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Perfumeです!

3人組の話ではない。香水の話である。

しばらく前に香水をやめた。やめたというには大袈裟だけれど、香水をつけなくとも数人に「Janeはいい匂いがする」と言われたので香水がなくても生きていけるのではないかとそれを実践しているところだ。実際、今日行った診療所でドアがしまった途端、医者と看護師がぼそっと「いい匂いがしましたね」と言っていた。この正体、シャンプーとヘアオイルの香りだと私は気付いている。

私はもともと香水が好きで、特にアニック・グタールが好きで集めていた。プチ・シェリーから始まり、マンドラゴール、スソワールウジャメ、限定で出たミモザも手に入れた。アニック・グタールの何が好きってその世界観だ。スソワールウジャメは「今宵こそは」という意味だし、今は見かけなくなったニュイエトワーレは「星降る夜」なのだ。なんとロマンチックなのだろう。あの香水瓶の形もいい。集めたくなる香り、そして世界観。とにかく、アニック・グタールで香水にハマったといっても過言ではない。

香水にまつわる記憶はいくつかある。たまたま知り合い何度か飲みに行った人に、誕生日に香水を贈られた。ハート型の香水瓶。あまり深い意味はないのだろうけれどハートを差し出されたような気がして私は困り、その人とはそっと疎遠になっていった。もう一つは、好きだった人の香り。彼はいつもブルガリのオムニア クリスタリンの香りがした。とても好きだった。けれど彼の理想になれず別れが来てしまった。私は彼と同じ香水を買い、身につけるようになっていた。

最後に一つ。気になる香水がある。香り以上にその名前が。ウォルトのsans adieuという香水、意味は「さよならは言わない」。

香りは記憶に残るという。私の匂いも誰かの記憶に残っていくのだろうか。

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