赤ちゃんの免疫と帝王切開と腸内細菌叢と

赤ちゃんの免疫系を発達させるのは
初期の腸内細菌叢
(免疫→自分の細胞、腸内細菌→自分以外の共生者 と思ってください)

もちろん子宮内にいるときに
母親から届けられた栄養や
出産後の母乳も重要ですが
消化機能が未発達な赤ちゃんにとって
腸内細菌叢はかなり重要

子宮では無菌状態でいた赤ちゃんが
はじめて腸内細菌と出会うのは
出産後ではなく出産中です
母親の産道を通り
妊娠期に母親が形成していった(膣内にいる)
ビフィズス菌や乳酸桿菌、大腸菌、腸球菌などを中心とした微生物群に出会います

世界中のどんな民族の赤ちゃんでも
ほぼ一週間でビフィズス菌や乳酸菌が優勢になります
これらが優勢であるのは
ビフィズス菌や乳酸菌の代謝産物である酸が有害菌から守ってくれるから
赤ちゃんの胃酸分泌が少ないのは
産道から微生物曝露をしやすくすることも
理由の一つとしても考えられます

イタリアのジャコモ・ビアスッチ博士らは
帝王切開で生まれた赤ちゃんは
初期の腸内細菌の多様性に悪影響を与え
免疫系の発達に問題がおきるかもしれないという発表をしました(2008)

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