新型コロナ禍のなかで今できることを

染織こだまの児玉健作です。
20代の頃にはせっせとブログを書いていましたが、40代に入った今、改めて色んなことを書き遺しておくのも良いかと思い、記してみることにします。

着物小売店の代表を務めて7年が経ちました。
和装業界に入ってからは13年。
その間、和装市況が好況だったという記憶はありません。
(むしろ、着物屋の子として生まれて以来無いのですが…)

ですが、だからこそ今も面白いという気持ちが保たれながら、仕事をし続けているのかもしれません。前を向いていくだけで良いのですから。

そんななか、これから先の「モノがない時代」を予想しながら経営しているわけですが、低迷する和装産業に今まさに追い打ちとなっているのが、世界的流行を見せている新型感染症です。

染織こだまでは、2月はじめまでに2020年向けの夏物の仕入れ手配をほぼ終えて、新型感染症の拡大動向を伺っていましたが、2月末には「今年の夏物は販売減をまぬがれない」と予想しました。

夏向けの着物や浴衣は、概ね新年を迎えてから小売店が仕入れや仕入れ予約を行い、4~5月くらいまでに予約品・現品ともにはけていきます。

そこにちょうど感染拡大の波がかぶさり、在庫は卸段階までで滞留し、各種のイベントが次々と中止されたり、中止の判断が出され、販売見込みをたてられない小売店は仕入れをストップしている状況です。

仕入れを止めるだけではありません。販売できない在庫は年を越し、2021年の夏物仕入れへの強いブレーキとなります。この中で特につらい思いをするのが夏物製造メーカーさん、製造メーカーさんに支払いを終えながら卸が出来ない問屋さんです。(売れていないのは夏物に限りませんが)

かたや来年に向けての仕事が来ない(既に今年の増産依頼もキャンセル)、かたやモノはあるもののキャシュフローが著しく悪化ということで、息をひそめて待つ小売店より、かなり厳しい環境に置かれていると思われます。

染織こだまといえば、4月の東京催事が延期、5月に延期したそれも中止となり、6月の新店舗1周年記念パーティーも中止を判断せざるを得ず、巣篭もり状態になってインターネット通販でコツコツとしのいでいたところです。
少しでも、夏物をはかさないとという思いを抱きながら・・・。

昨日の静岡新聞報道で浴衣産地の危機を具体的に知ることが出来ましたが、春先に抱いた懸念が現実になっていることを思い知らされた感じでした。

それを受けて「着物で人と地域を元気に」と経営理念を掲げる染織こだまは、どうすべきか。具体的打ち手を考えた結果、中止となったパーティーを、オンラインで再起動させることにしました。

大事なテーマを2つ。
【産地の応援】・・・浴衣や夏の和服をドレスコードに
【地域経済の振興】・・・地元でテイクアウト活用など積極消費

【産地の応援】については、作り手と発注者(産地問屋)の両方が苦境に陥っていることを鑑み、「作り手と発注者は二人三脚の仲間」だとして、ともに応援できるよう、浴衣をはじめ夏物の需要喚起を念頭に置きます。

【地域経済の振興】は、疲弊する各地の飲食店を、テイクアウトなどを通じて消費を促し、少しでも力になることを目指します。

テーマを元に、パーティーを通じオンラインで交流することにより期待される成果を次のように考えています。

◆浴衣や夏着物を着るきっかけづくり、そのための消費拡大が図られる
◆飲食を通じて、それぞれの地元に少しでもお金がまわる
◆飲食物や特産品を通じた地域間交流(将来の人の往来、通販需要喚起)

さらに、今回私たちの会社はいち主催者としての立場ですが、同じような産地や地域への思いのある方が、それぞれに主催されて浴衣会や夏のイベントが次々と成立されれば、さらに望ましい形に近づくのではないでしょうか。

和装産業従事者だけでやっていても、規模には限りがあります。
より多くの方が、より良い方法を模索しながら立ち上がってくださることに期待しております。

そのためには、何よりも早く、楽しく、面白くやって成果を共有すること。力を出し合って、乗り切っていきましょう。

お申し込み・お問い合わせはFacebookかこちらのお問い合わせフォームまで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?