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『首相』と『総理』

日本の行政のトップ(最高責任者)は「内閣総理大臣」と言います。

日本国憲法第66条は以下のようになっています。
「内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。」「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」

初代内閣総理大臣 伊藤博文

でも、「内閣総理大臣」は長いので、「総理大臣」と言うことが多いですね。略称は「総理」です。一方、文字では「首相」と表記することがあります。「首相」は内閣総理大臣の通称です。「首相」は14世紀ごろの中国の歴史書にも登場する言葉で、複数の「大臣」(「相」と称した)のトップ(最上位)を表します。

新聞では通常「首相」を使いますが、これは「総理大臣」より文字数が少なくて済むから、という側面が強いと思われます。

テレビのニュースでは、音声(国会での発言やアナウンサーが読む原稿)では「総理」と言っていても、画面上は「首相」と表記するのが主流です。
(ただし、一部のテレビ局は画面上も「総理大臣」と表記しています。)

一方、政界において口頭で言うときは「総理」(「総理大臣」の短縮系)が使われることが多いようです。
国会で、野党議員が「ソーリ」と呼びかける場面を目にした方も多いと思います。
理由はいろいろあるようですが、「シュショー」だと聞き取りにくく、同音異義語があるのに比べ、「ソーリ」の方が間違われにくいからではないかと思います。
特に、電波の問題から現在に比べ音声が聞き取りにくかったラジオの時代には、「シュショー」は雑音に紛れやすかったのではないでしょうか。

ちなみに、総理大臣官邸のSNS(X)は「首相官邸」というアカウント名です。
https://x.com/kantei?lang=ja

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