ちょっぴり補足 平和記念式典への首相参列について

 先日のハトノス広島講座について、書き方として誤解をあたえるのではとのご指摘を受けたので、今日はその補足です。「平和記念式典に現職の首相が参列したのはいつから?」という内容についてです。以下の記事ですね。

■初の現職首相参列者は佐藤栄作なのだけど…

 文中、毎年8月6日に行われている広島の平和記念式典に、現職の総理大臣が出席するようになったのはいつからか、という話について、下のように記しました。

 答えは1971年、佐藤栄作首相です。当時の山田広島市長の強い参列要望に応えたものとされていますが、この時はまだ現職首相の参列が恒常化することは、関係者の間でも想像がつかなかったようです。

 これは正しいのですが、ともすれば「佐藤首相以降は毎年現職の首相が式典に参列するようになった」とも受け取られてしまうかもしれません。しかし、そうなると正しくなくなってしまいます。正しい認識としては、「佐藤首相以降毎年総理大臣が広島や長崎に来ているわけではない」です。

 佐藤首相以降、次に広島の平和記念式典に出席した現職首相は、三木武夫首相です。佐藤首相の参列から5年後の1976年に広島、そして長崎の平和記念式典に出席したのです。長崎にとっては、これが初めての首相参列となりました。

 以降も毎年首相が参列しているわけではありません。これについて一覧みたいなものが今手元にないので、正確にいつが首相が参列した年か、ということをお伝えすることができません。多分、定着してきたのは割と最近だと思います。また詳細については調べてみますので、お待ちください。

■「よく来るなあ」なんて思ってしまう

 今の安倍首相は第2次政権になってから7年連続で広島の平和記念式典に来ています。思えば私が広島に関心を持つようになってからはずっと安倍政権なわけで、毎年来るのが当たり前というのは私自身が持っている感覚です。

 安倍首相は広島、長崎だけでなく沖縄の戦没者追悼式にも毎年参加している印象があります。そして、そのどこでも、なかなか全面的に歓迎されている、というわけではないです。現職首相という立場がそもそもデリケートというのもあるでしょうし、これまでの安倍首相の政策・行動を踏まえての色というのも出ているのでしょう。あらためて考えると、歓迎されてないのによく参加するなあ、なんてのんきな(?)ことも考えてしまいますね。これまでは「総理の責務なんだろうな」と思っていたのだけれど、それ以外の理由があるのかなとか、他に理由はないけれど「総理の責務」に最近なってしまったのかとか想像します。戦争についての人の”距離感”ってやはり時代とともに大きく変わっているので、慰霊行事における「総理の責務」の役割も確実に変化しているはずです。

■質問、ご指摘、コメントお待ちしています

 今回指摘を受けたのでこのように補足をすることができました。恐らくこれについて調べてみるとまた新たなネタも生まれてくる気がします。ありがたいことです。

 もし平和記念式典への首相の出席についてご存知の方がいらっしゃれば、教えていただけるととても助かりますし、嬉しいです。また、その他にも質問や知りたいことがあればそれも聞かせてもらえたら、嬉しいです。

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