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Adobe持ってなくても、あなたも表紙データ作成ができる!

「J.GARDEN52」への道、続きます。

この記事をお読みいただくと、Adobeのクリエイティブスイート持ってなくても、お金を掛けずに表紙データが簡単に作れるようになります!!(急にマニュアルっぽくなりましたが他意はありません。ロイヤルティとか貰ってない、メーカー忖度一切なしのレビューです。)

初めての同人誌なんだけど、まだ入稿してない、表紙データなんて作ってない。そしてなるべくお安く仕上げたい貴女に捧げます。

いにしえの同人は所謂「コピー本」と言って、原稿をコピー機で複製してホチキス止めしていたそうですが、今はいい時代らしく(※私は遅咲きのオタクなので昔のことをあまりよく知らない…)印刷所によっては1部から、本屋さんで売っているような本格的な同人誌を作ってもらえます。

ただし、本を作るには、幾つかの要素・ファイルが必要になります。


本の要素

必ずしも全部必要ではないかもしれませんが、一般的には下記のようなパーツが必要になります。

  1. 表紙

  2. 背表紙

  3. 裏表紙

  4. 中表紙

  5. 本文

  6. 奥付

中表紙や奥付は、ワープロソフトを使って、本文と一緒に作ってしまうことも、あるいは別ファイルで作ることもできます。

また、本文データの作り方については、今回一緒にJ.GARDEN52に出るmanaさんの記事がめちゃくちゃ詳しいので、そちらをどうぞ。

ちなみに、表紙や奥付などのPDFファイルが作れる、メチャクチャ便利なサイトがあるんですよ…。項目を入力してボタンクリック一つで!
シメケンプリント
こちらも同人誌印刷をやっておられますが、サイトで生成したPDFをシメケン様以外の印刷所に持って行ってもいいよ! という太っ腹。なんて素晴らしい。感謝の代わりに宣伝させていただきます。

最大の難所、「表1」「表4」結合

私がハマったのは、上記の1+2+3、所謂「表1、表4」を結合して、1画像にして送るプロセスです…(゚Д゚;)
表1、表4とは(賢者の印刷用語集/株式会社ウィルコーポレーション様サイトより)

結論から申し上げますと、私はCanvaというオンラインソフトで「表1」「表4」「背表紙」をそれぞれ作り、アイビスペイントというスマホアプリで結合しました。
どの辺でつまづいたか・どう乗り越えたか、順を追ってご説明します。
なお、私は今回、「おたクラブ(大阪印刷株式会社)」さんにお願いしました。おたクラブさんは、表1・表4はPSDかPNGフォーマットでしか入稿を受け付けていません。

おたクラブさんにお願いした理由ですが、

  1. 表紙をキラキラのホログラム加工してくれるのに、値段がお手頃

  2. お友達がここで印刷したことがある(=困った時に相談しやすい)

  3. お友達がここで作った同人誌が綺麗だった

まずやるべきこと。それはテンプレ入手

Adobe持ってない方は、必然的に「携帯端末用テンプレ」を使うことになります。こちらから入手。
ちなみにアイビスで作成できるのはA6(文庫サイズ)の表紙までのようですね。

これがおたクラブさんの表紙テンプレ(Adobe持ってない人用)as of 2022
たまに差し替えがありますので、印刷会社さんのサイトで最新版を入手するようにしてください。

僕たちの失敗(と、どう乗り越えたか)

①画像の解像度問題
表1・表4をフルカラーで印刷する場合、画像ファイルは350dpiを指定されることが多いと思います。印刷するには、ウェブで使うよりも高精細な画像が必要だということが分かればOKかと思いますが、「解像度って何? dpiって?」と気になっちゃう方は下記サイトを参考にしてください。
https://www.vanfu.co.jp/column/data/resolution.html
アイビスが素晴らしいのは、PNG書き出しすると自動的に解像度が350dpiになることです。何も考えずアイビスで作成したデータを送れば万事解決!
なお、作成した画像ファイルの解像度を確認する方法ですが、Windows民でしたら、当該ファイルを左クリック→プロパティ→詳細 ですが、それでも表示されない場合は、こちらを参考にしてください。

②背幅計算問題
ページ数と用紙によって、背幅の厚みが変わります。私がお願いした「おたクラブ(大阪印刷株式会社)」さんのサイトには、用紙とページ数で背幅をおおよそ計算してくれる機能があります。おたクラブさんへの発注を検討している方は使ったほうが良いと思います。
印刷会社によって、扱ってる紙の仕様などが違うので、入稿用画像を作るのは印刷会社を決め、そこの基準で背幅計算することをおすすめします。
ちなみに、本文が上質・書籍70kg(一般的な文庫本に使われるくらいの厚さ)で100ページ未満だと背幅が5㎜程度となりデザイン困難だそうなので、背幅(背表紙の幅)のことは忘れましょう。

おたクラブ「無線綴じ」商品ページ下部の背幅計算ツール

③画像編集ソフト使い慣れてない問題
アイビスペイントで、レイヤを4枚用意します。「レイヤって何?」「作り方が分からない」という方は公式マニュアルへどうぞ。一番上のレイヤに、テンプレ画像を配置します。これは透過するので、各パーツが適正サイズ・位置に収まっているか確認するのに使います。その他、(1)表表紙、(2)裏表紙、(3)背表紙 を1枚ずつレイヤに配置します。大きさや位置を調整しやすいので、パーツごとにレイヤを分けたほうが効率的です。
ちなみに私は、テンプレ画像の使い方が分からず、位置決めやサイズに、めっちゃ苦労しました…。

レイヤを足して、一番上にテンプレートを配置する。タイトルなども、個別に切り出してパーツにしてアイビスで位置決めするとバランスがとりやすい。

④「塗り足しって何」問題
印刷の都合で若干絵柄がズレることがあるので、真っ白け部分が出ないよう、少しゆとりをもって定型サイズよりも大きく画像を作っておく必要があります。極論すると、上記テンプレの一番外側の線まで色柄を塗っておけということです。

完成イメージ

まず、テンプレートを載せた状態で出力して、配置やサイズを確認します。ちなみに、厚みのある本ほど左右は余裕を持たせたほうが無難です。下記は今回全編新規書き下ろしの新作「孤独な龍は月に焦がれる」です。素晴らしく美麗な表紙(と挿絵も♡)は伊藤モネ様に描いていただきました。

この本は厚さ5ミリ程度だったので、背表紙を付けませんでした。表表紙を、背幅(5ミリ=緑の線)まで伸ばしています。

OKなら、テンプレートのレイヤを削除して再出力します。これで完成です。

R18作品の場合は、注意書きを表示することが推奨のようです。
完成品はこちら。完璧な仕上がりでした!✨

「この記事の通りに作ったけどダメだったやないかーい!」という苦情が出た場合、お聞きはしますが、損害賠償にはお応えしかねますので、ご利用は自己責任でお願いいたします。

それでもやっぱり無理な場合

自力で頑張るコース

同人誌表紙メーカーがおすすめです。豊富なデザインから柄を選び、タイトルや背幅、サイズを入力するだけで、表1・表4セットになった画像が作れます。数十種類も可愛いテンプレートがあるし、文字色やフォントもカスタマイズ可能です。

金の力で解決コース

pixivFACTORYさんなら、pixivにある小説を、サイトにある「PDF書き出し」ボタンクリックして出力。そしてテンプレから表紙デザインを選び、タイトルを入力するだけで、同人誌が作れます。

但し、自力で頑張るより単価は大幅に高くなります。私も試したことがありますが、自分の為だけにお気に入りの自作を紙にしたい場合などは、非常に簡単で便利なサービスだと思いました。

https://factory.pixiv.net/books/providers/pixiv_factory#50

では、また次の記事までごきげんよう。



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