シェア
ぴちゃん ポツンポツン ぱらりぱらり さわさわ サーサー ぽたぽたぽた びちゃびちゃ カツン...カツン.... なんて豊かな表情をするのだろう なんてたくさんの音があるのだろう 金属の上に落ちて警告音を響かせたり 優しく頭を撫でるような小さな小さな粒 怒鳴りつけて頬を打つ風を連れてくるもの ときどき、心までびしょ濡れにして困らせて 夜、代わりに泣いてくれたり 雨
最初にそれを見つけた時は、分かっていたのにすぐには触れなかった。 それが大きかったこともあったが、既視感で動けなかったのだ。 まるで古いフィルムが再生されるように、あの日の出来事が頭の中に蘇ってきた。 ☆ まさ子が熱を出して学校を休んだので、帰りがけにプリントと給食のパンと牛乳を届けに行くことになった。 家を訪ねて行くと、まさ子はまだ熱が下がらず会えなかったが、叔母さんがお礼にと紙ナプキンに包んだお菓子をくれた。 役割を終えた解放感で
小学校の通学路に山道があった。 本当は山道は私の通学路じゃなかったのだけど、実はあそこを通って帰るのが大好きだった。 集合住宅の隣のミカン畑に金網のフェンスが張ってあり、真ん中を急で細いコンクリートの下り坂が続く。 付近の住宅は直ぐに無くなって森の中に入る。 殆ど真っすぐの山道の出口の少し手前で右に曲がると、小さな沼がある。 小さな沼の水は澄んでいいて、けれどもいつも静かで波立つことは無かった。 冬には薄い氷が張って、それを取り出して地面に落とすと鉄琴を鳴らすような
アメとガム、どっちが良い?と聞かれたら 絶対にアメと答える 最近は体重コントロールのためにガムにしなきゃいけないかな?と思ったりもするんだけど...。 もしもアメをもらうなら、個別包装の飴じゃなくて、缶に入ったドロップが良いな。 缶の中を覗き込んで、好きな色のドロップを選ぶの。 キラキラ光っているし、色によって味が違っていたりして、ワクワクしない? 赤は何の味だろう? イチゴかな?いや、リンゴかもしれない。 もしもフルーツじゃなかったら、どんな味だろう...?
大切なものを探す夢をみた。 あれはどこにしまってしまったんだろう...。 子どものころ宝箱にしていたお菓子の空き箱。 小さくなったいい匂いのする消しゴム キラキラ光る素材の入った包装紙 海で拾った丸くなったガラス キャラクターの鉛筆キャップ 授業中に回って来た手紙... ヘンテコリンナものばかり。 どうしてこんなゴミみたいなものを後生大事にしまっておいたのかと呆れるような。 心にひっかかって、すぐには捨てられなかったモノを入れるための箱だったのかもしれない