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彼氏はいらないけれど「彼氏」は欲しい。

彼氏と水族館に行くのもカフェに行くのも手を繋ぐのもエッチをするのもいいけれど、わたしは水族館に行きたいしカフェに行きたいし手を繋ぎたいしエッチをしたいから「彼氏」が欲しい。

彼氏なら水族館が好きか分からないしカフェに付き合ってくれるかも分からない。手を繋ぐのも好きではないかもしれないし結婚するまでエッチはしたくないという考えかもしれない。相手に対してかなり駆け引きをしなくてはならない。
その点「彼氏」は楽だ。「彼氏」は水族館が好きだし、「彼氏」はカフェが絶対に好きだ。手を繋ぐのが好きだから「彼氏」なのであって、「彼氏」だから当然エッチが好きなのだ。

鍵括弧つきの彼氏は辞書的な意味を持たない。いわゆる彼氏ではない。「彼氏」は行きたい場所に応じて作るもので、だから「彼氏」はその都度違う人でいい。「彼氏」は絶対に自分のしたいことを叶えてくれるから、彼氏よりも効率がいいかもしれない。いや、恋愛に効率を求めちゃいけないのか。

まあ今は大学でもいい感じの人がいないから、ひとまずは「彼氏」と恋人ごっこを楽しもうかと思う。