今シーズンのJリーグを振り返って。

異例のシーズンだった。

開幕節を終えてまもなく、Jリーグ中断。
いつ再開できる?
感染者が出たらどうする?
スタジアムに行って大丈夫?
クラブ消滅しないよね?
…こんなにも"サッカー以外の事柄"について議論が交わされた年はあっただろうか。


ようやく再開しても、苦難は絶えない。

超過密日程が待ち受けていたり、複数クラブをコロナ禍が直撃したり、ルールを守れない観客が出てきたり、複数クラブの経営難が大々的に報道されたり(マスコミはこういう時だけ仕事が早い)、とにかく、暗いニュースばかり押し寄せた。

これはもう仕方がない。コロナ禍において明るいニュースの方が多く舞い込んだ分野など、数えるほどしか無いだろうし。

それでも、Jリーグにポジティブな現象が起きていたことも忘れてはいけないと思う。若手が豊富に出場機会を与えられ、メキメキと成長したことだ。
MVP級の活躍を見せた大卒新人の三笘薫がスポットライトを浴びがちだが、腕試し的な起用が難しいゴールキーパー陣の奮起も目立った。鹿島の沖、湘南の谷、マリノスのオビの3人は特に強烈なインパクトを残したと思う。

日本はゴールキーパーが弱点だと言われて久しいが、彼ら東京五輪世代が大きな変化を起こしてくれるかもしれない。
スタメン起用に応え続けた若者たちが、そんな明るい未来を見せてくれた。

ルーキーたちの活躍に元気づけられてか、我々サッカーファンは気づけば皆、"サッカー"について熱く語っていた。

悲喜こもごものいつもの景色がタイムラインに戻ってきた、それが嬉しかった。
(ちなみに僕はサッカー垢でTRICKや仲間由紀恵や芳根京子や政治問題やらについて語っていた記憶がある。まったくお前は何をやってるんだ。いい加減、社会復帰したいな。)


今季、不甲斐ない成績に終わったり、惜しくも昇格を逃したり、経営状態が悪かったり、早くも選手監督の移籍話が出ていたり、今から降格枠4つの来季が心配でたまらなかったりと、暗い気持ちに苛まれている人も少なくないだろう。

ただ、こんなシーズンだったのだから、もっと「良かったこと」を振り返ってもよいのではないか。と僕は思う。

今季はとにかく異例のシーズンだった。オリンピックすら延期されてしまうウイルスの脅威に、世界中が振り回された。

そんな波乱の1年を、Jリーグは、無事に終えられたのだ。この奇跡をもっと噛み締めていいのではないか。

そしてその背景に、Jリーグに関わる全ての人々(我々ファンも含まれる)の努力があった。
そのことを、誇っていいのではないか。

誰も経験したことのない未曾有の災禍において、皆が協力して生み出した「努力の結晶」と「達成した成果」は、Jリーグの誇らしい歴史として残したい。あっさりと忘れてしまうのは、Jリーグの未来のためにも、少し惜しい気がする。

だからこそ、まずは皆で
「激動の1年間、本当にお疲れ様でした。」
と声を掛け合いたいよなー、と思う。

お金に余裕のある方はもし良かったら。本の購入に充てます。