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飛行中のパイロット

エフェクチュエーションの行動原則について、個々にコメントしてきましたが、最後となります。
5つめの「飛行中のパイロット」の原則(Pilot-in-the-Plane Principle)についてです。

まず、意味するところですが、
「予測ではなくコントロール可能な活動に集中し、望ましい成果を得ることを意味します。優れた起業家、自分たちがコントロールできない外的要因に労力をかけるのではなく、自分達がコントロール可能な範囲に焦点を合わせていく傾向があるとしています。」(スタディングの解説より)
「未来は技術の発展や経済動向などの外部要因が決めるものと考え、未来を予測してチャンスを待つことに労力を使うのではなく、未来は自ら創り出すものと捉え、自身がコントロールできることに集中して行動することを指す。」(グロービス経営大学院「MBA用語集エフェクチエーション」より)
と紹介されています。

言わんとすることはわかるのですが、正直、その比喩として「飛行中のパイロット」というのがわからないんです。
飛行中って、何となく、様々な状況、例えば気象条件の変化などを予測して、操縦していると思うんです。
もちろん、飛行中の外部の条件、例えば気象条件をコントロールすることはできないし、悪天候に見舞われたら、自機のコントロールに集中するしかないでしょう。
でも、そういう環境変化や悪条件を回避する…というのが、とりわけセンシティブな判断が求められるのが飛行機の操縦だと思うのです。

と、個人的な疑問はさておき、
確かに、コントロールミスが致命的という意味では起業にも通じるものであり、どのような状況下であろうと、「できることをして、無事、目的地に到着する(成果を生み出す)」ことに着目することは大切ですね。

他の行動原則もそうでしたし、「コントロールできない外部条件にとらわれず、臨機応変に、今できることをする」というのが、エフェクチュエーションの肝なのだと思います。
…急激な外部環境の変化
…予測不能な未来
などと言われる今日、このエフェクチュエーションの考え方は有効性・有用性を増していくものと思います。

あと、個人の精神的な健康を維持する上でも、
「自分がコントロールできないことで気にやまない。」
「自分が、できる範囲で、できることを着実にする。」
ことが肝要と言われます。
この考えにも通じるのかもしれません。

エフェクチエーションについて、各行動原則について取り上げて考えてきましたが、面白かったです。
今日において、重要な概念であることを再確認できました。

かと言って、コーゼーションは否定されるものでもなく、蔑ろにすべきものではないと思います。
目的からの逆算という、オーソドックスな手法などについても、ちゃんと整理して理解し、的確に活用できるようにならねば…と思っています。

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