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東京に魅せられて

進学を機に、私はまあまあな田舎である地元とは何もかもが180度違う、大都会東京に上京した。

上京当初は目に入るもの全てが新鮮であった。
「表参道」や「新宿」等の、今までの私にとってはただの文字でしかなかったものが、五感を通して具体的な情報となり、急激に私に吸収されていく。

渋谷の人の多さ、表参道をとりまく洗練された雰囲気、銀座の高級感…
あらゆるものに私は圧倒されていた。                 そんな私も今となってはすっかり東京に慣れ、それぞれの地に私なりの思い出さえ存在する。

今回は、そんな思い出の中でもより一層特別な思いを抱いている東京駅について記したいと思う。

上京する以前にも、受験の関係で何度か利用したことがあった東京駅。
毎回あの大迷宮に苦しめられていた。
交差する複数の線路と、頻繁に現れる改札。
それらを自力で攻略する、なんて気は全く起きず、付き添いで来てくれていた父を見失わないように歩くことで精一杯だった。
しかし現在は、前から歩いてくる大勢の人を軽快に交わしながら、颯爽と東京駅を歩くことができる。
両親や友人が遊びに来た際は、刻々と変化している東京駅をさも自分が手を加えたかのように紹介してまわった。
あの頃とは違って、東京駅をモノにしている自分。
そんな些細な自らの成長を感じられるため、私にとって特別な場所なのである。


…東京に対しての思い出を記したところで、ようやくタイトルの“東京に魅せられて”に触れたいと思う。


私が感じている東京の最大の魅力は、あらゆる場所に電車で簡単に行くことができることである。

実家で生活していたときは、メディアで取り上げられる東京の情報は私には関係のない話だった。
どんなに楽しそうなイベントが開催されていても、どんなに美味しそうなお店のメニューが紹介されていても、それらのために片道1万円弱を払って東京に行くような財力は未成年であった私にはなかった。

それが今となってはどうだ。
片道数百円ですぐに世間の話題に飛びつくことができる。
さらにもう少しお金をたせば、ディズニーや江ノ島、川越などの他県にも足を伸ばすことができる。
好奇心旺盛である私にとっては言うまでもなく最高の環境であった。


そして電車の恩恵を受けながら東京を満喫した結果、新たな喜びを手にすることもできた。
それは、小説において東京の特定の地が描写された際に、明確に頭の中でそれを再現できることである。
読書好きの私にとって、これは思わぬ産物であった。
東京生活のおかげで読書をより楽しむことができるようになったのである。


このように、私の人生に大きな影響を与えてくれたことに対して感謝の意を示したい。
ありがとう、東京。そして上京を許してくれた両親。


P.S.
本当はもっと軽いテンションで書きたいのに、いちいち良い感じに言い回そうとするのやめたい。
そして文章の締め方難しすぎる。
これから書き続けることで慣れていこう…!

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