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【前編】わたしとグラヴィス

グラヴィスとは、グラヴィス帯という帯をつかって、誰もが日常の中で実践できる「自己聴整法」。
とてもざっくり言うと、帯をして、床にとにかくコロコロと、気持ちよく横たわったり、ゆっくり身体を動かしていればいい。(ほんとうにざっくりだけれど。)

▼グラヴィス HP
https://www.gravisnet.com/

▼グラヴィス(ZXYA:ジザイア) note
https://note.com/gravist

新しい手法で、わたしは何とかことばで表現したい、したいと思ってきたけどなかなか難しかった。
それが、ひと月ほど前「立春を迎えるまでに文章にしよう!」と思い立ち
何とか書き上げることができた。

グラヴィスnoteにも記載されているけれど、こちらにも載せてみたい。

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私がグラヴィスに出会ったのは2019年の秋。
第一子出産を間近に控え、助産院に通っていたときだった。
最初に帯をしたときに感じたのは、不思議な安心感と、全身が"通る"ような、心地よさ。
やっと探していたものに出会えた、そんな予感がした。

それから3年ほど、自分なりにグラヴィスを続けてきて変化を感じるのは、身体のこともあるけれど、気持ちの面。
人からどう見えるかを気にし、常にがんばらねばと思っていた私が、
身体をゆるめて、やさしくすることを積み重ねていったら、

 わたしはわたしでいい
 自分にやさしくしていい
 感じたままに、いきたい方にいけばいい

と、実感できることが増えてきた。

この3年間、グラヴィス帯をしながら感じてきたことを書いてみたい。

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元々アレルギー体質だったのもあってか、身体の感覚には敏感で、年々積み重なる不定愁訴に身も心も重くなっていた。
呼吸が浅いなと思っては、いろんな運動を試し、噛み合わせが変だと思えば歯医者に行き、胃腸が重いなと感じては食事療法を試し。冷え取りや漢方、お灸など、やってきたことの数を挙げるとそこそこになる。
でも、私にはどれもしっくりこなかった。

学生のころから、手や顔が定期的にほてって乾き、ひび割れてしまう皮膚症状があった。皮膚科の薬も一時的に効くだけで、塗っても塗っても内側から乾いてしまっていた。

それに、ある時から何か考えようとすると頭が締め付けられるようなぼんやり感があり、うまく集中できない。自分のことを肯定できなくなり、こんな感じで生きていくのか、仕方ないかと思っていた。

そんな中、グラヴィスに出会った。
不思議な雰囲気の中、不思議な形で帯を巻いて、動き方の型がないことに戸惑った。でもそれがすごく面白かった。そして今までにない心地よさをじわーっと感じた。
呼吸が深く吸え、ブリキのようにギシギシしていた身体にも、油が差さったような滑らかさが出る。皮膚にある傷口も、帯をして体を緩めると、内側から潤ってくる感覚があった。むくみが取れて、指の先まで伸ばせる。他にも微細ではあるが、変化を感じた。
そしてゆるめた後は、ここちよくぼーっとできて、頭がスッキリする。

これはすごい、面白いと思った。
グラヴィスには謎なことも多く、「始めて大丈夫なのだろうか?」という思いもあった。けれど、今までにない心地よさと好奇心、ワクワクが勝って、グラヴィスルームに通うことにした。

鍛えることは一切なく、伸ばすことも縮めることもない。とにかくゆっくりゆったり、一番心地よいところを探して動いていく。
ナビゲーターとは教える、教えられるという上下関係はない。ただ、ガイドをしてもらうための存在。
今まで、勉強も部活も頑張り、上下関係のある中で社会の上を目指していく、そのために頑張って努力をする、という生き方をしてきた私には、驚くことばかりだった。でも、心が求めていることだと思った。

そして、引き込まれたのは、その世界観。
グラヴィスで描かれる世界は、純粋に美しいと思った。
同じ世界にいるはずなのに、切り取り方でこんなに違ったものが見えるんだ、と。
妊娠中に出会ったこともあり、自分の中にも小さな地球(子宮)があって、今いる地球ともつながっているという感覚はすんなり入ってきた。

そして身体をゆるめた後になされる、グラヴィスルームでの様々な会話。自分の抱えている身体的違和感や、外の世界との折り合いのつかなさ、子育てのことまで、実はバラバラなものではなくて、一つにつながっているという感じがした。自分がクリアになれる、安心安全な場でのこうした会話が、毎回楽しみになった。

グラヴィスを好きになった理由は他にもあるけれど、「自分で自分の舵を取っている感覚になれる」のは大きい。
帯も、ナビゲーターの存在もあるのだけれど、あくまでサポートしてくれるという感じで、「決めるのは自分」だ。

最も酷かった皮膚症状は、治っていく感覚はあったけれど、産後の環境変化もあったのか一進一退した。
そこで、途中から薬も一緒に使っていこうと思った。
今でも症状が出ることはあるが、そういえばずいぶん軽減されている。
(そういえば、くらいに思えるようになったのも、グラヴィスの影響は大きい。
症状の出ている箇所にとらわれずに動くよう、ガイドしてもらったから。)
これを書いている今は、つるつるだ。

出産、育児の上でも、グラヴィスが大きな支えになった。
産後、整体でよくならなかった左股関節の痛みは、帯を服の中にしてから散歩するようにしたら、そういえば痛みがいつのまになくなった。
子どもをずっと抱っこしてバキバキになった身体も、帯をするとじわっと全身に流れができて、硬い床の上でも気持ちよく横になれる。毎晩グラヴィスのできる時間が、支えだった。
身体がだるくて、1ミリも動きたくない…というときも、帯をすると体がまとまりをもって軽く感じられ、もう一息!と動くことができる。
カッと頭に血が昇って怒ってばかりになりそうな時も、帯をすると幾らか冷静になれる。(いつも、というわけにはいかないけれど。)

グラヴィスに出会った最初の1年は、身寄りのない土地で初めての出産育児に加え、実母の闘病、逝去があった。
精神的にはもっと混乱して、気分の波が乱高下してもおかしくなかったと思う。
でも、とにかく私が心身のバランスをとって、穏やかでいられることが、周りの安定につながる。
グラヴィスのおかげで、そこにだけ集中することができた。
自分で言うのもなんだが、穏やかに過ごすことができたと思う。
グラヴィスに出会えてありがたいな、と思った。

(後編に続く)