硬派なカリカリ派
うちの猫様はまだ手のひらに乗るくらい小さいころうちに来た。
野良の母猫が家の床下で産んでいたところを保護されたと聞いている。
まだぱやぱやの赤ちゃんだったけれど離乳はしていて、私が与えた猫ミルクはフルシカト。
カリカリはまだ食べないのでふやかして与えて下さいと言われていて、一応初日はパウチにした。
翌日からお湯でふやかしたカリカリを与えたら大喜びでそればかり食べ、すぐにふやかさなくて良くなり、それ以来ずっとカリカリ派として生きている。
パウチのご飯を与えても、カリカリをねだる。
「カリッ」といういい音を立てるのが楽しいらしく、毎日楽しそうにカリカリを食べている。
それはそれですごく可愛いのだが、飼い主としては一応ウエットフードも食べて欲しい。
もし万が一病気になったりしたとき、療法食は大体缶のウエットフード。
だから好きそうなパウチを買ってきてたまに試しているのだが、今のところどれもこれもお気に召さないらしい。
おやつのかつおは食べるのに、缶に詰まったりパウチになったりするとやっぱり駄目。
恐らく歯ごたえの問題だと思う。
皆大好きちゃおちゅーるも、うちの猫様は食べない。
恐らく液体だから。
似たようなおやつで銀のスプーンのつぶリッチという商品があるんだけど、これは食べる。
たぶん中につぶつぶが入ってて、食感が楽しいから。
要するにうちの猫様、ごはんは食感命なのだ。
ウエットフードなど「そんなやわっこいもの、食べられないぜ」ってとこなのだ。
「カリカリの歯ごたえが堪らねえ」感じなのだ。
ちなみにうちの猫様は歯ブラシも好き。
人間の赤ちゃん用の小さい歯ブラシを口のあたりに持っていくと、横から歯を磨かせてくれる。
もしくは自分で齧って気になるところを磨いている。
なんか、こんなにカリカリ好きな猫様を飼うのが初めてだから、「本当にいいの?世間には美味しいものいっぱいあるよ」という気持ちになる。
でもきっと本猫的には余計なお世話なんだと思う。
今日もカリカリをいい音で食べていた硬派な江戸っ子猫。
何かしら療法食のお世話になる前にウエットフードの良さを伝えたい飼い主の苦悩は続く。