2020/12/7~2020/12/13

12/7
朝井リョウが「ヨブンのこと」でお勧めしていた、「1人で誕生日会in New York」の後半トークを聞いた。たしかに下ネタは多いけれどどこか上品で、話のオチまで含めて赤裸々で叙情的な感じが凄く良かった。2時間以上ある動画ですが、フリートークは1時間辺りから始まります。


今日は最果タヒの新作「夜景座生まれ」を読み終わった。まごうことなき現時点での最果タヒの最高傑作。最果タヒという詩人の到達点とでも言わんばかりの素晴らしさよ。傷痕、ブレーカーの詩、築20年1LDK、底of海of夜of夏、loved、5月、友達、氷の詩、海の詩、好きになってしまった詩が多すぎて困る。夜景ような生々しくて美しい気持ち悪さと、星座のようなロマンチックで大袈裟に尊い感じが、叙情的な言葉の上に乗って、柔らかく刺々しい心臓を投げつけてくる感じがした。的確に言い表す言葉が無いこの感覚は、読んで貰えば絶対に分かると思う。誰かにとって初めてとなる詩集を贈るとしたら、今の僕は絶対この詩集を手渡すと思う。まさか詩集でこんなにも感動する日が来るなんて思ってもみなかった。
詩集を読み終わった後スマホを見たら、国際フォーラムで開催される佐久間さんのANN0イベントのチケットが当選していて、Instagram乗っ取られていた。1度に色んなことが起こりすぎて、最初は脳の処理が追い付かなかった。変なURLを踏んだ記憶も無いのにどうして乗っ取られたんだろう。怖い。でもそんなことより、佐久間さんのANN0イベントに当選したことの方が怖かったりする。まさか当たるとは。


12/8
昼御飯を食べているとき隣のテーブルで、上司が電話をしているせいで昼御飯のおあずけを食らっている後輩会社員を見かけた。手を拭いたタオルを綺麗に折り畳んでみたり、普段そんな場所伸ばさないだろっていう腕の筋を上司に見えないところで伸ばしたり、敢えて目の前にあるご飯の方を見ないようにしていたり。ご飯の誘惑に耐えながら時間が過ぎるのを待つその姿に何だか凄く萌えてしまった。遂に上司の電話が終わったときのマスク越しの笑顔はとても眩しくて、ご飯を食べることの喜びってこうでないとなと思った。因みに僕はその後輩社員の彼と同じメニューを食べていたので、彼が嬉しそうに食べ始めた後くらいから自分のご飯も更に美味しくなりました。なんか代金以上の美味しさを味わえた気がしてとても嬉しかった。
夜は友人とお酒を飲んだ。かなり久し振りのお酒は凄く美味しくて、かなり飲んでしまった。明日起きれるか心配だ。一緒にお酒を飲んでいた友人は、飲みすぎて酔い潰れてしまった。そんな姿を見たら、なんか自分の酔いが覚めたような気がした。酔い潰れた友人は自分の力で立ち上がることすら出来なくなっていたので、おんぶして家まで送り届けた。おんぶなんて中学生の頃ふざけて遊んでいたとき依頼だ。おんぶで長時間歩くなんて初めての経験で分かったことは、人は意外と重いということ。もしくは純粋に自分の筋力が衰えていたのかもしれない。思ったよりもおんぶが全身運動過ぎて明日筋肉痛になってしまいそうだ。あと、自分はこうなりたくないなと思ったので、また暫くお酒は控えようかなと思いました。どうでもいいけど、帰りに白タイツに身を包んだエセミッキーみたいな人とすれ違った。最近観始めた「呪術廻戦」の影響かな、呪霊にしか見えなかった。因みに「呪術廻戦」にはまだハマれていません。
まっつさんが企画した2020年ベスト女の子/男の子に投票した。あんまりポジティブに投票できない人も多そうな企画だけど、それを踏まえた上でもうただただ今年僕が夢中になって僕の好きな人達を紹介したいから参加した。Twitterでは名前だけだったけど、折角なので投票した人達の大好きで最高なところを一言ずつ添えていこうと思います。

2020年ベスト女の子
1.南沙良
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」からの永遠の推し。今年公開の「もみの家」での演技も最高でした。

2.松田好花
日向坂46の中で1番好きなメンバー。「日向坂で会いましょう」で頑張っているのを見ると嬉しくて泣きそうになっちゃう。

3.キュアスパークル(平光ひなた)(ヒーリングっとプリキュア)
最高のキャラクター。現代で生きることを全力で楽しむ可愛い子。髪型を毎朝頑張ってセットしているかと思うと健気で可愛い。

4.パク・ソダム
「青春の記録」でその強さとカッコよさに完全に惚れました。

5.高橋ひかる
女性版DJ松永。ヒロシのコーナーを一緒にやってくれるというだけで好感度が上がりまくりです。好き。

6.キュアグレース(花寺のどか)(ヒーリングっとプリキュア)
最強。優しさの固まり。二つ結びにした時の破壊力は凄まじい。

7.U子(A子さんの恋人)
"私は全然かわいそうなんかじゃない!"は今年1番大事にしたい言葉。

8.富田鈴花
日向坂46のパンサー尾方。常に負けに行ってる。負け顔がいい。好き。

9.新條由芽
固まるときはせめてかわいく!のキラメイグリーン。結局キラメイジャーは最強。

10.パク・ギュヨン
「サイコだけど大丈夫」の健気担当。嫉妬しているときの演技が最高でした。


2020年ベスト男の子
1.佐久間宣行
おじさん。出たがりおじさんプロデューサー。年始のイベントに当選してしまった。

2.水石亜飛夢
キラメイブルー。もうとにかくカッコいい。人にとってエンタメが大切なことを本当に理解している。最高。大好き。今年1番惚れてる。

3.キンコ邪面(魔進戦隊キラメイジャー)
2段階認証だ!基本的に邪面は全員最高。

4.岡野陽一
タワマン

5.ペギタン(ヒーリングっとプリキュア)
何しても可愛い最弱ヒーリングアニマル

6.三浦直之(ロロ)
「窓辺」シリーズも、「秒速5センチメートル」朗読劇の脚本も最高でした。去年のNEWTOWNでのワークショップから完全に心の師として仰いでいます。

7.A太郎(A子さんの恋人)
僕はA君よりA太郎が好きでした。A太郎のAは永遠の"永"!

8.篠崎大悟(ロロ)
ロロで1番好きなメンバー。「心置きなく屋上で」は全てが最高でした。

9.小黒(羅小黒戦記)
可愛くて強い。

10.ディートフリート・ブーゲンビリア(ヴァイオレット・エヴァーガーデン)
僕は少佐じゃなくて大佐派です。




12/9
まだ昨日の酒が残っている気がする。会社に着いたときも、何か酔っぱらっている気がしてならない。二日酔いどころか完全に酔っ払った状態で仕事をすることになってしまいそうだ。水を飲まなくては。朝"来ないなー"と思っていた筋肉痛は、夕方からガッツリきた。筋肉痛になる度に筋トレをしなくてはと思うけど、筋トレだけはどうしても続けられない。筋トレは最中に別の何かを楽しむ余裕が無いからなのかな。
夜は荻原慎一郎の「滑走路」を読み終えた。とにかく優しい。荻原慎一郎という人間はとにかく優しい人間で、この歌集は歌を通して彼の優しさに触れることのできる歌集だった。日々の辛さや苦しさを短歌にぶつけながら、必死に生きているのがひしひしと伝わってきた。伝わってきた上での最後の3首、

自転車のペダル漕ぐ朝 模索の果てにちゃんと光が射せばいいのに

ポケットに手を入れながら待っている フランス行きの空飛ぶバスを

遅刻せぬよう走るのだ 鬣をなびかせ走る馬のごとくに

は本当にとても感動的だった。橋口亮輔監督作「恋人たち」のラストシーンを思わずにはいられなかった。歌人としての荻原慎一郎が"凄いか"と問われたら、僕は多分"いいえ"と答えると思う。歌人としての荻原慎一郎が"強い"かと問われたら、僕は迷うこと無く"はい"と答える気がする。


12/10
 今日は何でか分からないけど、1日中ずっと眠かった。転職してから初めて就業時間中にウトウトしてしまった。眠い中でも聞いていた佐久間さんのANN0は、馬鹿なメールを破く下りが凄く面白かった。全国の色んな場所でこの紙の破く音が聞かれてるのか、なんて思うと不思議と孤独が紛れた。久し振りにラジオの心強さを実感した。
 仕事が長引き過ぎて帰りがかなり遅くなってしまったので、夕飯はサラダとりんごジュースで済ませてしまった。こんな食事をしていると生活の喜びが消えて、ただでさえ低い自己肯定感が更に下がっていくことは分かっているから次はしないようにしなければ。まだ辛うじで、サラダにかけたリケンの「わさびごまドレッシング」が美味しかったという小さな喜びがあったおかげで助かった。「WITH GREEN」でサラダボウルを食べていたときもそうだったけど、結局サラダ×わさびは最強。


12/11
お昼に「汁なし担担麺キング軒」に行った。昨日の追い飯の旨さが尾を引いているのか、追い飯をまた食べたくなってしまった。汁なし担担麺は山椒の香りがとても美味しかった。でもやはりメインは追い飯。白飯を麺が無くなった椀の中にぶち込み、卓上の山椒と鷹の爪を追加、最後に追い飯専用タレをかけて作られた見た目の汚い追い飯は完璧な旨さだった。やはり追い飯。結局追い飯。2日連続で追い飯の旨さにやられてる。でも麺はそんなに好きじゃないから、もはや追い飯だけを食べに行きたい。どこかに追い飯だけ提供してくれるお店なんてないかなー。
TBSラジオの年越し特番の担当がハライチで、番組名が「ハライチのタァァァン」だと知って嬉しくなった。去年の「あるある年跨ぎ」も悪くはなかったけど、人が多すぎて少し持て余してしまった感も否めなかったから嬉しい。そしてゲストが松本穂香だというのは、流石に予想外すぎて笑ってしまった。果たして松本穂香は「ハライチのターン」のノリに付いていけるのだろうか。いや、いけるだろうな。


12/12
今日は渋谷PARCOで開催中の「最果タヒ展」に行った。事前にチケットまで買うくらい楽しみにしていた。渋谷PARCO4Fの一角でひっそりと開催されていた展覧会は、詩の欠片を会場内に散らばらせることで、新たな言葉の跳躍や繋がりを見せる面白い展覧会だった。特に"詩になる直前の、渋谷パルコは。"の会場は、日々沢山の情報と言葉が流れ込んできながら変化していく現代を可視化したような場所で、その中で自分が何を選んで何を捨てていくか、言葉を通して自分の感情や考えと向き合うような場所だったと思う。展示として面白くもありつつ、短絡的なSNS映え的側面も持ち合わせていて強い展覧会だった。展覧会を出た後、B1Fにある"甘味 おかめ"に行き、限定のスイーツを食べた。コースターに書かれた「紫の詩」も良かったです。

この日の昼は「ケニックカレー」でカレーを、夜は「かつどん屋 瑞兆」でカツ丼を食べた。どちらも口の中がずっと嬉しかった。渋谷PARCOを離れた後は、カフェで「三体 黒暗森林」の続きを読んでいた。ようやく上巻の第一部を読み終えたけれど、もうとにかく面白すぎる。カフェという喧騒の中で、他の音が聞こえなくなるくらいには集中していたと思う。カフェには結局2時間強も滞在してしまった。「三体」は本当に面白い。これからどう展開していくんだろう。凄くワクワクしている。

夜ご飯を食べた後は、渋谷WWWで開催された「ROTH BART BARON Tour 2020-2021 極彩色の祝祭」に行った。前回のライブから約2ヶ月振り。入場の段階から凄いコロナ管理をしている。入場待機列の管理だけでなく、客席にもビッシリ貼られた立ち位置シール。観客が客席のマスにピッタリ収まっていく様は、チェスを思わせた。こんなことを思うのも、きっと「クイーンズ・ギャンビット」を観たせいだな。ほぼ先頭での入場だったので、コートを置きたい気持ちも相まって最前列に行った。各自のスペースが区切られているから、最前列なのに物凄く過ごしやすい。こんなに過ごしやすい最前はSummer Sonic 2018でのMarian Hill以来だ。あの時はフェスに来ていた人の殆どがMARSHMELLOに行ってしまってかなりガラガラで辛かったな。それにしてもあの年のSummer Sonicは、Chance the RapperもTame ImpalaもBILLIE EILISHもPALE WAVESもWOLF ALICEもENDRECHERIも、REX ORANGE COUNTYもelrowも全部本当に最高だったな。今までと比べて客こそ少なかったけれど、間違いなく1番楽しいフェスだったなー。最前で開演を待っていたら、少し喉が渇いてきた。事前にドリンクは貰っていたので飲もうと思ったけど、ライブハウスはマスク厳守を謳っているし、これはいったいどこで飲めば良いんだろう?そんなことを思ってしまい、不安になって他の人はどうしてるのか客関内を見渡した。僕の予想に反して結構皆普通にマスクを下にずらしてドリンクを飲んでいた。マスクは下にずらすけど喋るわけじゃないからそりゃ大丈夫か。いちいち人の行動を見てからじゃないと自分の行動すら決められない感じ、僕に主体性というものは無くなってしまったんだろうか。開演を待っていると、三船さんの影ナレが流れてきた。緊張して拙い上に遵守を"そんしゅ"と読んでしまっていたり、あんな素晴らしい音楽を作っているとは思えないくらい抜けていて少し微笑ましくなってしまった。約2ヶ月前の「CAMPFIRE」の時も感じたけれど、ライブになるとROTH BART BARONはドラムがとにかくカッコ良い。ドラムの力強さとグルーヴ感が、バンド全体の勢いと楽しさを増大させている。ラストの"CHEEZY MAN"で泡立て器を使ってギターを弾く姿も衝撃的で良かった。ROTH BART BARONのライブは、何度行っても毎回新しい発見があって嬉しい。やっぱり僕はこのバンドが凄く好きなんだな。あと、僕はやっぱり配信より生で聴く音の方が好きなんだな。アルバムに収録された"ヨVE"で途切れた日常の続きは、ここにあったんだ。




12/13
今日は赤坂の草月ホールで、シベリア少女鉄道vol.33「メモリー×メモリー」を観劇した。久し振りのシベリア少女鉄道の演劇。相変わらず前半が緻密なのに後半でそれらを全て壊していく様に笑いすぎた。結局何を観ていたのか記憶に全く残っていない余韻も、逆に清々しくて最高だ。上演後に会場限定特典を見たら、劇中で使用されたメモリー集が載っていて笑ってしまった。全く人生に必要無いけれど、こういうのが欲しいなと思っていたから凄く嬉しい。MEMORY×MEMORYのロゴが完全に「HUNTER×HUNTER」のパクリになっていたのも最高だった。確かに、あれは完全に念能力だった。でも、少し「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドのような感じもあったな。Act.2とか言ってるし。何はともあれ、好きなものが前までと変わらず好きなまま在り続けてくれて本当に嬉しかった。
赤坂で「メモリー×メモリー」を観劇した後は、北千住に移動して東葛スポーツの「A-2活動の継続・再開のための公演」を観劇した。学ランを着ていないラブレターズ塚本さんが珍しくて、なんかずっと面白い。完全にオードリーのANNの影響が出てしまっている。演劇は途中下階の火災報知器が鳴ってしまい中断したけれど、何とか最後まで続いて安心した。中断中に舞台上で呆然とするラブレターズ塚本さんはとても愛おしかった。最後のラップパートでラブレターズ塚本さんからのラブレターを受け取ってしまったので、次回の単独は絶対に行こうと思います。劇の感想というよりラブレターズ塚本さんの感想になってしまったな。
観劇した帰り、財布と鍵入れを買って帰った。転職した会社で出たささやかなボーナスとは呼べないボーナスが出たときから、この2つを買おうと心に決めていた。財布は折り畳まないクラッチバッグに入れても膨らまないようなものを。鍵入れは誰しもが持っているような何の特徴もない普通のものを。どちらも安物だけど、僕の気分はとても晴れやかだ。この2つを持って早く休日の街に繰り出したい。






「12/7」
感情の開けられぬ場所開けられる鍵は詩集の中にある文字

「12/8」
おしぼりを綺麗に畳むあなたの手本当は箸掴みたいのに

おあずけだ!箸を持つのはおあずけだ!俺の電話が終わる日までは

いつか来るその日のために備えようひっそり伸ばす腕は助走だ

「12/9」
背負ってたあなたの重み残ってる筋肉痛じゃないよ たぶんね

「12/10」
まぜそばに入れる白飯君達は少し遅れるヒーローみたい

「12/11」
何度でも言い続けるよ追い飯は白飯達の最終兵器

「12/12」
街中で君が囁くその言葉誰かにとってそれはきっと詩

「12/13」
学ランを着てない君に渡された希望の言葉愛のお便り

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