pythonでみる「モメンタム」
相場の勢いや方向性を表現する指標「モメンタム」を紹介します。
定義や考え方
モメンタムは[当日の価格 - n日の株価]から求めることができ、
a.ゼロ以上なら強気相場
b.ゼロ以下なら弱気相場
c.ゼロより上にあり、更にモメンタムが上向けば上昇率の増加を示す
値が上なのに、モメンタムが横ばいになったら上昇率の低下を示す
d.ゼロより下にあり、更にモメンタムが下向けば下落率の拍車を示す
値が下なのに、モメンタムが横ばいになったら下落率の落ち着きを示す
・ゼロの下にあったモメンタムが、ゼロを上抜ければ買いサイン
・ゼロの上にあったモメンタムが、ゼロを下抜ければ売りサイン
というように判断されます。
計算してみよう
では、具体的に見てみましょう。(終値ベースで計算しています)
日経225でモメンタムを算出した表になります。
例えば1/19のモメンタムは1,375になりますが、
1/19の28,633から 1/4の27,258 を差し引いた値です。
28,633 - 27,258 = 1,375
簡単でわかりやすいですね!
お察しの良い方は気づかれたかもしれませんが、RSIとちょっと似ています。
RSIはちょっと複雑ですが、表計算してみるとなんとなーくわかります。
RSI = (A / A + B) x 100%
A = n日間の値上がり幅合計
B = n日間の値下がり幅合計
モメンタムは実際の数値なので銘柄によってバラバラですが、
RSIは割合なので比較しやすいですね。
そのことが、モメンタムよりもRSIのほうがメジャーたる所以なのでしょう。
チャートでみてみよう
TradingViewではインジケータ「MOM」で確認できます。
チャートは以前の期間で計算しているものがはいるので若干誤差がありそうですが、おおむね上記の計算と一致しそうですね。
直近の日付(右側)ではローソク足がヨコヨコしているので方向性がわかりづらいですが、モメンタム的には下向きなので、相場としてはちょっと弱気そうです。
ちょっと派生
このまま終わるとよくある説明なので、ちょっと派生してみます。
アメリカのセクター別ETFなどから分析してみましょう。
※期間はすべて2021年1月~5月末です。
VDE:エネルギー, VFH:金融 , VAW:素材 , VIS:資本財
IYR:不動産 , VOX:通信 , VDC:生活必需品, VCR:一般消費財
VHT:ヘルスケア, VGT:情報通信, VPU:公共事業 , GLD:金, CPER:銅
DX-Y.NYB:ドルインデックス, TIP:米国物価連動国債
T10YIE:インフレ率10年, DFII10:実質金利10Y, DGS10:名目金利10Y
日経225, マザーズ, トピックス, VIX指数
一覧にすると見づらい・・・ちょっと抜粋してみますか。
日経225は直近ちょっと下目線ですねぇ(がんばってほしい
一方マザーズは上向きですね。
昨今話題のインフレ率はやはり上向きなので、注意が必要かも。
金はきれいに右肩上がり。
相関関係
相関関係をヒートマップ上にしてみるとこうなりました。
わかりづらい・・・笑
日経225と各指標の相関を見てみましょう。
ビットコインが最も強い正相関のようです。
(ビットコインが上がると日経225も上がる、逆もしかり)
一方逆に金が最も強い負の相関でした。
(金が上がると日経が下がる、逆もしかり)
日経が下がるときヘッジとして金を積み立てる、という戦力を耳にしますが
こういう見方をすると有効そうであることがわかります。
ではマザーズ
マザーズは各指標において非常に強い正相関がみられます。
VIX指数とは負の相関にあるので、VIX指数が下がればマザーズが上がる、という関係がよくわかりますね。
まとめ
ということで、「モメンタム」について簡単(?)にまとめてみました。
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また、「こういう目線で分析できない?」みたいなテーマを頂けると、
時間はかかるかもしれませんが挑戦してみますので、ぜひご気軽にコメントくださいませ。
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