見出し画像

試行の授業デザイン④|中2家庭科編

勤務校でのとある事情により、10月から中2家庭科の授業を受け持つことになりました。

ずっと小学校畑で、教頭になって初めて勤務した中学校。

昨年度も大人の事情で、3年生社会科の公民の授業を受け持っていた。
その時に、試してきた授業デザインがこちら。

今年は、家庭科です。
小学校高学年の時に、家庭科の授業をしていたものの、中学生相手では、やっぱり勝手が違うでしょう。

今回の記事では、「生活を豊かにするために〜作って楽しい布作品」約8時間分の授業デザインをざっくり考えます。


1.この学習では何を目指す?

この単元の学習目標は、

□製作に適した材料や縫い方、用具の安全な取り扱い方について理解できる。
□資源や環境に配慮して布を用いたものの製作計画を考え、工夫して製作できる

この2つです。

つまり、生活を豊かにする布製品を自分でつくってみるという体験を通して、将来大人になった時に、自分で暮らしを豊かにできる発想や実践ができるようになることを目指しているのでしょう。

いきなり実習です。
おもしろくなりそうです。わいわい、ガヤガヤしそうです。教室のあちこちで、学び合いが起こりそうです。

2.試してみたいチェックイン・チェックアウト

今回、せっかく授業を持してもらえるのですから、何か新しいことを試してみたい。
そんなことを考えていて、思いついたのがチェックイン・チェックアウトです。

コロナ禍で、教員としてのここ数年の学びの場は、オンラインが主でした。
私が参加した多くの学びの場では、このチェックインとチェックアウトがプロセスの中に必ずあり、その効果を実感していました。

「チェックイン」と「チェックアウト」は、特にファシリテーションの技術やチームビルディングのプロセスで使用されるコンセプトで、ミーティングやワークショップの参加者がその場のエネルギーや感情、考えを共有するための手法です。
1. **チェックイン**:
- ミーティングの開始時に行います。
- 参加者全員が現在の気持ちや考え、期待などを簡潔に共有する時間です。
- チェックインのプロセスを経ることで、参加者同士の理解が深まるとともに、その日のミーティングやアクティビティに集中しやすくなります。
- 例えば、「今日は特に質問が多いかもしれません」「少し疲れていますが、頑張ります」などと言った簡潔な共有を行います。
2. **チェックアウト**:
- ミーティングの終了時に行います。
- 参加者がミーティング中の気づきや感想、今後のアクションや気持ちを共有します。
- チェックアウトは、参加者が自分の感じたことや学びを認識し、それを他の人々と共有することで、全体の理解を深める手助けをするものです。
- 例として、「今日のディスカッションで新しい視点を得られた」「次回はもっと具体的な事例を持ってきます」などのフィードバックや意見があげられます。

この2つのプロセスは、参加者の意識を高め、ミーティングがより効果的で生産的に進行するのを助けます。特にチーム内の信頼を深めるためや、新しいメンバーが参加する場合には、このような手法が効果的です。

今回の単元は、裁縫実習です。
一人一人作品を作るとは言え、人それぞれ、得意不得意があり、個人学習というよりはグループ学習にしたいと考えています。

つまり、チームとして、メンバー同士協力し合い、製作を進めてもらいたい。
そのために、毎時間チェックインをし、チーム内の信頼を深めたり、状況の確認を行う時間とします。
授業の最後には、チェックアウトを行い、その日の実習の状況や感想や困り感、達成度などをチーム内で共有して、終わりとするのです。

3.試行の授業デザイン⑤

(1)チェックインタイム(5分)

学習班を一つのチームとして、チェックインを行います。
今の心境や状況について、一人ずつ語ります。
誰かが長くしゃべり過ぎたり、少な過ぎたりしないで、全員が公平に話せるように、場を工夫させます。

(2)ガイダンスタイム(3分)

この時間の課題や目標、学習内容、進め方について、教員が説明します。
スライドなどを使って端的に分かりやすくしたいです。

((3)レクチャータイム(7分))

場合によっては、新しい知識や技術を教える必要があります。
これについても、できるだけ端的にし、詳しい資料などは生徒個人が必要に応じてアクセスできるように、動線を事前に用意しておきます。

(4)グループワーク(37~87分)

必要な道具や材料などを準備し、製作にかかります。
グループワークでは、一人がどんどん進めればいいのではなく、チームメイトの状況も確認しながら、分からないところは、助け合う必要があります。
また、作業の安全確認、道具や材料の整理整頓も自分たちで適宜行うようにさせます。

(5)チェックアウト(5分)

チェックインと同じように、一人ずつ話してもらいます。
話す内容は、今日の学習の感想やグループワークの進行状況など、その時間に関連したことをアウトプットしてもらいます。
全員が公平に話せるようにお互い気をつけます。

チェックインの時もそうですが、自分が話したことについて、決して批判されない、受け入れてもらえるという安心感が必要です。安全安心な場でなければ、決して自己開示できませんからね。
このことは、最初に生徒たちの前で熱く語っておく必要があります。

4.まとめ

今回の記事では、ひょんなことから、中学2年生の家庭科を受け持つことになった筆者が、裁縫実習の単元をどのように授業していくかについて、その授業デザインを考えてみました。

授業は生き物です。
考えた通りになるとは限りません。いやうまくいかないことの方が多いかもしれませんが、ゴールとそこまでの歩み方について想定しておけば、大きく困ることは起きないと思います。

今日の記事が、どこかで授業作りに悩んでいる先生方のお役に立てれば嬉しいです。

では、また。

今日も、最後まで読んでいただいてありがとうございました!

他にも、教育×○○をテーマにいろいろ書いています。
読んでいただいたら、うれしいです。
「初めまして」の方はこちらからお願いします。
「スキ」や「フォロー」をいただけますと、とっても喜びます。

今週一番多く読んでいただいている記事はこちらです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?