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4歳の誕生日。

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息子の誕生日だったので熱海にむかった、息子は4歳になった。
3歳の誕生日も熱海で過ごしている。息子にとって海といえば熱海になっているし、熱海が特別な場所にもなっているようだ。

ぼくにとっても熱海はすこし特別な場所だ。高校3年生の夏にはじめて一人旅をしたのが熱海だった。家にあったカメラに36枚撮りのフィルムを1本いれて旅を撮った。

このとき撮影したフィルムは現像していない。なんで現像しなかったかというと、写真が壊滅的に下手だとおもったから結果を見たくなかったのだ。そのくせ何を撮影したのか、いまでもだいたい覚えている。

喫茶店で注文したパフェだったり、さびれた商店街にいる野良ネコや、海とか空の写真だ。人を撮る勇気はなくて、そのうえ写真を撮っていることを周囲に見られることすらも恥ずかしくて、人に背中をむけて写真を撮っていた。

写真はきっと下手だとおもうけど、いまおもえばきっとその下手さが良かったんだよね。現像をしていないので都合よく解釈できる。

あれから20年がたったところで、撮っているものはあまり変わっていない。北にいこうが南にいこうが、だいたい国内外のどこにいってもパフェや野良ネコを撮っている。写真は感動したものを撮るのだから、感動するものなんてそうかわらない。ちなみに昨日撮った写真はカツカレーだ。

一人旅をして写真を撮るということも、高校3年生のときから変わっていない。ただすこし成長したのは写真がすこし上手くなったことと、一人ではなく家族で訪れていることだ。

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お昼に生きたアワビを食べた。ムニョムニョ動いていることに息子は興味があるのか、手にとって観察している。お父さんも見てみなよと渡してくるけど、お父さんが興味があるのは、何かに興味をひかれている君になんだ。

遊覧船に乗ってカモメにエサをあげた。北海道でキツネにエサをあげるもの、日光でサルにエサをあげるものご法度なのに、なんでカモメは市民権をえているのだろう。動物たちのZOOM飲み会があったら白熱した議論になりそうだ。

渋谷のネズミや、田舎のアライグマが俺たちなんか駆除されてるんだぞ!と酔っ払って怒り出す。カモメはいろんな動物から妬まれそうだ。そんな動物ZOOM飲み会を妄想をしながら船酔いをごまかす。ぼくは頭が悪いけど、三半規管も悪い。船に乗ってファインダーをのぞくと素晴らしく酔うのだ。

いま吐いたらアワビがでてくる、そしてカモメがそれを食べる。
アワビがあまりにも不便だ、だから耐える。

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足だけ海に入るつもりだったけど、息子はしっかりと腰まで海に入っていた。だったら水着にしたよっておもいながらも、たのしいとどんどんたのしくなっていくんだよね、わかるよ。

去年の誕生日では海の中でお父さんの手を離さなかったけど、どんどん成長している。こちらは手を離して目を離さないだけでいい。成長にあわせてすこしづつ目も離していかなければならない。ぼくだってご先祖様にずっと見守られてたら、トイレにも行きにくい。

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スケボーをするお兄さんがいた。トリッキーな動きをみて「すごいねぇ、ゆうくんもやってみたい!」とずぶ濡れの息子がわりと大きな声でいうと、スケボーのお兄さんが「たのしいよ、やってみてね。」と息子に笑顔で声をかけてくれた。

敵意をもって否定することと、好意をもって肯定することは真逆の結果を生み出す。頭ではわかっていることだけど、息子といると答え合わせをしているような気分になる。

子どもにとってのヒーローは、父親やアニメのキャラクターだけじゃない。この時の息子にとってのヒーローはスケボーのお兄さんだ。いろんな世界のいろんなヒーローから影響を受けてほしい。

お父さんが中学生だったときのヒーローは、不登校をしている同級生だったよ。
学校が嫌いだったから、不登校をしている彼が好きなことをしているようで、カッコよく見えたんだ。

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熱海は東洋のナポリといわれている。日本各地に東洋の○○ってあるけど、こういうのやめればいいのに。ナポリの人に笑われそうだし、そもそも東洋のナポリだけで日本に何ヶ所あるんだ。熱海は熱海でいい。

高度経済成長期の観光ゴールドラッシュで旅館が建設された古い旅館も、バブル崩壊で廃業したであろう廃屋旅館もある。

経済をわかりやすく可視化したような街で、昔からあるような土産物店や飲食店では、こちらから声をかけたり質問しても、聞こえないのかワザとなのかわからないけどなぜか無視するくせに、自分の話はとまらないおばちゃんやおじちゃんがおおい。

騒がしくもさびれた観光地というのがぼくの熱海のイメージだ。落ち着いたリゾート地は日本にたくさんある。でもぼくは高校3年生の夏から熱海がなんとなくずっと好きだ。東海道新幹線を乗っていてスケジュールに余裕があるとよく熱海で一泊している。もしかしたらはじまりの場所だと感じているのかもしれない。

ホテルで熱海の100万ダラーな夜景を眺めていると、客室の電気がついていない旅館やホテルだらけなことに気づく。泊まっているホテルの方に聞くとまだ営業再開できないホテルや旅館がおおいそうだ。海外旅行ができないため熱海が注目されているというニュースを見ていたので意外だった。

熱海の景色は熱海に集まった人でできている。高校3年生だったぼくも4歳になった息子も熱海の景色の一部だ。来年の5歳の誕生日もまた熱海ですごしたい。




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