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クレイジーキルト

エフェクチュエーションの行動原則について、3つめで、「クレイジーキルト」の原則についてです。

そもそも「クレイジーキルト」って何?…ということからスタートですね。
形や色などの違う布をパズルのように組み合わせて作り上げる一枚の布のことだそうです。
“違うものをパズルのように組み合わせて”ひとつにするということがポイントになります。

この「クレイジーキルト」は、事業を進める上での関係性について述べられています。
これまでに経営戦略として示されていたように、「精緻な競合分析をして競合相手に勝つ」ことをめざすのものではなく、
事業を進める上で関わってくるステークホルダーと関係性を気づき、ステークホルダーが持つ資源を活かして価値を生み出そうとするもので、
そこには競合相手も含まれており、交渉を経てパートナーとして事業を進めていくこととしています。

エフェクチュエーションがサラス・サラスバシー教授によって示されたのは2008年ですが、当時も、そして今はさらに、この関係性の在り方は意味を持つ者だと思います。
多様な要素が絡み合っており、例えば5フォース(競合、売り手、買い手、新規、代替)も各々が別の立場で関わってきます。また、生み出されるモノも他のものと絡み合って新たな展開につながっていきます。
「価値」というものも、捉え方や得られるもの、生み出し方、他との関係などなど、一様に捉えられなくなってきました。

このような時代において、ひとつの見方でしか捉えられず、あらかじめ定められた設定でしか関係性をもてないようであれば、本質的な成果が結実することはないのではないかと思います。
時々に応じて、関与する様々な要素を受け入れて、新たな関係性を構築しつつ、存在するリソースを活用して展開していく柔軟性が求められます。

とは言うものの、「関係性」とは「異なるものとの関わり」なので、つい慎重になってしまうのでは。
しかも、適当に関わればいいってものではなく、相手方に対する尊重、相手方にとってのメリットなどを常に意識する必要があると思います。
この「クレイジーキルト」の原則は、そういう意味で難しい行動原則ではないでしょうか。

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