見出し画像

"ひまそらあかね”は都知事にはなれない、それはわかっている。

 56人が立候補する混沌極まる都知事選。

 そのカオスについては、遠巻きながら眺めるしかないと思っていた。政治というものは、国家や地方自治体という極めて大きな組織が行うものだ。そのあまりの大きさに対して、僕は無力感を感じてきた。

 正直言って一票の重さなど感じたことはないし、票を入れたことで世界が変わるとも思えなかった。一票を入れないと、民主主義国家の国民として恥ずかしいから、直前になって誰に投票するかを考えていた。

 2020年、僕は小池百合子に投票した。その前は覚えていないが小池百合子だったような気がする。どうして小池百合子にいれたのかというと、知っている人の中では一番マシに見えたからだ。そうだったと思う。

 僕の投げ入れた清き一票は、366万1371票のなかの1票として処理された。それで選挙が終わり、次の選挙まで、さほど政治に関心を持つことがない。選挙というのはそういうものだ。
 
 我々は、国や地方自治体を変えることはできない。選挙制度というものは存在するが、どれだけ強く望んでも、ノミの吐息ほどの力も持てないのだ。例えば都知事選においては613万2717票分の1でしかなかったのだ(投票数は2020年)。

 そもそも、人柄をよく知るような人が選挙に出てくることはない。うさんくさい政治家志望なら何人か見たことはあるが、国会議員や首長になるような人はスキャンダルのときくらいしか顔を拝めない。

 今回の都知事選は地獄であった。現職の小池百合子、左派のヒロイン的な立ち位置である蓮舫、不自然なまでに持て囃されている石丸伸二、そして、いつぶりにお顔を見たか覚えていないが、田母神俊雄。

 あとは大量のNHK党に、芸能人、よく知らない謎の泡沫候補。まともな候補者がいない。地獄の釜の中から一番マシなゴミを選んでくるような選挙に思えた。

 そんな中で、よく知る人が立候補した。正直苦手な奴だし、今ここだから言うが、僕は彼に言われたことを未だにムカついている。同じ職場であっても二度と口を利きたくないし、友人としてもあまり好きではないだろう。

 その男がひまそらあかね(暇空茜)である。

 僕は彼のことを一年以上ウォッチしてきた。そして、アニメイト脅迫事件という恐るべき出来事があったとき、いてもたってもいられなくなって、ひまそらあかねの支持を表明した。Youtubeで番組を作り、不慣れな行政、司法の話題をなるだけ丁寧に語った。

 番組はすごく多くの人に聞いてもらえた。ひまそらあかね本人も視聴したらしく「ふーん、間違っているところばっかりだけど、(某ゲームのこと)わかってんじゃん」という上から目線の感じの悪いコメントをしていた。

 そのあと、少しでも支援になるようにと頑張って番組を作っていたら、ある日突然手のひらを返すかのように、「こいつはメンヘラ」と切り捨てブロックされた。それだけならいいのだが、ひまそらあかねの周辺にいる信者のようなやつらから、しばらくの間攻撃を受けることになった。本当にムカつく奴らである。

 ただ、ムカつくくらいはいい。別に友達ではないからだ。媚びたりなれ合ったりしないので、苛立たしく感じることはあるのだが、遠くで見ている分には面白い。

 何せ彼は、日本を支配する謎の陰謀と一人で戦い続けているのだ。こんなに面白い話はない。まるで、小説の登場人物のように彼は荒唐無稽な話をし続ける。しかし、時が経つとその与太話が、事実であることがわかったり、思わぬ波紋を呼んでいることがわかったりする。コンテンツとして非常に面白かった。

 彼の活動に価値があると思っている限り、彼の言動や視点が面白いと思っている限りは、支援者側でいようと考えた。僕にもプライドはあるからムカつくにはムカつく。多分他のやつに同じ事を言われたら許さない。が、ここは何とか堪えよう。

 あるとき、突然ブロックを解除された。どうやら機嫌が変わったようだ。しかし、1日後には「やっぱこいつアホ」と言われてブロックされた。表面上は気にしないようにしていたが「この私にアホというとは!!!ギニニニニニニニニニ!!!となったのは内緒である。

 暇空茜は様子がおかしかった。石丸伸二との対談を経て、明らかに余裕がなくなっているように見えた。情緒も不安定だった。今だから言うが、あの対談はまったく面白くなかった。そうは思ったのだが、彼は、ブロックしているくせに自分の悪口を見つけると探し出して文句を言ってくる。本当にめんどくさい。

 だけど、僕には1つの恩があった。

 僕は、信じている仲間に一斉に裏切られ、金も名誉もすべて取られて完全に潰されそうになったことがある。それは起業してから1年3ヶ月後のこと。

 僕たちは2人になった。唯一の中村派としてポイ捨てされ、一緒に潰されそうになった哀れなあしかと共に、呆然としていた。人はお金が関わるとここまで変わるのか――。絶句した。

 我が家を訪れ、子供たちと遊びながら一緒に焼肉をしていたメンバーが、突然ネット上で攻撃してくる。しかも、完全に潰して二度と立ち上がれなくなるように、大手メディアや、宇都宮徹壱という大御所ライターまで一緒になって、一斉に攻撃してきた。

 僕もあしかさんも完全に人間不信になった。しかも、さらに裏切りが続き、その裏切った人物は弁護士を代理人につけて、まるで脅しのようなメッセージを送ってきた。

 ついこの間まで仲間だったのにどうして……。

 僕はもう事業は続けられないと思い、相棒のあしかさんに言った。もうやめちゃおうか、と。

 あしかさんは言葉を振り絞るように「もう少しだけ頑張りましょう。僕は中村さんと成功したいです」と言ってくれた。あしかさんがそういうならもう少しだけ頑張ろう……。

 頑張ろうとは思ったが、資金は底を突いており、準備していた書籍企画は全部中止になった。おまけに二人とも体調不良のノイローゼである。生きているだけでやっとだ。ちなみにそれから一年半、我々の毎月の給料はゼロである。毎月末になると支払いにおわれ、場合によっては頭をさげて待っていただき、小さな仕事をつなぎながら何とか耐えてきた。

 あしかさんにもう少し頑張ろうと言われたけど、実は、僕はもう頑張れなくなっていた。もうやめよう。出版社はやめて、文章を書くのはやめて、タクシードライバーとして子供を養っていけばそれで幸せな人生じゃないか――。

 この状態の会社を維持するだけでも地獄なのに、弁護士からのお手紙まできた。ネットをみると、中村の失言を引き出して訴えちゃえばいいんだよとか書いているやつも見つかった。敵だらけである。サッカー界隈で味方はほとんどいなかった。もちろん、こっそりDMで励ましてくれる人もいたが、表には書けなかっただろう。

 我々が躓いたのは2022年の10月29日。それから一ヶ月間は地獄の日々であった。

 少し前まで仲良くしていたメンバーが、まるで鬼の首を取った英雄であるかのように、ネット上で嬉々としているのだ。

 しかし、もっと酷い地獄はある。

 同年11月29日。とある一般人が、議員会館で開催された会見で7人の弁護士から責め立てられていた。

 これが有名なリーガルハラスメント会見である。一般人を一人おさえるための会見とは思えない。完全なるオーバーキル。やりすぎである。

 その会見の光景をどうして目にしたのかは覚えていない。ネット上で話題になっていたから目に入ったのだろう。僕はパワハラだというレッテルを貼られた(後に自らの力でそんな疑惑は嘘だと証明した)。そういう時だったので、リーガルハラスメントという言葉に対して敏感に反応したのかもしれない。

 リーガルハラスメント会見は壮絶であった。ひまそらあかねという一般人が、「すべての女性の敵」というレッテルすら貼られ、ひたすら攻撃をされていく。

 その異様な光景、一方的な惨殺劇から、強いショックを受けた。

 失礼、惨殺劇という言葉は間違いだ。
 
 それは一方的な飽和攻撃であった。しかし、暇空茜は耐えた。そして、反撃をはじめた。
 
 彼は傷ついているそぶりすらも見せなかった。攻撃してきた者に対する反撃プロトコルを組むと、着実に実施していった。

 裁判費用を集めるためのカンパを行い、弁護団を集め、あるいは既に集まっていたかもしれないが、その場合は相談をし、住民監査のための手続きや、構成を組み、ネットを通じて広く戦いへの支援を訴えた。

 ひまそらあかねは、僕に対して「メンヘラ」とか「アホ」とか言って二度もわざわざブロックしてくるような奴だ。極めて口は悪い。狭量だと思うし、嫌われても仕方がないと思う。

 しかし、彼の戦う覚悟だけは本物だった。

 我々がぼんやりネットを眺めてポチポチクリックしている時も、彼は本気で戦っていたのだ。間違いなく戦場にいたのだ。

 彼は戦い続けた。議員会館を使うような大きな相手と戦った。決して屈することなく。そして、その戦いが、妄想癖のある偏執的なオタクの暴力だと言われたとしても、一切怯むことはなかった。

 誰も彼を止めることができなかった。

 その戦う姿勢は、僕に火をつけた。

 戦うのだ。戦って勝ち取るのだ。運命の女神(Moira)は戦わぬものに、決して微笑むことはないのだから。

 弁護士にプレッシャーをかけられたとしても、こっちも法律を勉強すればいいんだ。ひまそらあかねはそうやって戦っているじゃないか。相手が訴訟してくるならば応訴すればいい。厳しいときでも我々を信じてくれた社長に相談して、弁護士も紹介してもらい、ギリギリの予算の中で、顧問契約を結んでもらえた(そして、毎月必死に払い続けて今に至る)。

 誹謗中傷や悪い噂をばらまかれても屈することなく言い返せばいいのだ。

 絶対に屈しない心。誰にも媚びない。誰も信じない。自分が戦い続けることだけが、ひまそらあかねの真実であった。

 僕とあしかさんは、新しい書籍企画を立ち上げ、提訴になっても戦い抜く覚悟を決め、二人で励まし合ってここまでやってきた。

 ぼくは密かに、ひまそらあかねの相棒であるなるくんと、あしかさんを重ねていた。なるくんは絶対に裏切らない。あしかさんも絶対に裏切らない。

 ひまそらあかねは、なるくんのために勝つべきだ。

 ぼくがあしかさんのために勝たなければいけないのと同じように。

 もっともこれは個人的な感慨だ。忘れてほしい。

 さて、戦い続けてきたひまそらあかねは、今追い詰められている。行き止まりに追い込まれ、少しずつ、ジワジワと自分の領域を削られているのだろう。

 その恐怖、不安、重圧が、彼の心をかき乱したことは想像に難くない。何もせずにパスをしてしまったら、次のターンは来ないかもしれない。しかし、出す手札がない。

 絶望的な状況。何にも屈せず、悪態をつきながら戦い続けてきた男の最後が近づいていた。もちろん、傍観者である僕にはわからなかったが、後から整理するとそういう状況であったようだ。

 そこで彼はカードを切った。

 そのカードにはこう書かれていた。

 

東京都都知事選挙、立候補



 あまりのことに驚きで言葉が出なかった。ひまそらあかねはすごいことをする!!!感動すらした!!!

 しかし、あとでわかる。この一手は、追い詰められたネズミに残された唯一の反撃手段、決死の一噛みだったのだ。

 彼のことを笑うやつは笑え。これからも陰謀論者だと言われ続けるだろうし、何らかの罪で、名誉と自由を奪われ、悲嘆しながら老いていく運命になってしまうかもしれない。

 しかし、僕は支持したい。一票にしかならないが投票もしよう。

 何故なら、ぼくとあしかさん、そして西葛西出版は、戦い続ける姿勢をひまそらあかねから学んだからだ。

 この一票は小池百合子にいれた360万分の1よりも、きっと大きな効果を持つはずだ。持って欲しい。持ってくれ……。

 ひまそらあかねのことが好きかと言われたらわからない。ムカつくよ。嫌なこと言うし。おまえさ、前、僕が匿名掲示板に書き込んでいるとか疑って探してたよね。僕がそんなことするわけねぇだろ、なめんな!!

 ムカつくこともあるけどさ。

 僕は君に一票を入れる。

 ひまそらあかねに投票する。

 こっちのことをアホだと思っているみたいだけど、ひまそらあかねみたいな人を支持しているというと、色んな人から「やめたほういい」とか「はやく逃げろ」とか言われるんだよ。

 それでも、僕は支持しているからと言い続けてきた。Youtubeで支持を表明してからの4ヶ月の話ね。くせぇとかいって詮索しないでくれよ。清潔感のあるおじさんじゃないと、娘に嫌われるから気をつけているのだ。

 ただ、ひまそらあかねは、都知事にはなれない。

 そんなことは当たり前だ。巨大な恐竜相手に、トガリネズミみたいな小さくて弱くて誰からも愛されない生き物が勝てるわけがない。そんなことは僕だってわかる。客観的かつ冷静な評価として、ひまそらあかねは勝てない。都知事にはなれない。

 君は負けるし、僕はひまそらあかね支持者としてずっと粘着されることだろう。君の言葉が汚くて、方々に喧嘩を売ってくるせいで、支持する人まで非難されるのだ。

 でもいい。それもいい。僕はひまそらあかねから、戦う姿勢を見せてもらっただけで十分だ。

 今は少しでも力になりたい。

 そして、ぼくにとって一番強力な武器は文章だ。だから、余程気に入ったことしか書かない。だけど、ぼくはこの選挙期間中、ひまそらあかねのために書き続けることにする。

 これを目にした人に、君の姿が伝わるよう。ひまそらあかねの名前が一人でも多くの人に伝わるよう。

 そこまで頑張ったのに「こいつわかってない。クズ。よってくんな。スパイ」とか言われるリスクしかないのが腹立たしいところなのだが。

 皆さん。ひまそらあかねに票を入れてくれとはいいません。ただ、選挙期間中、彼の言葉を聞いてみて下さい。Youtubeをフォローするのがいいでしょう。頭のおかしいやつだと思うはずです。そういう人がほとんどかもしれません。しかし、1人でも、支持者が増えれば奇跡は起こるかもしれない。

 ひまそらあかねが都知事になるなんて奇跡でしか起こりえない。

だけど……

奇跡を待つより捨て身の努力よ
やることやっとかないと後味悪いでしょ 葛城ミサト



ひまそらあかね出馬表明(必聴)


ひまそらあかね出馬表明(後編)



最後の話は陰謀論に聞こえてしまうと思うので、まずは僕の解説を聞いて下さい。西葛西出版Youtubeより


文字起こしをしたら陰謀論にしか聞こえないかもしれない。でも聞いてほしい。彼の必死の叫びを。戦うものの輝きを!!



西葛西出版のYoutubeではひまそらあかねについての情報を、原液よりもマイルドに、かつ軽快に、消化しやすい状態にしてお届けしています。是非チャンネル登録をお願いします。あしかさんと二人でやってます。


 この文章は無料公開しています。投げ銭いただけましたら、選挙期間中の栄養補給に使わせていただきます。

 本人は当選したら顔出しするようですが、私は顔を出しているので、貼っておきます。


文章や音声コンテンツが面白いと思った方は、是非サポートをお願いします!コンテンツづくりのための経費や投資に使わせて頂きます。用途については不定期でnoteに公開します。