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アンリ・フェイヨル

また、マンガ経営戦略全史からです。
このアンリ・フェイヨルも「近代マネジメントの3つの源流」の章で紹介されています。
が、本書を読むまで聞いたことがなかったです。

でも、すごい人ですね。19歳でフランス最高学府の一つを卒業したのち、炭鉱技師から主任技師、役員、鉱山経営、社長と出世を重ね、倒産寸前だった会社を優良企業に転換させた実業家。
そして、テイラーの「科学的管理法の技法」が出された5年後の1916年に「産業ならびに一般の管理」という経営理論書を出版します。

そこでは、


技術活動:開発、生産、成形、加工[開発・生産]
商業活動:購買、販売、交換[販売・購買]
財務活動:資本の調達と運用[財務]
保全活動:資産と従業員の保護[人事・総務]
会計活動:棚卸、バランスシート、コスト計算、統計[経理]
経営活動:計画、組織化、指令、調整、統制[経営企画・管理]


という企業における必要不可欠な活動を整理されているんだそうです。

さらに、「ビジネスの方向性や経営方針を定めること、各種活動間の調整、それら全てが「経営活動」である」として注目しています。
さらに、「経営活動」とは何かとして、


計画 Planning
組織化 Organizing
指令 Commanding
調整 Coordinating
統制 Controlling

という経営プロセス(POCCC)をあげて、このPOCCCサイクルを回し続けることを企業の経営管理であると提唱しいるそうです。
このPOCCCは、のちのPDSやPDCAにつながっていくんですね。

個人的に、フェイヨルは「経営管理をマネジメントではなくアドミニストレーションと表現している」とのことで、ちょっと共感します。

さらに人間理解と関係管理の重要性も認識し、「14の管理原則」の原則11にて、「公平とは公正に思いやりを込めたもの」と定義し、「規則を守りつつも思いやりある配慮をしてこそ企業は統治できる」としています。
…メイヨーの人間関係論より以前に。

実績、内容、視点・視野、人間性…これらの面で、すごく優れた経営戦略の偉人だと思いました。
こういう人がいた…と知れただけでも、この本をゲットしてよかったと思います。

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