「推し」についての一考

「推し」という言葉が登場したことによって、「好き」という言葉を使わずして、他者への好意を伝えることが可能になった。それは、どのような好意であるかということを秘匿化することができると考えられる。

特定のアイドルのファンであるときに、「あのアイドルが好きです!」ではなくて、「あのアイドル推しです!」というとどうだろう。ちょっとニュアンスが変わってくる。つまり、「好き」という言葉は人によって受け取り方が様々であり、使うのが難しい。likeなのかloveなのかfavoriteなのかniceなのかわからない。「推し」という言葉を使うことによって、他者に踏み込みすぎないポイントを作っているように思う。

つまり、「好き」と言語化することで、恋愛感情的な好意を募らせていくのを防ぐために、「推し」ということで、ただのファンなのでこれ以上は踏み込みませんよと第三者にアピールし、本心的な好意を第三者に秘匿化することができると考えられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?