられるのかもしれないが、この人がやりたいと思っていることは、政治家にならなければできないとは、私には思えなかった。

この人は今までの人生、自分を中心にして、周りの人が集まってきた。でも、その集まってきた人は、この人を支えるために集まっていて、この人の魂の思いを実現するために集まってきてはいなかったように思える。

つまり、この人が発信するメッセージは、それが書籍、テレビ出演など、この人の好感度には貢献したけれど、この人の魂の想いを共にやっていこうとして、それを実現するのに必要な、多様なスキルを持った人が集まってきたことがないように思えた。

つまりある意味、一人で動こうとしていた。一人で動いてきた。という感じなんだろうと思う。

自分の構想を現実化するようなパートナー、自分だけが光ってしまうのではなく、ともに輝く、あるいは相手をさらに輝かせるようなスタンスで、コーディネイトするプロジェクト、こんな風な多様性が認められる社会のサンプルの村・街を、日本のどこか一角に、建設すればいいと思った。そして、こんなふうなところ、魅力的でしょって見せればいいのだと思った。

この人は政治家になれなかったから、自分の夢が実現しなかったというよりかは、そのイメージを少しでも形にするためのプロジェクトを共にやってくれる、多彩な人材を自分に引き寄せて来なかったのだと思う。

確かに、本やテレビ出演などは、言葉で、自分のイメージを形にして発しているが、それが、人の心を動かして、行動に移させたかというと、そうでないように思った。

ただ、この人の光が輝いて、周りがそれを見て、清々しくなったのではないか。

つまり、この人の魂の願うことが、この人の成功している発信の仕方であっても、人の心を動かすだけのものにならないのは、この人が自分に焦点を当てているから、自分が輝いて見える。でも、人を動かして、新しい形を作るとき、それでは不十分なんだと思った。

こんな世界を共に作っていこう、というメッセージで、人の心を動かし、さらに人の行動力にも火をつけるような発信って、自分ごと、自分語りばかりの発信では、根本的に為されないのだと、この人の輝かしい成功のあゆみを見ていて、そして、この人の今の悔しさを見ていて、思った。

結論を言えば、この人が自分の魂の夢を実現するのは、多分政治というやり方よりかは、自分の魂の夢を実現するのに手を貸してくれる仲間、そんな人たちの心を動かし、そんな人たちの行動を輝かせるような発信なのではないだろうか?

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