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Weekly AR Review vol.7|日本のARの中心地は渋谷?

寒くなってきましたが、体調はいかがでしょうか?

さて、今回も先週報道されたAR関連ニュースの中から、個人的に気になったものを取り上げて行きたいと思います!

『Weekly AR Review vol.7』で取り上げるトピックはこちら⬇️

CEATEC 2019 まとめ

先週最も盛り上がったイベントと言えばCEATECではないでしょうか。

10月15日から18日まで幕張メッセで開催された今年のCEATECでは、『つながる社会、共創する未来』が開催テーマとしておかれ、様々な産業・業種に向けたテクノロジーが紹介されました。
その中にはもちろんARも含まれています!

それでは、CEATECで展示されたARコンテンツの中から、いくつか気になったものを紹介して行きます。

■ 京セラ:3D-ARヘッドアップディスプレイ

京セラの展示ブースでは、車の運転中にリアルな立体表示で安全性と快適性をサポートする『3D-ARヘッドアップディスプレイ』のデモが展示されていました。

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Source:京セラオフィシャル資料

「3D-ARヘッドアップディスプレイ」では2視点裸眼立体表示視点検出カメラによるリアルタイム画像補正により、高画質な3Dをフロントガラスに映し出すことを可能にしています。デモでは、走行速度やナビ情報などがガラスが映し出されていました。

これから自動車の運転を体験としてアップデートするARの登場が期待できますね。

■ 三菱電機:空中しゃべり描きアプリ

三菱電機が開発するこのアプリでは、SNSなどで活用できる、新たな動画コミュニケーションを可能にするものです。

この『空中しゃべり描きアプリ』は、ARで話した言葉を文字として空間に表示し、指でなぞった軌跡に沿ってその場に配置出来るようになっています。

このアプリを使って、インスタ映え(AR映え?)する写真を撮ることが出来るので、ARを活用したSNSとして進化することが期待できそうです。

■ KDDI・凸版印刷:AR Museum

KDDIは凸版印刷と協力して開発した『AR Museum――国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱』というコンテンツの展示を行いました。このプロジェクトのテーマは『XR技術による時間と空間を超える体験の創出』

凸版印刷が制作した国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」をテーマにしたVR作品 をMRグラスNrealLightを用いて鑑賞できる様にする試みです。また、auオリジナルデザインのNrealLightが展示されたとこでも話題を呼びました。

KDDIのブースでは、リアルどこでもドアとも言える『XR Door ~瞬間移動体験・おもしろいほうの扉へ~』の展示も行なっていました。現実のドアにスマホをかざすと、ドアの向こうには拡張空間が広がっている、というものです。

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Source:CEATEC

この他にも「HoloLens 2のデモ」や「JTBの旅をサポートするAR」など、興味深いXRコンテンツは展示されていたのですが、別の機会に紹介したいと思います。

CEATECのようなテック系のイベントでは、これから登場するであろうARコンテンツが紹介されワクワクする一方で、それぞれの企業の力の入れ方が垣間見れて参考になりますね。社会実装に向けてどのようにアクションを取っていくのかこれからウォッチして行きたいと思います。

渋谷が「エンタメ×5G」で進化!街が、音楽プレーヤーになる。

以前の「Weekly AR Review vol.5」で紹介した『渋谷エンタメテック推進プロジェクト』の第二弾が始動しました!

このプロジェクトはKDDI、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインが共同で進める、テクノロジーを使い5G時代のテクノロジーを使ったエンターテインメントに特化した街作りの試みです。

前回は「バーチャルな渋谷」を見える形で「現実の渋谷」に重ね合わせる実証実験でしたが、今回は、音楽拡張体験で渋谷の街を音楽プレーヤーにする実証実験です。

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Source:PR Times

今回提供された"音のARサービス" AudioScape は、位置情報・時間・気分・天気などに応じてARが状況を解析し、それぞれのエリアの世界観・カルチャーに合わせて音楽を自動選曲してくれます。これにより環境や時間に最適な音楽を提案することで、街歩きの中に、音による新しい拡張体験が実現します。

この『Audio Scape』はオープンイノベーション型研究開発組織「DGLab」が開発したと音の分野のウェブAR技術と株式会社cotonと東京藝術大学が共同で開発した音楽生成サービス「soundtope」が使われています。

2019年10月19日より開催される第14回渋谷音楽祭開催に合わせて、渋谷の一部エリアで提供が開始します。開催期間は2019年10月19日から2019年12月末までの予定のようですので、興味のある方はこちらから詳細を確認してみて下さい!

音のARの試みに関するニュースは他にもありました。

2019年11月15日(金)から11月21日(木)の期間限定で、OSシネマズ神戸ハーバーランドにて『聴く映画館 -Touch that Sound! in KOBE-』が開催されます。音を基調とした、映画館の新たな楽しみ方を発信するプロジェクトです。

中野雅之氏(Boom Boom Satellites)、Cornelius、evala氏、Hello,Wendy!+zAk、清水靖晃といった最先端の音響に造詣の深いアーティスト達とソニー独自の波面合成技術を使った空間音響技術Sonic Surf VR(SSVR)のコラボで実現した、『音に触れる』体験を味わうことができます。

どちらのプロジェクトも新しい音との付き合い方を提案しています。特に、『渋谷エンタメテック推進プロジェクト』は、私たちが住む街の中に、音の体験を盛り込む試みであり、音を使った拡張体験の形のヒントになりそうです。

近い将来、自分の気分を反映した音を他人とシェアして、複数人で体験を共有する、なんてことが出来る様になるのかもしれません。これからの音楽ストリーミングサービスは、ARとしての体験が重要な要素として考えられるようになると思います。

一般への普及もそこまで遠い話ではない様です。10月初旬にBOSEが販売する"音のARグラス" Bose Framesが日本でも発売になりました。Amazonも同様のデバイスEcho Framesを発表しており、"音のAR"がこれから盛り上がってきそうです。

XR-Hub Cafe 11/5オープン!

XRの「知」を共創するメディア『XR-Hub』が提供するAR/VRクリエイターのための無償のコミュニティスペースが11/5にオープンします。

・MagicLeapやOculus Questなど、最新デバイスを完備。
・専任バリスタが淹れるコーヒー。
・渋谷から徒歩3分。
・そして、会員は無償で利用可。

といった、xR好きのためのコミュニティスペースが渋谷に誕生します。

オープンしてしばらくは『β版』とのことですが、すでに十分に魅力的です!

近年、『渋谷』は日本のARの中心地となりつつあるようです。

そこで、これから渋谷でオープンする施設や開始するイベントをいくつか紹介したいと思います。

■ ARを組み合わせたスイーツを提供する「ティフォニウム・カフェ」

「渋谷パルコ」の地下1階に、VRテーマパーク「ティフォニウム」の初となるカフェ『ティフォニウム・カフェ』がオープンします。スイーツがARと組み合わさって提供されるようです。

コンセプトは、黄昏時にだけ現れる幻のサーカス「トワイライト・サーカス」。魔法のような世界観の演出が楽しめます。

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#ビールに溺れる展

11月1日から2日に渋谷で開催される『 #ビールに溺れる展は、ビールを飲みながらもデジタルアートを楽しむことができる来場者体験型のエキシビションです。

竹谷嘉人氏やjbstyle.氏、ワタナベコムギ氏といったビールを愛飲するアーティスト達のアート作品がARで動き出し、ビールと共にARアートを楽しめるイベントとなっています。

ARクリエイターかつお酒好きの方にとっては、たまらないイベントですね!

これらに加え、『渋谷エンタメテック推進プロジェクト』ももちろん渋谷で行われています。さらに、(偶然かどうかはわかりませんが)渋谷にはARスタートアップのオフィスも多くあります。(*僕が所属するMESONも渋谷にオフィスをかまえています。)

近い将来、渋谷が日本のARトレンドの発信地になるのかもしれませんね。

さらなる活性化に向けて

CEATEC 2019ではARの展示が話題を集めました。コンテンツとして興味深いだけでなく、社会への実装や一般への普及を見据えたARコンテンツが多く展示され、業界の垣根を超えてARの期待が高まったと思います。

AudioScapeのような「音の拡張体験」の試みはこれから増えていくと思います。個人的には聴覚体験の拡張はデバイスの普及とともに一気に浸透すると考えています。

人が集まる場所でイベントを開催することによって、ARに興味を持つ人がどんどん増えるといいな、と思っています。その点、渋谷はぴったりな場所かもしれません。

といった感じで、日本のAR業界をさらに活性化させて行きたいですね!

そのためにも、AR関連ニュースを追っていきます!
来週公開の『Weekly AR Review vol. 8』もよろしくお願いします!


過去に公開した『Weekly AR Review』は⬇️のMESON XR MAGAZINEから見れます!

僕が所属しているMESONは「Spatial Computing時代のユースケースとUXをつくる」をテーマに掲げて活動しています。MESONの理念に共感して一緒に働いてくれるメンバー、プロジェクトをご一緒できる企業を募集中です!僕のTwitterでARネタ投稿や『Weekly AR Review』更新のお知らせをしています!フォローよろしくお願いします!



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