「カーボンニュートラル」と「GX」
「カーボンニュートラル」「GX」。
まだまだ旬なキーワードですね。
中小企業経営・政策の勉強をしていて、2023年度の「中小企業白書」で紹介されている内容をみていて、思うことがありました。
の前に、この視点は大事かも…と思ったのが、(株)東京商工リサーチ「中小企業が直面する経営課題に関するアンケート調査」のカーボンニュートラルの取組段階です。
段階0:気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解していない。
段階1:気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解している。
段階2:事業所全体で年間CO2排出量(Scope1,2)を把握している。
段階3:事業所における主要な排出源や削減余地の大きい設備等を把握している。
段階4:段階3で把握した設備等のCO2排出量や削減余地の大きい設備等を把握している。
段階5:段階1〜4に関する情報開示を行なっている。
こういう視点で取組段階を整理するのですね。
まず「状況把握」をし、それに関して情報開示を行うことで、カーボンニュートラルを推進していく…という手法をとっている。
具体的な削減方法は示さず、また、削減活動について自己評価を求めていない。
現状、日本のカーボンニュートラルの実態を表しているように思いました。
さて、このテーマについて勉強して思ったことなのですが…
上記の取組段階のうち、段階5の企業がカーボンニュートラルに取り組むことによる効果として、「企業価値(ブランド)の向上(59.6%)」「既存の取引先との関係性の維持(54.4%)」の割合が高いんだそうです。カーボンニュートラル自体が企業にとって何らかの効果を及ぼすレベルには至っていないんですね。
確かにこれまでの企業活動において、カーボンニュートラルと直接的な関連性がある業界・企業は、まだ少ないのでしょう。
これはカーボンニュートラル自体の課題なのかもしれません。
中小企業診断士になれたら、企業にカーボンニュートラルの取り組みを勧められるようになれたら…なんてことも思いますが、こちらから主体的に推奨するに足るものは、これから出てくるのだと期待します。
さて、そのカーボンニュートラル取組段階5の企業は、グリーン分野への事業再構築とも関連が深いようです。そして、これらの企業は、そのことにより「企業業績の向上につながる」と感じている…とのこと。
グリーン分野への事業再構築と関連づけられる企業は限られているかもしれません。しかし、こういう実感を感じるに至る取り組みを参考にすれば、他の関連付けにく企業にも応用できるかもしれません。
事業を維持・継続していくだけでもさまざまな困難を抱えている中小企業も多いと思いますが、カーボンニュートラルやGX的な事業転換は、社会において存続していく上での必須要件になります。
中小企業診断士としては、そのような手助け・助言していくことも、今後の課題であると思います。
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