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元ホテルマンとしてオーバーツーリズムをどう思うか

コロナが落ち着いたことで、円安などの要因もあり一気に日本へのインバウンドが増え、各観光地でオーバーツーリズムが発生しているとニュースで見ます。

皆さんは、旅行や観光に行きますか?
私は、近いうちに家族と行けたらなあと考えてます。

もちろん海外に行けたらめっちゃ嬉しいのでしょう。
とはいえ、円安があるため今は国内でと考えて観光地へ向かうと海外と国内からの旅行客で観光もままならないなんて事も。
オーバーツーリズムとはそういうものです。

とはいえ、本当に観光客は増えているのでしょうか?
調べてみると実際に訪日外国人は年々増加しているようです。
日本政府観光局の発表によると2023年は2500万人も来ています。

2022年が380万人だったことを考えると前年比だけでも増加率は654%です。

丁度コロナ禍明けということもありましたが、なんと一年の間に日本の人口の2割が来ています。


既にオーバーツーリズム気味な気もしますが、コロナ前の2019年は、3100万人も来ているので2024年は同じくらい来るかもしれません。

インバウンドが増えるともちろん、観光地にお金を落としてくれるため、観光に関わる企業や働く方にとっては死活問題です。

実際、私が働いていた2020年頃はコロナで誰も泊まっていない部屋が半数を超えていたの方が多かった訳ですから、インバウンドが増えた今の状況は喜ばしいことだと思います。

元ホテルマンとしても正直、ホテル業、観光業界が伸びる事は嬉しいです。円安が続く中でのある種の観光地の輸出とも取れる対応は、円安でも外貨を吸い上げることに一定の役割を果たしているでしょう。
政府も日本を「観光立国へ」と活路を見出そうと必死です。

訪日外国人数を2030年には6000万人に!という方針も打ち出しています。


とはいえですが、この目標は現実ではないと考えます。
訪日外国人が6000万人を超えることは可能でしょう。
そこは多分、年々の増加を考えるともっと早い段階で起きうるかと思います。

私が考えるインバウンド増加での問題点は以下の③点です。
①インバウンドの受け皿が無い
②観光地への環境破壊、地域との共生不可
③働き手の労働条件が悪い

①インバウンド受け皿が無い
ホテル、レストラン、観光地での働き手や管理を行う人々が不足しています。
これはもう高齢化社会でもうどうにもなりません。
これは、海外から安い人件費で輸入すれば良いかも知れません。
はっきりいえば、サービスが求められていないタイプの観光地であれば、働き手は付くかも知れないですが、ラグジュアリーな体験を提供するような場所でも人手が不足しています。


②観光地への環境破壊、地域との共生不可
簡単にいえば、人口密度が高い日本で更に人が増えたらどうなるか。
過密状態です。
朝の出勤ラッシュにデカデカとしたスーツケースを持った外国人集団がいれば気持ちも凹むでしょう。
京都では、地域のバスに大量のスーツケースを持った外国人がバスをほぼ占拠してしまい地域住民が利用できないなども問題も発生しています。

また、来る人の母数が増えればもちろん、モラルのかけることも発生する訳です。

郷に入れば郷に従えでは、ありませんがその国の文化とルール、あとはモラルを守ることは必要不可欠です。
ですが、人間はあくまで人間なので多様な方がおります。

③働き手の労働条件が悪い
いわゆるサービス業に当たるほとんどの観光業にまつわる方の労働条件は、あまり良くなっていません。
特に、最低賃金も割とあります。
迎える側が、やりがい搾取されているような状況で、「おもてなし」にやる気が上がるかと言われれば大半がNOと答えるかと思います。

これは、ラグジュアリーホテルでの考え方ですが、働き手が働き続けたいと言える環境整備ができていないというのが日本の観光業の現状だと思います。
求められるサービスは高いのに、1日に自分の給与以上のお金が目の前で動く状況に嫌気が指すこともしばしばでした。

実際、観光業の新卒離職率は50%超えです。

これは予想ですが、今年度もインバウンドが増えて企業の利益が出てもボーナスなどは増えても基本給はあまり変わらないかと思います。

しかし、人手が足りないため残業が増え、拘束時間は長くなり、皆限界の体力で「おもてなし」を続ける…なんてことも想像に容易いです…

そんな訳で、オーバーツーリズムが起きている観光業では、対策が急務でしょう。

最後に
私が元ホテルマンとして感じていることは、単純に働き手の待遇の改善と訪日税の導入です。

日本が観光立国になることは、時間の問題です。
受け皿を増やすこと、働き手の労働条件の改善は求められるでしょう。

また、観光地への需要過多を見直すことも必要かなと感じます。
迷惑行為も散見される中、どのように地域住民と観光を共存させるかがオーバーツーリズムでの課題と言えそうです。

以上、なんとなく書きたくなったので書いてみました。

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

また、次回がありましたらその時はよろしくお願いします。

ハテナ

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