Tchaikovsky Symphony No.5 2nd Movt.
みんな大好きチャイコフスキーの第5交響曲の第二楽章。49小節目からのひとくだりですが、ここだけでもアイデアが豊富に詰まっています。音はこちら。
例によって、主調のDから下降するバスラインは8小節めの頭までひたすら下降していき、次は2小節これを取り返すように上昇する。
ざっくりニ長調ではあるのだが、53小節目から54小節目はホ長調っぽく、そのあとロ短調っぽくなって、56小節目の頭でB minorの四六の和音が置かれる。その後、主題の頭の部分を繰り返してニ長調主和音の四六の和音に至る。
a としたのは倚音だが、51小節目の後半から55小節目まで半音ずつ上昇するメロディ全て倚音に飾られている。54小節目までは「なるほど」と思って聞いているのだが、チャイコフスキーのすごいのはもう一小節ダメ押しをするところですね。ここ、本当に感動する。
55小節目と58小節目の青の枠で囲んだ部分の和音進行は今やクリシェになっていると思いますが、極めて効果的。
56小節目から59小節目の四六の和音にいたるところは、じりじりと後ずさりするような弱進行の連続になっています。A7はDにもBmにも解決せずGに行ってしまう。GはF#に、F#7はEmにという形です。
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