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つよくてニューゲーム戦略

個人的見解です。見当違いだったらすみません。

【これから起きうる悪いこと】

5/6に緊急事態宣言は解除できない。一部の都道府県での解除はあるかもしれないが、引き続き「次の2週間が運命の分かれ道」であるとして、自粛の要請が続く。延々と。

経路不明感染者が増えてしまった今、濃厚接触者を追跡するクラスター潰し戦略は通用しないため、これからはPCR検査実施人数の拡大に路線転換せざるを得ない。これに伴い陽性判定数もズルズル増えていく。前提が変わってしまうので宣言解除の客観的基準を失う。ニュース価値としての鮮度を次第に失い、メディアも飽き、視聴者も飽き、自粛の徹底は続かない。

観光や飲食などダメージの大きい業種は自粛要請の終わりが見えない中では事業をたたむしかない。コロナ倒産やコロナリストラなどの経済不安を背景に、自殺者数がコロナ感染死者数を超える。

リモートワークが急増する裏側で高まるサイバー攻撃のリスク。自然災害または人為的な要因で通信障害が起きた時の経済社会へのダメージが深刻化。

夏にはゲリラ豪雨や台風による被災リスクが高まる。避難所は三密。

自粛が限界を超えて人々は街に繰り出し、感染拡大の第二波が襲う。既に医療現場は疲弊、防護服などの物資は慢性的に不足。コロナ対応のしわ寄せで通常の医療を受けられず悪化・死亡する患者が増加。

相変わらず三密で議論する国会内での集団感染リスク。国会や行政府が集団感染により機能マヒした際のバックアッププランなし。

世界に目を向けると、欧米やアジアでの感染拡大を抑え込めたころに時間差でアフリカでの感染拡大。国際的な人や物の移動を制約しない限り感染拡大を抑え込めない。

世界中のコロナ長期化に伴う国際物流の停滞、バッタ被害による世界的な食糧不足。あるいはこうした食糧不足を見越した一部の国による買い占めなどのパニック。

北朝鮮の現体制崩壊に伴う難民問題の顕在化。10万人規模の難民が日本列島にも押し寄せる。三密を回避した状態で隔離するなど人道的対応がどこまでできるのか。

うぅ…暗くなる話ばかりです…。ここが文明の終焉なのか…。

【最悪に備えていま行っておくべきこと】

出来る限り、先手を打っていきましょう。

何よりまず、経済的理由による自殺を防ぐためのセーフティーネットの整備。

これから1年以上は緊急事態として手厚く行える予算を潤沢にどーんと積み上げて見せる。失業して家賃が払えなくなっても、ここにアクセスすれば健康で文化的な生活が保障されるんだよ~という安心感を社会全体に醸成すべき。個別世帯への現金給付などはそのあとでも良かった。

続いて、コロナ軽症者の療養施設を確保していく延長線上で、災害時の避難施設にもなる充実した居住環境を整備。保存食を大量に備蓄。難民対応施設も念頭に。どんどん建てまくろう。インバウンド観光目当てで建てまくったホテルを買ってもいいし。

経済活動の急激なデジタル依存に呼応した通信インフラの増強。冗長サーバの整備。バックアップ電源の確保。単に余剰電力を遊ばせておくのも惜しいので、大型データセンターを横付けして、電力需要がないときはガンガン計算機を回す。まずはワクチン開発など製薬分野に活用したらどうかな。

サイバー対策の強化。各企業への実践的サイバー演習の義務化。常に攻撃されていると思うぐらいでちょうどいい。中小企業向けセキュア回線の提供個々の対応能力に委ねるのではなく、政府が用意した理想環境をビジネスに使ってもらう。引きこもりハッカーを大量育成して攻めと守りに大活躍。自宅警備員から、サイバー警備員へのジョブチェンジ。

国際的な物流の停滞を見据えた食料や資源の確保。耕作放棄地による農業を公共事業化して、失業者の安定した職の確保と食料自給率の向上を図る。まずはセーフティネット用食料や避難所用の保存食作りから始めよう。

国会運営のデジタル化。首都機能の分散。東京以外の都市に副首都を設定し、国会議員及び行政官の半数を移転し、リモートワークで繋ぐことで有事の事業継続性を確保。国会議員も地元と東京の往復生活から解放されて、本務に専念できます。うんうん。

どうだっ!これぐらい先手を打てば、生き延びていくことができそう。

【つよくてニューゲーム戦略】

結局のところ、財政出動フル稼働で大きな政府となってリスク回避行動せざるを得ない、という話。

これは中長期的には交易条件の悪化を伴う。すなわち食料や資源を輸入に依存している構造が維持できないが、上記の通りその前に国内自給率を高めておくことで耐え抜くことができる。これはおそらく諸外国も同じ。

これまで、経済のグローバル化と企業の生産性向上を競うゲームを通じて国際社会は発展してきたが、これからしばらくはその前提が損なわれ、国内での自給自足を続けながら生き延びる戦略が求められる。

今回のレッスンを総括するにはまだ早いが、せっせと全体最適と効率化を図ってきた結果、一つのリスクが波及して社会全体が被るダメージも最大化されてしまった。

愛すべき不要不急を、取り戻したい。

そのためにはいかに冗長性を確保するか、いかに複数の物差しで評価するかが重要となる。

言い換えれば、過去のゲームでは、健康な成人男性が中心となってコモディティを大量生産することが一つの勝ちパターンだったが、新しい秩序では、これまで周辺に位置付けられていた女性、シニア、子ども、障害がある人、移民・難民などの多様な主体を包摂した持続可能な経済社会をどう構築するかが問われる。そうしなければ変容した新しい社会に適応することが難しい。

我々は幸運なことに、「つよくてニューゲーム」を再開することができる。過去の失敗の知識を持ち合わせたまま、テクノロジーをフル装備で新しい社会を作り直すことができる。

多様な主体に配慮して個別最適化を図ることは、かつては効率性の観点から実現不可能な理想だったが、今の我々にとってはそう難しい課題ではない。

そもそも、新型コロナウィルスの感染が拡大する前年に行われた国際会議では、10代の少女が、世界経済の発展の裏側で地球環境に及ぼす負荷が持続不可能な水準に達していることを非難するスピーチを行っていた。

少女に罵倒されたぐらいでは経済活動を止められないでいた僕らであっても、未知のウィルスに命の危険が脅かされるとなれば経済活動を止めざるを得ず、結果として、武漢上空の大気は澄み渡った。

世界的なパンデミックはどこからどう捉えても不幸な出来事でしかないけれど、人類が自然を従属させて永遠に繁栄することなど不可能だと分かってしまった今、やるべきことは、何かを支配し従属させることじゃなくて、相互に配慮した共存共栄の道であってほしい。

ウィルスに阻まれて世界中のドアが閉じてしまう前に、引き続き人類が繁栄を享受するために、まずは多様性を包摂するテクノロジーを速やかに社会実装していこう。

つよくてニューゲームを始めよう!

以上


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