七之助の与茂七
遅れ馳せながら、南座花形歌舞伎初日おめでとうございました。
例によって初日なので、詳しい感想は控えますが。
「切られの与三」といい今回の与茂七といい、七之助丈は「女方の加役としての立役」の幅を確実に広げているなあ、と。
いや、加役というと片手間感がある気がするな。「女方がやる立役」と言うべきか。
「兼ねる役者」としての与茂七ではないのです。
言わずもがな「立役」としての与茂七でもないのです。
お岩様というお役は立役ができる人でないとつとまらない、みたいなことをどこぞのセンセイが仰ってましたが、確かに六世歌右衛門も玉三郎丈も、お岩様はやっても与茂七はやらなかった。
…でも、もしその二人が与茂七をやったとしたら。
全く新しい「与茂七」が、そこで生まれていたかもしれない。
今回の七之助丈の与茂七は、まさしくそんな「新しい」与茂七でした。
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