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サッカー日本代表の試合で、選手を評価する際に意識しておきたいこと

3月22日と3月26日に行われる国際親善試合に向けた日本代表メンバーが発表された。
海外でプレーする超有名選手から、国内(Jリーグ)で活躍している期待の若手まで様々。「?」のつく選手も2人いるが、概ね非常に楽しみなメンバーとなっている。

ところで、日本代表の試合を観た時に、「〜は良い選手」「〜はダメな選手」と言いたくなる人は多いだろう。今回はその際に気をつけてほしいことを1つ、1人のサッカーファンの目線から書いておく。それは、

選手を安易に「型」でくくらない

ということだ。

言い換えれば、「〜背が高いから凄い!」とか「〜はJリーガーだからダメ!」といった、曖昧な型に当てはまるだけの選手評価はやめるべき、ということだ。

サッカーは完全なるチームスポーツだ。チームメイトやチームの戦術によって、プレーの質は大きく変わる。
どんなスター選手でも、チームメイトや戦術によってはイマイチ輝けないという複雑性を帯びている。(例:アルゼンチン代表でのメッシ、昨年のヴィッセル神戸でのイニエスタ)

昨今だと、アジアカップでJリーグ清水エスパルスの北川航也のプレーがネット上で槍玉に挙げられた。「なんでこんなに下手くそなんだ」「さすがJリーガーwww」と言ったコメントの嵐。酷いものだった。
彼らは理解していない。北川が、経験の少ないポジションで、普段と異なるプレースタイルを求められていたことを… (理由:怪我人続出による人材難)

確かに北川には技術的な課題がある。それはJリーグを観ていてもわかる。だが、普段と異なる戦術で、普段と異なるポジションで、普段と異なるプレーを求められ、しかも周りは北川にパスを出してくれない(※)。この状況で活躍しろというのは無理難題だ。
※昨年の名古屋グランパスのジョーや、今年の川崎フロンターレのレアンドロダミアン (共に元ブラジル代表)を見ていれば、新参者はなかなか信頼されないことが分かる。結果が全ての世界で、よくわからない選手にパスを出すのはリスキーだからだ。北川と武藤はこの憂き目に遭っていた。

話が逸れたが、特に強調しておきたいのは、「Jリーガーだからダメ」はおかしいということだ。
海外組の香川真司は日本代表で長らく活躍できていないし、海外組の本田圭佑は親善試合で散々足を引っ張りスタメンから外されたし、海外組の川島は凡ミスを連発してきた。一方でJリーガーの遠藤保仁や昌子源は代表を主力として支えてきた。これについてどう説明するのか。なぜ、海外組が活躍できないor国内組が活躍すると、だんまりを決め込むのか。フェアではない。
基本的に海外組の方が能力が高いことは間違いない。だが、日本代表に選ばれるような選手は、まもなく海外組となるような素晴らしい選手ばかりだ。イニエスタが「レベルが高い」と認め、元イングランド代表のジェイが「このリーグをバカにするのは試合を観ていない人だ」と褒めるJリーグで、堂々と活躍している選手ばかりだ。

「Jリーガーだからダメ」も、「海外で試合に出ていないからダメ」も、「髪型にこだわってるからダメ」も、「ビジネスに手を出してるからダメ」も、サッカーの知識ゼロでも言える「感情論」に過ぎない。
これは批判ではなく「悪口」だと思う。例外を挙げればキリがなく、説得力にも欠ける。
しかし感情論は単純で猿でも理解できるため、力を持ちやすい。人は難解な理屈よりも簡単な感情論に流されるのだから当然だ。だが、率直に言って、サッカーファンとしては、実に不快なのだ。声だけ大きいミーハーの感情論が、選手に対する世間の評価を構築する。ふざけるなと言いたい。
批判したければ、最低限のサッカーの知識を身につけてほしい。

例えば、「周りのチームメイトやチーム戦術のせいかもしれない」「相手に徹底的にマークされているからかもしれない」と考えてみてはいかがだろうか、いや、考えてほしい。選手が活躍できない最大の理由は、おそらくこれだからだ。

偉そうな言い方にはなるが、それが出来なければ、永遠にミーハーだと思う。

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