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ブルース・ヘンダーソン

この「はただ修行中」のネタとして、たびたび「マンガ経営戦略全史」で紹介されている経営戦略に関わる大家を紹介しています。

今回は、「ブルース・ヘンダーソン」です。
ブルース・ヘンダーソン自身、企業経営理論などでも、「こんな理論を構築した人」として紹介されていないと思います。
というのは、有名なコンサルティング会社、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の創設者なんです。
「企業や市場を徹底的に分析してそれを動かしているメカニズムを見つけ出したい。いろいろと渡り歩いてきたが企業は面白い!もっと知りたい!」
ってことで、自分でコンサルティング会社を設立したそうです。

BCG設立の原動力は、ヘンダーソンの知的欲求によるもので、会社を立ち上げてから社員を募集するにあたり、
「ビジネス経験不問」「高度な知的欲求と知的水準求む」「高級」
で募集し、ハーバードビジネススクール出身であっても、トップクラス以外は門前払いにしたとのこと。

その要件をクリアした社員達はやっぱりすごい。
ジョン・クラークソンは、「学習効果を中心に調べてみて」というリクエストに応え、数ヶ月後に「学習曲線から得られる利益について」という論文を提出。

航空機製造に係る1機あたりの労働投入量は製造機数が倍になるたびに2割減少する…。これを製造・販売にかかる全コストに拡張し、累積した生産量を「経験値」とした場合、累積経験量が倍になると生産量あたりのコストが1割ずつ減少していく。

経験曲線」が誕生しました。

また、ヘッドハンティングして迎え入れたアラン・ゼーコンは、「自社の事業に自信があるなら借金を増やせ」という「持続可能な成長の方程式」を生み出します。
当時躍進する日本企業は、低価格で経験量を増やしてコストを下げ、借入金は増やすが配当を抑えるという手法をとっていました。
その意味を明らかにしたと言えるでしょう。

さらに1969年、入社1年目のリチャード・ロックリッジは、「数十もの事業を競合相手と一覧で比較できるようにしてくれないか?」という宿題を与えられます。
で、訪問先の予定変更で数時間待たされている間に、
絵としてわかりやすい。
実際に事業の位置付けを数値で分析できる。
というマトリクスを思い付きます。
これが、BCG最大の商品、成長・シェアマトリクス(PPM)です。

今日にも通じる実践的な経営戦略を生み出すスタッフの母体となったBCGの創立者であるブルース・ヘンダーソンは、やはり本紙に掲載されるべき巨匠だと思います。

中小企業診断士の試験に出てくることはないと思います。
また、企業との相談・支援業務においても出てくることはないと思います。
が、こういうドラマを垣間見ると企業経営や経営戦略を考える上で、モチベーションが上がります。

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