沖縄県知事選挙政見放送(NHK版)文字起こし

2022年8月31日にNHKで放送された沖縄県知事選挙の政見放送を全文文字起こししました。沖縄県知事選挙の投開票日は2022年9月11日。この選挙に立候補したのは次の3人です(届出順)。

下地ミキオ候補
サキマ淳候補
玉城デニー候補

【アナウンサー】これから放送しますのは、無所属・下地ミキオさん、無所属・サキマ淳さん、無所属・玉城デニーさんです。

【アナウンサー】沖縄県知事候補者、無所属、下地ミキオ61歳。衆議院議員当選6回。郵政民営化兼防災担当大臣、沖縄開発政務次官、経済産業大臣政務官を歴任。では、下地ミキオさんの政見放送です。

【下地ミキオ候補】

県民の皆様、今回の知事選挙に立候補いたしました。下地ミキオと申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

沖縄は復帰して50年目を迎えました。今回の知事選挙は9人目の復帰後の知事を選ぶ選挙になります。これまでは保守と言われる方が3人、革新と言われる方が5人。2者選択の中で知事を選んできました。しかし、今回は新しい風、新しい政治、その大きな転換期を私は作りたいと思っています。改革を選択するか、それとも継続を選択するか。皆さん、新しい沖縄をつくっていきましょう。

新しい沖縄は国に依存しないことです。沖縄は自分で沖縄のプランをつくり、沖縄の人が実現していく。そんな沖縄に51年目からの沖縄はしていかなければなりません。下地ミキオはそれができる。もう準備をしてあります。

経済においては規制緩和。用途の変更、容積率の見直し、そして開発認可の早期の承認。農地の転用、そして防風林の見直し。県知事の権限ですべてができます。これをやることで、沖縄の土地は価値観がふえてくるでしょう。

これまで全て公共工事は税金でやってきました。これからはPFIを活用して、民間活力で私たちは社会インフラをつくっていくのです。皆さん、この2つの事業を中心的にやるのが沖縄の企業です。沖縄ファースト。これが大事なんです。

この50年間、沖縄はザル経済と言われてきました。もうそれを終わらせます。経済が成長しても、ど真ん中にあるのは、沖縄の企業。そうするんです。

子供に投資をします。保育園から大学専門学校まで全て無料化します。もちろん、給食費も18歳までの医療費も無料です。ただ、新しく私は朝の朝食のメニュー、それと800近くのある全国大会に沖縄の子供たちが参加する費用、その2つをサポートしていくんです。

これで550億円の財源がかかりますが、まず最初に自主財源、県知事が使える財源で250億準備し、そして県債を発行して300億準備します。それで来年の4月1日からは確実にスタートするんです。

再来年からは教育税をいただき、この教育税のもとに自主税源と合わせて、そして条例で、私が知事ではなくても永久に沖縄県は教育が無償化できる、この制度を確立していきます。

みなさん、もう辺野古の問題を終わらせます。軟弱地盤はやりません。一坪たりとも埋め立てはさせないと言いながら、3割埋め立てました。下地ミキオは、埋め立てをさせないということを確実に実現していきます。

条例をつくり、行政権限を使い、もう大丈夫です。宜野湾の皆さん、鹿児島県の馬毛島に訓練を移設します。騒音も危険もなくなります。皆さん、77年間悩んできたことが、もう解決します。もう大丈夫です。

これまで沖縄ができなかったこと。それを全てやるのが下地ミキオの政治です。皆さん、これからは沖縄の人ができる。誇りと自信を持ちましょう。それさえ持てば、沖縄は前に進むのです。一緒になって、沖縄を前に進めていきましょう。下地ミキオでした。

【アナウンサー】沖縄県知事候補者、無所属・下地ミキオさんの放送でした。

【アナウンサー】沖縄県知事候補者、無所属、サキマ淳、58歳。沖縄県宜野湾市出身。昭和63年千葉商科大学卒業。宜野湾市議会議員、沖縄県議会議員を歴任。前宜野湾市長。では、サキマ淳さんの政見放送です。

【サキマ淳候補】

県民の皆さん、こんにちは。来る9月11日投開票日となります沖縄県知事選挙に立候補いたしました。サキマ淳でございます。

4年前、私は「対立より対話」「県民の暮らし最優先」を掲げ、県知事選挙に立候補いたしましたが、残念ながら当選を果たすことはできませんでした。それでもご支持をいただいた県民の皆様への感謝の思いを胸に、故郷沖縄のために、どのようなことができるのだろうか。そのことをずっと考えてまいりました。

この4年間、首里城の炎上、豚熱の発生。コロナ禍、軽石の漂着など、沖縄は多くの災難に見舞われてしまいました。日を追うごとに目を覆いたくなる、そのような沖縄の現状を何とかしないといけない。今、県民の命と暮らしを守らなければならない。私はそのような思いで、今回県知事選挙への立候補を決意をいたしました。

私は今回の県知事選挙。経済危機突破を掲げました。今、そこにある危機をいかに突破できるか。その具体策を県民に提示し、未来をつくることで、できるリーダーは誰なのか。その選択が迫られております。

私は今回、サキマの未来政策80として、その具体的な取り組みを掲げました。今日はその5つの柱を紹介いたします。

まず、コロナ禍や物価高騰で苦しんでいる全ての県民、企業の皆様への支援を強化してまいります。全国最悪の感染率に全国最低のワクチン接種率。医療現場は逼迫し、経済も危機にあります。物価の高騰で県民生活が脅かされております。この危機を突破するために全力を尽くしてまいります。

次に、こども特区で日本一子育てしやすい沖縄を実現してまいります。全国有数の出生率の沖縄県ではありますが、学力は全国最下位水準であります。子どもの貧困率も全国ワーストでございます。私たちの宝である子供たちのために、できること全てに取り組み、全県で給食費、保育料、子供の医療費の無償化を実現をいたします。

次に、みんなの所得を大幅アップ。豊かさを実感できる沖縄をつくります。県民一人当たりの所得は、全国最低であります。コロナ禍に加えて物価高も重なり、暮らしの厳しさは増すばかりであります。社会情勢の変化に対応できる、しなやかで強い経済を実現してまいります。特に離島の不利性解消のための支援を強化してまいります。

次に、全ての県民の命と暮らしを守り抜きます。医療体制の整備や貧困の克服、防災など、私達の命や暮らしに直結する問題が放置されたままでございます。コロナでダメージを受けた県経済のV字回復のため、観光関連産業を中心に1000億規模の支援を行い、県民の暮らしの安全安心を守り、リーダーシップを持って最優先で取り組んでまいります。

次に、基地問題であります。今こそ、対立ではなく、対話を進めてまいります。普天間飛行場の返還合意から既に26年が経過いたしました。いまだに実現の見通しが立たないままでございます。県外飛行場の活用や訓練移転、辺野古の埋め立て工期短縮など現実的な方策で普天間飛行場の返還を2030年までに実現し、跡地利用を沖縄の未来を懸けた国家的プロジェクトとして推進し、県民の分断や国との対立に終止符を打ちます。嘉手納基地以南の1000ヘクタールの返還を実現し、基地の問題を終わらすことができるのは、私、サキマ淳であります。

沖縄が抱える課題を全て解決し、県民の命と暮らしを守ります。すべての県民が明るい笑顔で、やりがいを持って暮らす。海洋や環境、健康など、沖縄の持つ可能性を引き出し、県民の誰もが幸せを実感できる沖縄をつくるために、私は出来ること全てをやり遂げて参ります。

危機突破。私ならやれる。実現する。サキマ淳とともに、沖縄の未来をつくろうではありませんか。そのために、県民の皆様方のお一人のお力がどうしても必要でございます。どうかサキマ淳をよろしくお願いします。頑張ります。

【アナウンサー】沖縄県知事候補者、無所属、サキマ淳さんの放送でした。

【アナウンサー】沖縄県知事候補者、無所属・玉城デニー、62歳。うるま市与那城出身。民間企業、タレント業を経て、沖縄市議会議員、衆議院議員を歴任。2018年より沖縄県知事。では、玉城デニーさんの政見放送です。

【玉城デニー候補】

ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。皆様こんにちは、玉城デニーです。4年前、翁長前知事の急逝に伴い行われた県知事選挙で多くの方々のご支援で押し上げていただきました。以来、この4年間、ひたむきに沖縄県民のために走り続けてまいりました。

首里城の火災や豚熱、新型コロナウイルス、軽石の漂着など、災害級の厳しい状況に直面しましたが、県庁職員と一丸となって対応してまいりました。コロナウイルス対策については、これまでに総額6765億円の予算を組み、無料PCR検査の拡大や空港での水際対策、医療提供体制の確保、事業や雇用を守るための施策にも取り組んでまいりました。医療の現場を懸命に支える医療従事者をはじめ、観光、経済、教育など、これからも県民と一丸となって、県民の命と暮らしを支える施策に全力で取り組んでまいります。

この4年間、新時代、沖縄の到来、誇りある豊かさ、沖縄らしい優しい社会の構築を掲げ、さまざまな施策に取り組んでまいりました。選挙で掲げた291項目の公約。その全てに着手をし、287の項目は実際に予算を立てて計画を進めています。その実現率は98.6%です。公約以外にも、SDGsの推進など、県政発展のための施策も進めています。

2期目の選挙にあたって、私の政策の中から特に重要と考える政策をお話しします。

1つ目は、県経済と県民生活の再生です。コロナ前の2019年には、入域観光客数は1000万人を達成し、経済成長率も全国を上回る高い伸びを示していました。沖縄経済は全国を引っ張る発展可能性を持っています。

今年5月、今後10年間の沖縄振興計画となります、新沖縄21世紀ビジョン基本計画がスタートしました。産業振興、SDGsやDXの推進で、離島県のハンディを克服する取り組みを強化しながら、県民一人一人が豊かさを実感できる社会の実現につなげてまいります。正規雇用の拡大で県民の所得を引き上げます。MICE施設の整備、鉄軌道の導入にも取り組んでまいります。

2つ目は、子ども、若者、女性施策の充実です。この4年間、子どもの貧困対策を県政の最重要政策に位置付け、全力で取り組んでまいりました。子どもの医療費無料化は、翁長県政で小学校入学前まで拡大し、私の県政で中学卒業まで拡大しました。生活困窮世帯の中高生を対象とする、バス、モノレールの通学費無料化も実現できました。

これからも、30億円から、私の県政で、倍の60億円に積み増した基金を十分に活用して、子どもの貧困対策に全力で取り組んでまいります。学校給食の無償化、ヤングケアラーの支援、女性が働きやすい環境づくりや、若年妊産婦への支援などを進めてまいります。社会人としてスタートした18歳から20代半ばまでの若者へのファーストライフステージ支援に力を入れてまいります。

そして、米軍基地問題の解決です。私たち県民は50年前、基地のない平和な沖縄を求めて本土復帰を果たしました。2013年に、県内41全ての市町村長と議長が署名して政府に提出した建白書。そして今年復帰50年にあたり取りまとめた新たな建議書。そこに込められた県民の願いを実現するため、普天間飛行場の即時運用停止と閉鎖返還、辺野古新基地建設の断念、オスプレイ配備の撤回をブレずにひたむきに全国に訴え続けてまいります。

私は常々思います。平和だからこそ、観光を楽しむことができ、平和だからこそ安心して生活をすることができる。77年前のあの戦争の経験を、たくさんの方々が、重い口を開いて、平和が大事だよ。いくさゆ、なちぇならんど、と、私たちにしっかりと伝えてくださいました。命どぅ宝。平和こそ暮らしの原点。先人たちから受け継いだ、県民が固く信じる平和への思いを全国へ世界へしっかりと発信してまいります。

私はこれからも、誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会、平和で誇りある豊かな沖縄の実現に全身全霊で取り組んでまいります。新時代沖縄のさらにその先へ。県民の皆さん、一緒に歩んでまいりましょう。ユタサルグトゥリウニゲーサビラ。よろしくお願いいたします。イッペーニフェーデービル。大変ありがとうございます。

【アナウンサー】沖縄県知事候補者、無所属・玉城デニーさんの放送でした。只今の放送は、公職選挙法に基づいて候補者の政見をそのままお伝えしました。

以上

次の取材につなげたいと思います。よろしくお願いいたします。